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月桂樹の下で  作者: 飴目
第1章

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星使いの妖精

 ——


 人がほとんど踏み入れない、とある精霊の森にナナセは居た。


 夜の月明かりが彼女の羽を照らし、キラキラと淡い光を放っている。

 長い後翅(こうし)の先が、草花の夜露を拾う。


 夜風を感じ、背伸びをしながら羽を伸ばす。


 折りたたまれていた羽が薄暗い世界に広がると、星屑のような光が流星のごとく羽の繊細な脈を駆け巡った。

 森の精霊たちが周りを飛んでいる。


 ナナセは優しく笑いかけながら、森の奥へと歩いて行った。


 ——


 ある日の昼下がり。


 ナナセと森に住む他の妖精たちが川のほとりで休んでいた。

 陽の光が、彼女の白い肌と胸の下ほどまで伸びた白金色の髪を照らす。

 川の少し冷たい水につけた足が揺れている。


「後でハーブティでも飲みましょう」

「このあいだ採れたハーブがあるよ」


 そんな会話が聞こえる、いつもの日常。



 (…………パァンッ!)



 突然の銃声音。音のする方を見上げると鳥が一斉に飛び立っている。


 ”侵入者” ナナセたちの頭によぎる。頭の中で警報音が鳴る。


 森の始まりの方から、だんだんと騒がしい音たちが迫っていた。


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