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Cycle1? Day4 9.4 木曜日 夢のように幻想的な一日(1)

Cycle1? Day4 9.4 木曜日 夢のように幻想的な一日(1)


「ちっ……お前、本当に俺たちのサークルに入りたいんだな?」


姜来はこくりと頷いた。


「そうだよ辰辰——商辰お姉ちゃん、この人、本当に本気なんだよ。」


姜来は緊張してうつむき、弁当を食べる。蘇商辰は左手にまとわりつく斉梓を振り払った。「邪魔しないで、斉梓」と彼女は言った。「彼が本気なら、少なくとも天文の知識は少しはあるんでしょ?」少女は誇らしげに顎を上げ、その茶色い瞳で姜来をじっと見据えた。


「じゃあ、教えて。ケフェイド変光星の天体としての用途は?」


「あ……」


「ふん。


月の満ち欠けの周期は全部で何日?」


「29.5日。」


「ふうん?じゃあ、月が地球の周りを一周するのは何日?」


「──えっと、27.5日?」


「ふん。」蘇商辰は目を細めた。「27.3日」と彼女は淡々と言った。斉梓は彼に申し訳なさそうに微笑みかける。姜来はがっくりと肩を落としてうつむいた。


「最後の問題。この二つの時間、どっちが朔望月で、どっちが恒星月?」


姜来はすぐにあの月相の問題を思い出した。実際、彼はその具体的な原理を説明することはできなかったが、問題文にはすでに朔望月の情報が与えられていたのだ。


「……27.3日。27.3日が朔望月の長さです。」


「ちっ。」蘇商辰は隠れるように舌打ちした。隣にいる斉梓は明らかにその意味を知っていて、嬉しそうに彼に微笑みかけた。「うん、合格ね」と蘇商辰は言った。「ようこそ、[視界線外]へ」彼女は奥歯を噛みしめるようにして言った。


そして、これが九月四日の昼、屋上で起こった物語である。


昨晩、蘇商辰は斉梓から電話を受け、今日の昼に屋上に来るよう強く懇願された。一方の姜来は、バスに乗り込む際、昼に屋上で一緒に弁当を食べないかと誘われていた。斉梓がどこで二人の話を知ったのかはわからないが、明らかに、招待された二人は互いに相手の存在を意外に思っていた。


姜来は屋上に登る時の胸の高鳴りを思い出す。頭の中には無数の素晴らしい展開が渦巻き、階段を踏む足取りもどこかふわふわしていた。あの赤茶色の影を見た時、それが現実になった。彼が思っていた通り、基本的には天文サークルの話だった。


どうやら、怪獣も魔法使いも超能力者も変身魔法少女も✩超✩展✩開✩も、この屋上では起こらないらしい。


なんだよ、これが一番普通のイベントじゃないか。


それでも、おどおどとびくびくは離れてくれない。例えば今、姜来は非常に緊張しながら英語の試験を受けている。


終わった。そんな考えが一瞬頭をよぎり、七選五の行間からまた浮かび上がる。ある選択肢は四つの空欄すべてに当てはまりそうに見え、ある選択肢はどこにも入りそうにない。彼は深呼吸し、ぼんやりしていた頭が次第にほぐれ、文の意味が入ってくるようにする。


入ってきたところで、システムのデフォルト言語が違うんだけど。


彼は悔しそうに考える。今日の昼までは、自分は部活やサークルなんてものとは無縁だと思っていた。でも、遅すぎるだろ。あと二百七十日しかない。すぐにサークルも解散だろう。みんな大学に合格して、別々の場所に行って、新しい交友関係ができて、伊河市のこの小さなサークルを誰が維持できるっていうんだ。ずっと発言し続けて盛り上げてたあの奴も、いずれ他のみんなにミュートされて、最後にはもう発言しなくなって、自分の頻繁なメッセージが他の人の邪魔をしていたんだって気づくんだ。それから、そいつも自分の生活の中に戻っていく。


そう考えるだけで悲しくなる。頭の中に孤独で静かなメロディーが流れ、単調に繰り返す音符が彼の時間を奪い去り、水面の波紋が広がっては消え、広がっては消える。彼は悔しそうに考える。sadly、うん、これは副詞だ。じゃあ形容詞としては使えないから、このいくつかの空欄は除外できる。もう一つはもっと自然な選択肢があったはずだ。なら、ここに入れる。44番の空欄に。


ぼうっとしてた。


5分も経ってた。


なんてこった。


彼は逆に奮い立った。なぜなら、これで続きが書き終わらない可能性が出てきたからだ。彼は猛烈な勢いで書き始める。


ぶーんぶーん──


猛烈に書く──


ぶーんぶーんぶーん──


蚊かハエか、何かの虫の音だ。こんなレベルの学校でも虫は制御できないのか。それとも誰かの研究課題かなんかか。


ああ、扇風機か。でもエアコンついてるよな。


「ひぃ……」


女子生徒が小さく悲鳴を上げる。他の女子生徒が彼女をちらりと見て、同じように小さく悲鳴を上げた。ぶーんという音は消えた。しばらくして、姜来は我慢できず、どうせ模試で本番じゃないんだし見てみよう、という気持ちで顔を上げてみる──蜘蛛だった。


小さな蜘蛛が扇風機から糸を垂らし、小さな虫を捕まえて、ゆらゆらと上へ戻ろうとしていた。さっきの、あのなりふり構わない降下が、試験中の女子生徒たちを驚かせたのだった。


試験官が慌ててやって来て、一目で事情を理解した。この先生は四十過ぎの中年の男性で、背は高くなく、中年特有のビール腹をしている──こう言えばいいか、初めてここに来た十八中の生徒は、彼に「熊大」というあだ名をつけた。熊大は落ち着いた様子でそばまで歩いていき、「怖がらないで、怖がらないで」と小声でなだめながら、同時に手を伸ばして虫を捕まえようとしたが、捕まえられなかった。


「──!」


その女子生徒は全力で悲鳴をこらえたが、しばらくは問題を解くどころではなかった。姜来は彼女の着ている十八中の制服をじっと見て、同情した。


熊大はそれほど怖がっている様子はなかった。中年の男が虫ごときを怖がるはずもない。彼は再び虫を捕まえようとし、今度は教卓からティッシュを一枚取ってきて、ティッシュ越しに虫を潰そうとした。さっきまでは素手で潰そうとしていたのに。


今度は成功した。しかし姜来が意外だったのは、熊大が虫を潰さなかったことだった。熊大はティッシュで虫をつまんだまま窓辺まで歩き、窓を開けて外へ振り落とした。ティッシュはゴミ箱に捨てた。


……でも、ちょっと待て。


俺、またぼうっとしてたんじゃないか?


姜来は驚いて数秒間まばたきし、それから必死に問題を解き始めた。


試験はあっという間に終わった。続きの最後の二行は乱雑で支離滅裂な書きなぐりだったが、まあいい。少なくとも、一行だけ空けただけで済んだ。二行以上も空けずに済んだのだから──


車窓の外には景色が流れていく。彼はまるで我に返ったかのように、窓際の席に座っていた。眼鏡店と麺屋が一瞬で過ぎ去っていく。白い破線は視界の端へと消え、アスファルトの路面は相変わらずその黒さを保っている。姜来は、これがもし高考なら、英語の作文が書き終わらなくても罰として書き写しをさせられたりはしないだろう、と思い、気分が晴れた。でもこれはただの模試だ。でも書き終わった。そうだ、書き終わったんだ。


もし誤字や単純な計算ミスがあっても、責められることはない。そう考えるうちに、彼は来た時の気分を取り戻し、意識して窓の外を見るようになった。車酔いする人や、車に乗るとすぐ眠くなる人にとっては、外の流れ去る景色は安上がりの薬だ。見慣れない、伊河市らしくない景色はすぐに遠ざかり、彼はようやく低い平屋に囲まれた景色の中に戻ってきた。実は今、バスに座っている彼の視線の高さは、その外壁と同じくらいだった。


外壁の高さはせいぜい二メートルちょっと、まあ三メートルもないくらいか。五、六年前には、壁の上にたくさんのガラスの破片が埋め込まれていた。みんな尖っていた。その後、隣の家がプラスチックの屋根で庭を覆ってしまったから、それもなくなった。時間が過ぎるのは、本当にいつもこうも早い。彼はそう思う。耳元では騒がしい声がずっと続いている。2013年に小学校に上がった時から、ずっと続いている騒がしさ。もうとっくに、ただの背景音になっていた。


書き終わった。何も怖いことなんてない。


彼は目を閉じ、眉を上げた。


「うわ、姜来、寝てるよ。」


「マジかよ?こんなに騒がしいのに寝たのか?」


「これがわかってないだろ。絶対、試験が全部できて、最後の一秒まで猛烈に書いて疲れたんだよ。」


彼は目を開けようか迷ったが、もし本当に寝たふりをしたら、こいつらの騒ぐのを邪魔してしまうだろう、と思い、目を開けた。


――――――


かけるべきか?


今、ここで?


公用電話のカードスロットに挿し込まれたテレホンカード。はみ出した半分を姜来はいじくっている。今の時刻は19時06分。授業開始の19時15分まで、あと十分弱の余裕がある。普通なら、18時55分に食事を始めて、七分後に電話をかけるなんて無理だ。この時間なら、本来はちょうど席に着いて、食べ物に食らいつき始めた頃のはずだった。


かけるか?


彼は手に握りしめた紙を広げる。1xx xxxx xxx。彼はまばたきをして、少し緊張する。


突然、街灯がパッと点き、彼は驚いて思わず体をよじった。もうかなり遅い時間だ。空には、二つ三つ、とても明るい星が出ているのが見えた。


かけよう。


1xx、xxx、xxx、xx。


そして、発信ボタンを押した──


「プルルルル──プルルルル──もしもし?」


「あ……」


「もしもし?どちら様ですか?」


「あ──部長ですか?」


「は?」


「えっと、僕、姜来です。電話かけたのは──蘇商辰さん、だよね?」


電話の向こうの蘇商辰は片眉を上げた。「私だけど──何か用?」


「あ──」姜来は公用電話の緑色のプラスチックの筐体を観察し始める。そこには茶色と黒が混じり合った斑点がいくつも付いていた。「別に、大したことじゃないです。ただ、サークルって主に何をするのかなって。それと──ああ、サークルには活動場所とかってありますか?」


このタイミングでこの質問しても大丈夫だろうか?


「え?活動場所なら……」


いや……なんで俺はこの電話をかけたんだ?


「うーん、あなた、錦繍路は知ってる?錦繍路をずっと東に行くと、たくさんの工業団地を通り過ぎて、ずっと東に行くと、すごく広い田んぼがあるの。田んぼと工業団地の境目のあたりの南側に、家が少し並んでいてね。その中の一つ、『青天花店』って店の二階よ。わかった?」


「あ、はい、わかりました。」


いや、錦繍路がどの道なのか、全然わからない……家に帰ったらナビで調べよう。


「……本当にわかったの?……それで、他に何か用はあるの?」


「あ、あ、ああ────」


彼は眉をひそめ、すぐにまた目をぎゅっと閉じ、強く目を細める。姜来は柱に手をついていた。手のひらがでこぼこした壁に押しつけられて痛みを感じた。しかし、その痛みがかえって彼の心を落ち着かせた。


もういい、ここまでにしよう。


「あ、もう大丈夫です。場所を聞こうと思っただけなんで。でも、もしかしたら次に帰った時にまた聞いちゃうかもです。こっちは二週間に一回しか帰れないんで。」


忘れないはずだ。でも、その時はたぶん、形だけ電話をかけるだろう。


さあ、早く終わらせよう。第一陣の食事の生徒たちがほとんど出てきた────


「hello、姜来。」


「あ、hello hello、斉梓…」


受話器を持った男子高校生は言った。


---




Cycle1? Day4 9.4 木曜日 夢のように幻想的な一日(1)


「ちっ……お前、本当に俺たちのサークルに入りたいんだな?」


姜来はこくりと頷いた。


「そうだよ辰辰——商辰お姉ちゃん、この人、本当に本気なんだよ。」


姜来は緊張してうつむき、弁当を食べる。蘇商辰は左手にまとわりつく斉梓を振り払った。「邪魔しないで、斉梓」と彼女は言った。「彼が本気なら、少なくとも天文の知識は少しはあるんでしょ?」少女は誇らしげに顎を上げ、その茶色い瞳で姜来をじっと見据えた。


「じゃあ、教えて。ケフェイド変光星の天体としての用途は?」


「あ……」


「ふん。


月の満ち欠けの周期は全部で何日?」


「29.5日。」


「ふうん?じゃあ、月が地球の周りを一周するのは何日?」


「──えっと、27.5日?」


「ふん。」蘇商辰は目を細めた。「27.3日」と彼女は淡々と言った。斉梓は彼に申し訳なさそうに微笑みかける。姜来はがっくりと肩を落としてうつむいた。


「最後の問題。この二つの時間、どっちが朔望月で、どっちが恒星月?」


姜来はすぐにあの月相の問題を思い出した。実際、彼はその具体的な原理を説明することはできなかったが、問題文にはすでに朔望月の情報が与えられていたのだ。


「……27.3日。27.3日が朔望月の長さです。」


「ちっ。」蘇商辰は隠れるように舌打ちした。隣にいる斉梓は明らかにその意味を知っていて、嬉しそうに彼に微笑みかけた。「うん、合格ね」と蘇商辰は言った。「ようこそ、[視界線外]へ」彼女は奥歯を噛みしめるようにして言った。


そして、これが九月四日の昼、屋上で起こった物語である。


昨晩、蘇商辰は斉梓から電話を受け、今日の昼に屋上に来るよう強く懇願された。一方の姜来は、バスに乗り込む際、昼に屋上で一緒に弁当を食べないかと誘われていた。斉梓がどこで二人の話を知ったのかはわからないが、明らかに、招待された二人は互いに相手の存在を意外に思っていた。


姜来は屋上に登る時の胸の高鳴りを思い出す。頭の中には無数の素晴らしい展開が渦巻き、階段を踏む足取りもどこかふわふわしていた。あの赤茶色の影を見た時、それが現実になった。彼が思っていた通り、基本的には天文サークルの話だった。


どうやら、怪獣も魔法使いも超能力者も変身魔法少女も✩超✩展✩開✩も、この屋上では起こらないらしい。


なんだよ、これが一番普通のイベントじゃないか。


それでも、おどおどとびくびくは離れてくれない。例えば今、姜来は非常に緊張しながら英語の試験を受けている。


終わった。そんな考えが一瞬頭をよぎり、七選五の行間からまた浮かび上がる。ある選択肢は四つの空欄すべてに当てはまりそうに見え、ある選択肢はどこにも入りそうにない。彼は深呼吸し、ぼんやりしていた頭が次第にほぐれ、文の意味が入ってくるようにする。


入ってきたところで、システムのデフォルト言語が違うんだけど。


彼は悔しそうに考える。今日の昼までは、自分は部活やサークルなんてものとは無縁だと思っていた。でも、遅すぎるだろ。あと二百七十日しかない。すぐにサークルも解散だろう。みんな大学に合格して、別々の場所に行って、新しい交友関係ができて、伊河市のこの小さなサークルを誰が維持できるっていうんだ。ずっと発言し続けて盛り上げてたあの奴も、いずれ他のみんなにミュートされて、最後にはもう発言しなくなって、自分の頻繁なメッセージが他の人の邪魔をしていたんだって気づくんだ。それから、そいつも自分の生活の中に戻っていく。


そう考えるだけで悲しくなる。頭の中に孤独で静かなメロディーが流れ、単調に繰り返す音符が彼の時間を奪い去り、水面の波紋が広がっては消え、広がっては消える。彼は悔しそうに考える。sadly、うん、これは副詞だ。じゃあ形容詞としては使えないから、このいくつかの空欄は除外できる。もう一つはもっと自然な選択肢があったはずだ。なら、ここに入れる。44番の空欄に。


ぼうっとしてた。


5分も経ってた。


なんてこった。


彼は逆に奮い立った。なぜなら、これで続きが書き終わらない可能性が出てきたからだ。彼は猛烈な勢いで書き始める。


ぶーんぶーん──


猛烈に書く──


ぶーんぶーんぶーん──


蚊かハエか、何かの虫の音だ。こんなレベルの学校でも虫は制御できないのか。それとも誰かの研究課題かなんかか。


ああ、扇風機か。でもエアコンついてるよな。


「ひぃ……」


女子生徒が小さく悲鳴を上げる。他の女子生徒が彼女をちらりと見て、同じように小さく悲鳴を上げた。ぶーんという音は消えた。しばらくして、姜来は我慢できず、どうせ模試で本番じゃないんだし見てみよう、という気持ちで顔を上げてみる──蜘蛛だった。


小さな蜘蛛が扇風機から糸を垂らし、小さな虫を捕まえて、ゆらゆらと上へ戻ろうとしていた。さっきの、あのなりふり構わない降下が、試験中の女子生徒たちを驚かせたのだった。


試験官が慌ててやって来て、一目で事情を理解した。この先生は四十過ぎの中年の男性で、背は高くなく、中年特有のビール腹をしている──こう言えばいいか、初めてここに来た十八中の生徒は、彼に「熊大」というあだ名をつけた。熊大は落ち着いた様子でそばまで歩いていき、「怖がらないで、怖がらないで」と小声でなだめながら、同時に手を伸ばして虫を捕まえようとしたが、捕まえられなかった。


「──!」


その女子生徒は全力で悲鳴をこらえたが、しばらくは問題を解くどころではなかった。姜来は彼女の着ている十八中の制服をじっと見て、同情した。


熊大はそれほど怖がっている様子はなかった。中年の男が虫ごときを怖がるはずもない。彼は再び虫を捕まえようとし、今度は教卓からティッシュを一枚取ってきて、ティッシュ越しに虫を潰そうとした。さっきまでは素手で潰そうとしていたのに。


今度は成功した。しかし姜来が意外だったのは、熊大が虫を潰さなかったことだった。熊大はティッシュで虫をつまんだまま窓辺まで歩き、窓を開けて外へ振り落とした。ティッシュはゴミ箱に捨てた。


……でも、ちょっと待て。


俺、またぼうっとしてたんじゃないか?


姜来は驚いて数秒間まばたきし、それから必死に問題を解き始めた。


試験はあっという間に終わった。続きの最後の二行は乱雑で支離滅裂な書きなぐりだったが、まあいい。少なくとも、一行だけ空けただけで済んだ。二行以上も空けずに済んだのだから──


車窓の外には景色が流れていく。彼はまるで我に返ったかのように、窓際の席に座っていた。眼鏡店と麺屋が一瞬で過ぎ去っていく。白い破線は視界の端へと消え、アスファルトの路面は相変わらずその黒さを保っている。姜来は、これがもし高考なら、英語の作文が書き終わらなくても罰として書き写しをさせられたりはしないだろう、と思い、気分が晴れた。でもこれはただの模試だ。でも書き終わった。そうだ、書き終わったんだ。


もし誤字や単純な計算ミスがあっても、責められることはない。そう考えるうちに、彼は来た時の気分を取り戻し、意識して窓の外を見るようになった。車酔いする人や、車に乗るとすぐ眠くなる人にとっては、外の流れ去る景色は安上がりの薬だ。見慣れない、伊河市らしくない景色はすぐに遠ざかり、彼はようやく低い平屋に囲まれた景色の中に戻ってきた。実は今、バスに座っている彼の視線の高さは、その外壁と同じくらいだった。


外壁の高さはせいぜい二メートルちょっと、まあ三メートルもないくらいか。五、六年前には、壁の上にたくさんのガラスの破片が埋め込まれていた。みんな尖っていた。その後、隣の家がプラスチックの屋根で庭を覆ってしまったから、それもなくなった。時間が過ぎるのは、本当にいつもこうも早い。彼はそう思う。耳元では騒がしい声がずっと続いている。2013年に小学校に上がった時から、ずっと続いている騒がしさ。もうとっくに、ただの背景音になっていた。


書き終わった。何も怖いことなんてない。


彼は目を閉じ、眉を上げた。


「うわ、姜来、寝てるよ。」


「マジかよ?こんなに騒がしいのに寝たのか?」


「これがわかってないだろ。絶対、試験が全部できて、最後の一秒まで猛烈に書いて疲れたんだよ。」


彼は目を開けようか迷ったが、もし本当に寝たふりをしたら、こいつらの騒ぐのを邪魔してしまうだろう、と思い、目を開けた。


――――――


かけるべきか?


今、ここで?


公用電話のカードスロットに挿し込まれたテレホンカード。はみ出した半分を姜来はいじくっている。今の時刻は19時06分。授業開始の19時15分まで、あと十分弱の余裕がある。普通なら、18時55分に食事を始めて、七分後に電話をかけるなんて無理だ。この時間なら、本来はちょうど席に着いて、食べ物に食らいつき始めた頃のはずだった。


かけるか?


彼は手に握りしめた紙を広げる。1xx xxxx xxx。彼はまばたきをして、少し緊張する。


突然、街灯がパッと点き、彼は驚いて思わず体をよじった。もうかなり遅い時間だ。空には、二つ三つ、とても明るい星が出ているのが見えた。


かけよう。


1xx、xxx、xxx、xx。


そして、発信ボタンを押した──


「プルルルル──プルルルル──もしもし?」


「あ……」


「もしもし?どちら様ですか?」


「あ──部長ですか?」


「は?」


「えっと、僕、姜来です。電話かけたのは──蘇商辰さん、だよね?」


電話の向こうの蘇商辰は片眉を上げた。「私だけど──何か用?」


「あ──」姜来は公用電話の緑色のプラスチックの筐体を観察し始める。そこには茶色と黒が混じり合った斑点がいくつも付いていた。「別に、大したことじゃないです。ただ、サークルって主に何をするのかなって。それと──ああ、サークルには活動場所とかってありますか?」


このタイミングでこの質問しても大丈夫だろうか?


「え?活動場所なら……」


いや……なんで俺はこの電話をかけたんだ?


「うーん、あなた、錦繍路は知ってる?錦繍路をずっと東に行くと、たくさんの工業団地を通り過ぎて、ずっと東に行くと、すごく広い田んぼがあるの。田んぼと工業団地の境目のあたりの南側に、家が少し並んでいてね。その中の一つ、『青天花店』って店の二階よ。わかった?」


「あ、はい、わかりました。」


いや、錦繍路がどの道なのか、全然わからない……家に帰ったらナビで調べよう。


「……本当にわかったの?……それで、他に何か用はあるの?」


「あ、あ、ああ────」


彼は眉をひそめ、すぐにまた目をぎゅっと閉じ、強く目を細める。姜来は柱に手をついていた。手のひらがでこぼこした壁に押しつけられて痛みを感じた。しかし、その痛みがかえって彼の心を落ち着かせた。


もういい、ここまでにしよう。


「あ、もう大丈夫です。場所を聞こうと思っただけなんで。でも、もしかしたら次に帰った時にまた聞いちゃうかもです。こっちは二週間に一回しか帰れないんで。」


忘れないはずだ。でも、その時はたぶん、形だけ電話をかけるだろう。


さあ、早く終わらせよう。第一陣の食事の生徒たちがほとんど出てきた────


「hello、姜来。」


「あ、hello hello、斉梓…」


受話器を持った男子高校生は言った。


---


【注釈】公用電話(ゴンヨウデンワ)とは


中国の高校特有の公衆電話システム。中国の高校は生徒による電子機器の使用を禁止しているため、校内には通常多くの公衆電話機が設置されており、生徒は自分でテレホンカードを購入し、カードを読み取らせて使用する。日本でいう「公衆電話」に近いが、中国では特に「高校生と親を結ぶ唯一の通信手段」としての役割が強く、校内の決まった場所にまとめて設置されている。

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