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星使いの妖精
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人がほとんど踏み入れない、とある精霊の森にナナセは居た。
夜の月明かりが彼女の羽を照らし、キラキラと淡い光を放っている。
長い後翅の先が、草花の夜露を拾う。
夜風を感じ、背伸びをしながら羽を伸ばす。
折りたたまれていた羽が薄暗い世界に広がると、星屑のような光が流星のごとく羽の繊細な脈を駆け巡った。
森の精霊たちが周りを飛んでいる。
ナナセは優しく笑いかけながら、森の奥へと歩いて行った。
——
ある日の昼下がり。
ナナセと森に住む他の妖精たちが川のほとりで休んでいた。
陽の光が、彼女の白い肌と胸の下ほどまで伸びた白金色の髪を照らす。
川の少し冷たい水につけた足が揺れている。
「後でハーブティでも飲みましょう」
「このあいだ採れたハーブがあるよ」
そんな会話が聞こえる、いつもの日常。
(…………パァンッ!)
突然の銃声音。音のする方を見上げると鳥が一斉に飛び立っている。
”侵入者” ナナセたちの頭によぎる。頭の中で警報音が鳴る。
森の始まりの方から、だんだんと騒がしい音たちが迫っていた。




