表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/29

お兄様視点 王家の陰が襲ってきたので撃退しました

 俺はアインを馬車に乗せると座席に寝かした。

 アインの顔が少し白い。

 血を流しすぎたせいだろうか?

 俺は愛しのアインの頭を自分の膝の上に置いて抱きしめた。


 そうしている間に馬車は動き出した。


 淫乱聖女の魅了にかかっていたせいで、アインが傷つけられるのを黙ってみていたのは俺だ。

 アインが怪我するまで体が全く動かなかった。

 いや違う。アインは聖女に酷い事をしていたから怪我させられるのは当然だと思っていたのだ。


 全ては俺が悪い。

 本当に最低の兄だった。


 二度とアインを傷つけさせないと心に誓っていたのに!


「アイン、すまない」 

 俺はアインの顔を撫でた。


「うううう」

 アインはうなされているようだった。

 手を上げて助けを求めるような仕草をした。

 俺はその手を取った。

 そして、握り返した。 


 その時だ。


「旺雅兄ちゃん」

 俺は聞き間違いかと思った。

 アインの口から確かに旺雅兄ちゃんと聞こえた。


「アイン!」

 俺が強く叫ぶと、


「旺雅兄ちゃん」

 アインが目を開いてはっきりともう一度俺を前世の名前で呼んでくれた。


 えっ?

 やっぱりアインは愛韻だったんだ!

 俺は驚愕に目を見開いた。


「愛韻、大丈夫だからな」

 俺はうなされて汗をかいた愛韻の顔をハンカチで拭いながら反対の手でアインの手を握り返していた。

 

「ごめんねお兄ちゃん。逃げられなくて」

 愛韻がそう俺に謝ってきたのだ。


「何を言っているんだ。愛韻が悪いんじゃない。その場にすぐに駆けつけられなかった俺が悪いんだ!」

 俺はその時の事を愛韻に謝っていた。

 そうだ。俺がすぐに高校から家に飛んで帰っていれば、愛韻は津波に巻き込まれることはなかったのだ。

 俺はその時の事を思い出していた。

 本当にどうしようもない兄だった。

 でも、こうして愛韻がアインとして転生したのだ。

 今からはその時の事も含めて俺がアインを護れる。


 俺は神に感謝したくなった。

 これで再び愛韻を護れる。

 前世での心残りが果たせるのだ。


 俺はそれを知って、歓喜して、そして、その愛韻を再び危険な目に逢わせてしまったことに気づいて、ショックを受けていた。


 もう一度やり直せるなら、今度は絶対に守ると心に決めていたのに!

 あと少しで再び愛韻を失うところだった。


「お兄様」とあんなに可愛く俺になついてくれていた愛韻を!


 俺は聖女の魅了にかかって愛韻を危険な目に再び遭わせた自分を許せなかった。

 


 その時だ。


 俺はかすかな殺気を感じた。


「オーガスト様。何かが迫っています」

 我が家の陰でもある馭者が小窓から俺に報告してくれた。


「ふん、王家の陰か、丁度暴れたいと思っていた時だ」

「敵は二十人位かと」

「よし、馬車を止めろ」

 俺は三台の馬車を止めさせた。


 そして、アインの馬車に守りの障壁をこれでもかと張る。

 そのまま護衛として馬車の外にはセバスとセイラを付けた。


 場所は王都から馬車で2時間位進んだ林の中だ。

 当然街道とはいえ夜も遅いので周りには誰もいない。


 後ろからひたひたと駆けてくる音がした。

 駆けてくるとは、さすが王家の陰だ。

 しかし、俺様に逆らうとはいい根性をしている。

 特に今は俺はアインを再び危険にさらしてしまった事で気が立っていた。


「林にも弓兵がいます」

 セバスがすれ違い様に俺に報告してくれた。


 俺は短剣を構えると無造作に林の中に放った。

「ギャッ」

 悲鳴が聞こえて兵士が木の上から落ちる音が聞こえた。


 その時には宝剣ムラサメを抜いていた。


「喰らえ!」

 俺は王都の方から駆けてくる影達に向けて宝剣を真横に薙ぎ払っていた。


ズバッ

 凄まじい音がして俺の斬撃はソニックブレードになって、陰を遅う。


「「「ギャー!」」」

 3人がそれに引っかかった。

 真っ二つに両断される。


 残りは飛ぶか地面に伏せるかで躱してくれていた。



ダシーン!

 それ以外にもこんなところでソニックブレードを放ったら周りの木々もただでは終わらなかった。 

 両断された木々が倒れていく。

 逃げようとした陰が2名ほどそれに巻き込まれて倒れるのが見えた。


「ウォーーーー!」

 その時には俺は剣を構えて陰に向けて駆け出していた。


 前を走っていた男が構えた短剣で斬りかかってきた。

俺はその男を無造作に宝剣で斬り下げた。

「ギャッ」

 男が血をまき散らして吹っ飛んだ。


 その横の男が俺を刺そうと手を伸ばしてきたのを勢いのままに真横に薙ぎ払う。

 俺の剣を持つ手の方が長いのだ。

 その勢いのまま3人続く敵を次々に斬り倒していた。


 10人を倒した。

 後は半数だ。


 しかし、周りに敵はいなくなった。

 皆、アインの馬車に向かったはずだ。


 俺は慌てて戻ろうとした。

 足を強化して必死に戻る。


「ギャッ」

 馬車目がけて駆ける王家の陰を後ろから斬り倒した。


 しかし、その時には馬車の周辺で斬り合いが始まっていた。

 俺はその背に回って王家の陰を斬りまくった。

 

「まずい、逃げろ」

 残り3人になったところで、陰が退散しようとした。


 そんなの許す訳がないだろう。

「ギャッ!」

 俺は逃げかかった一人を背後の斜め上から斬り下げる。

 もう一人は逃げようとして体勢を崩していたのを真横に剣を薙ぎ払った。


 残りの一人ははるか前方を走り去ろうとしていたが、

「逃すか!」

 俺はその男目指して、宝剣を振り下ろした。


ズバッ

「ギャッ」

 凄まじい斬撃が男を襲い、男を真っ二つに斬り裂いていた。


 俺以外にセバスが一人セイラが一人倒していた。


 王家の陰は全滅させたはずだ。


「おのれ、エドワードと淫乱聖女め。俺達に手を出してくるとか、絶対に許さん」

 俺は襲ってきた王家に対して必ず仕返しをすると心に決めたのだ。



お兄様の前に敵無しです。

ブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾


次回からは米作りに戻ります。

今夜更新予定です。

よろしくお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

前作

『悪役令嬢にしない為に還暦のおっさんは学園に入学する! 恋した女の娘の為なら皇子だろうが聖女だろが叩き潰します!!』https://ncode.syosetu.com/n6630ly/

前前前作

『悪役令嬢に転生したみたいだけど、王子様には興味ありません。お兄様一筋の私なのに、ヒロインが邪魔してくるんですけど……』https://ncode.syosetu.com/n3871kh/

私の今一番熱い人気の作品はこちら

表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■【3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

■【小説家になろう記載ページ】『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/


表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク

■楽天ブックスへのリンク

■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/



このお話の前の話

『悪役令嬢に転生させられた地味令嬢ですが、ヒロインの方が強くて虐められているんですけど……』https://ncode.syosetu.com/n7240kb/

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ