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月桂樹の下で  作者: 飴目
第1章

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狩人と赤光

 ——


 「油断はするな。森の奥までエリアを広げろ」

 リーダーらしき男の声。


 紋章の付いた黒い制服。

 世界に数多あるギルドの中でも有数のギルド<アルカ>の戦闘部隊だった。

 

 鍛えられた引き締まった身体、背筋を伸ばした立ち姿からは威圧感をうける。

 彼らは、妖精狩りの動きを聞きつけ、掃討するために同じく森へ来ていたのだった。


 「一人残らず捕らえろ」

 

 その命令と同時に、一人の青年が森の中へ向かう。

 森の中には馴染みのない深紅の髪。青年のグレーの瞳が世界を映している。

 

 どこか近寄らせがたい雰囲気を漂わせている青年、セレン。

 

 騒がしい方向へ目を向けると、銃を手にしながら森を進み、狩人たちをとらえようと急ぐ。


 道中には、逃げ遅れたのであろう魔法動物、荒れた草木が倒れている。

 ふと足元を見渡す。

 草の陰に、魔法で束縛された様子の妖精が、言葉通り、落ちていた。


 セレンは近寄り、膝をついて妖精をそっと持ち上げ、縛っていた力を解《ほど》く。

 

 髪がさらりと流れ落ちる。根元まで燃え尽きた羽。

 地面を這おうとしたのか、指先には地面の土と血が混ざりあい、こびり付いている。

 息はすでに無かった。


 眠らせるようにそっとおろし、再び立ち上がろうとした時だった。

 

 潜んでいた狩人が奇襲を仕掛けてくるのが分かった。衝撃魔法のようだ。

 

 このままではこの妖精に当たり、はじけ散ってしまうだろう。

 そう判断したのか、セレンは妖精を守るように、狩人の魔術を身体で受け止めた。

 

 「……っ!」


 魔法の音と同時、セレンの視界は覆われ、頭が揺れる。


 世界は逆転し、狩人と自分の居た場所がはるか遠くに見える。

 

 衝撃と共に飛ばされた身体は、森の奥まで貫くように飛び、地面に叩き落された。

 セレンは自身の身体から流れ出ているものが、服と肌の間で拡がるのを感じる。

 

 「カハッ……」

 体内から逆流し、こみあげる。視界がぼやけ、意識が遠のいていく。


 森の奥、まだ狩人たちの手が届いてない場所、木の葉が風に揺れる音が聞こえる。


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