初めての街♪
「わぁ……。ここが街……」
「ああ。数年前に悪魔から取り戻したのが初めの街だ。徘徊していた悪魔を片っ端から倒したって聞いたな。倒したのが一人の少年だったらしい」
「一人の少年!?」
「おわ! な、なんだよ?」
「きゃう!」
ドスン。私の反応に驚いたルーガが反射的に聞き返す。マヒも驚いていて、制御していた〈フライト〉が突如消え、落っこちた。
着陸失敗である。
「いたたた……いきなり何ですぅ?」
お尻をさすりながら立つと、ルーガ共々、私に聞いてきた。
「そ、その少年ってどんな人?」
なんとか冷静を保ちルーガとマヒの言葉をスルー。本人かも知れないと疑問状態で少しでも信憑性に近づけるためだ。
「えっと……。今はここの領主をしているみたいだが……」
じゃあ違うか。あいつが領主になんか興味がないことは重々承知している。人違いだ。
「何でもない。行こ。ただの人違いだから」
「そうか?なんだよ。お前の探してるやつかと思ったじゃないか」
「だってあの人が領主何て言ったら私笑っちゃうもん♪」
「い、一体どんな人ですぅ。カナちゃんにそんなことを言われる残念な人はぁ……」
むむ。なんかマヒちゃんにけなされている気がする……。
ちなみに、マヒの言葉はあながち間違っていないので反論はしない。
「とりあえず宿屋を探さない? 野宿は嫌だもん♪」
「の前に金はあるのか?」
「…………さぁ?」
「いや、さぁじゃないよ! なんで金をしらないだよ!」
「そうですぅ! 私もそれはかなり疑問に思うです!!」
ソンナコト言ワレテモ……。
「カナ様。お金の事は心配しないのです。カナ様は私を助けてくれてるのです。お金くらいの心配はしないでくださいなのです」
ティマちゃんが言ってくるけど、そもそもお金を知らないんだってば……。
「えっと、お金とは通貨の事なのです」
「通貨?」
そういうと、ティマちゃんが手のひらから数枚の紙をだした。何か絵が書いてあるのがわかる。
「これがお金なのです。数種類あるうちの一つがコレなのです」
「へぇ。で、これはどういう物なの?」
「物を人から買う時にそれに見合ったお金を渡すのです。ちなみにこれは一万円と言って一番高いお金の種類なのです」
えっと……つまり物を人から買うときにはこれが必ず必要ってことだよね?
「何かで交渉するときも使うときがありますなのです。後は今ここで説明するのもどうかと思うのでお金は? など聞かれたら私に言うのです」
なんだか難しいものだ。私の村は譲ったり貸したりなど、お金、と言う物は一切使っていなかったからなぁ。
使う必要がなかったのだ。他の街などとの交易は皆無だったから。悪魔殺しを生業としても、それは村の方針だったからで、それは先祖代々続けられてきたのだ。悪魔関連で見返りは求めないのが私の村だったし。
まぁお祭り騒ぎはしたけどね♪ 上級悪魔を倒した時に。
私が一人で魔神級上級悪魔を倒した時は別だったけどね……。
「カナ様……」
「カナがどうかしたのか? ティマ」
顔が曇ったのを悟られたのはどうやらティマだけだったようだ。
ダメだな私。ずっと笑顔でいるって決めたのに。
「よし♪ お金って言う物の心配はなくなったから宿屋探しといきま――」
「いや。ここ俺が住んでた場所だから探さなくても何処に何があるか知ってるぞ?」
…………どうやら私の付き人Rさんはここが故郷らしかった。
「おい! 誰が付き人Rだ!」
声に出していたかな……?
とりあえず私はルーガの言葉を無視して歩き始めた。
どうしてか、この街の入口に人だかりができていたのが不思議だったが、私はそんなの無視して人の合間を縫って進んで言った。
どうやら、街はかなり賑わっているとの事で、いきかう人々の数といったらそれはもう数えきれないくらいだった。
これだけの人数に、私は「わぁ~」とあらかさまに楽しそうな顔をしていた。
「聞いたところでも、人里が一番集まっているのはこの街だろう。他の街にも集まったとしても、ここまで人は集まらないだろ」
「すごいすごい! ティマちゃん! 私初めてだよ! こんなに人を見るのは!」
村には、こんなに人はいなかったのだ。それゆえ、これだけの人が一度に集まる場所なんて今日初めて見る。人々の喧騒は私にとっては楽しい物以外、何者でもない。
「カナ様。あまりはしゃぎ過ぎると転ぶのです」
「私は子供じゃないもん♪」
「「いや、十分子供でしょ……」」
失礼じゃないかなぁ? 私の村だと十分成人……ではないけど子供と言う枠からそろそろ出れる年だもん。
ちなみに年齢はぴちぴちの一二歳ね♪ ……うん。今のは無いわ。
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