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月桂樹の下で  作者: 飴目
第1章

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狩人と獲物

  ——

 銃声、魔法がはじける音、怒号、妖精の悲鳴の声、泣き声。

 

 精霊の声や魔法動物たちの声はなく、シンと静まり返る森に響き渡っている。


 ”妖精狩り”。

 

 妖精を捕獲して素材を略奪し、密売する集団。

 妖精の羽、羽の雫、髪などは薬や錬金術のための素材として用いられており需要があるが、その希少性から高値で取引されている。

 狩人らは、捕獲した妖精たちを毒や呪術で支配し、モノや商品として扱う。

 使い捨てられるように、力の弱い妖精たちのほとんどが命を落としてしまうことから、問題視する声も多い。

 

 「森の奥へ!」

 そんな叫び声が聞こえる。

 

 妖精たちが飛びまわり逃げているが、すでに捕まっているものもいるようだ。


 ナナセは震える身体を両手で押さえながら、羽をはばたかせ森の奥へと逃げる。

 

 木の枝葉が肌をかすめる。


 はじけた魔法の粒が火の粉のように舞っていて羽が焼けるのを感じる。


 仲間たちは逃げられただろうか。陽ざしが反射して前がよく見えない。

 

 

 ——


 

「急げ、もう始まっている」


 森の入り口では、紋章が刺繍された黒い制服を身にまとう一人の男が、同じ制服の複数の男たちに指示をしていた。


 男の部下たちなのだろう、彼らは銃や剣、魔導書を片手に戦闘指示を与えられているようだ。


「一人残らず捕らえろ」


 そう指示されると、男たちは各自の配置へ向かうため、足早に森の中へと消えていった。


 **物語の補足**

 ・妖精から得られる素材

 羽の欠片、雫(羽へ流れる血液のようなもの)、髪など。

 薬や錬金術のための素材として人間たちに用いられている。

 本来、妖精が人間に提供するものであり、素材を売りながら生活をする妖精もいる。

 専用の魔法瓶に保管することで形を保っているが、妖精から離れ、外気に触れると粉になり消えてしまう。

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