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神様リスナーと転生者  作者: キャズ
緊急事態

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第57話 作戦会議

 とりあえず街の安全は確保された。

 街の状況も落ち着いた所で、ディクスはある程度の実力のある探索者を集め、これからどうするかの話し合いが行われる事となった。配信で見た事がある様な有名な探索者が多く参加する中、僕達リトライズとロザリン達極炎の光星も同じ卓を囲んでいた。

 全員が集まったのを確認すると、ディクスは話を切り出す。


「先ず、この度は変異種の討伐に協力して頂きありがとうございます。お陰で街に湧いて出たモンスターの排除は終わり、街の安全は確保されました」


「でも、まだ終わっていないんですよね?」


 落ち着いた様子の探索者の質問。それにディクスは頷き答える。


「はい。こうしている間にも変異種はダンジョンから出て来ようとしています。今はダンジョンの出入り口に兵士達が待機し、出てくるモンスターの駆除し続けている状況です。現状対応は出来ていますが、手一杯で状況に変化があると対応できない状態です。そこで、現場の負担を軽減させるため、皆さまにはダンジョン内で巡回をし、街を襲撃してきている変異種の取り巻きの討伐をお願いしたい」


 中年の熟練探索者が聞く。


「ふむ。なんとか今の戦力でも対応はできているが、いかんせん数が多くて困っている。そこでダンジョン内で戦って数を減らして欲しいという事ですな?」


「はい。それと、これから我々は元凶となっている変異種討伐のためにダンジョンに向かう予定なのですが、リトライズの皆さん、その討伐作戦に協力して頂きたい」


「え!?僕達ぃ!?」


 突然の名指しに僕は取り乱し、気の抜けた声を上げた。

 一応僕達リトライズも作戦会議の参加者ではある。だけど、多くの実力者が居る中で、元凶となっている変異種の討伐の協力なんて重要な立ち位置に選ばれるとは思っていなかったからだ。

 リディルカが冷静にディクスへ問う。


「なぜ我々に?強いパーティーが必要というのであれば、この場に居る皆資格有りだと思うが?」


「それは、リトライズに所属する遊朝可奈芽さんが高度な感知スキルを使えるからです。今回の敵はいまだに姿も能力も何処に居るかも分からない未知の相手。原因となる変異種の居場所や能力を確かめる事が何より重要になります。もし勝てなかった場合でも、可能な限り情報を集めておきたい。こちらも広範囲高精度の感知スキルを使える者は3名居ますが、頭数は増やしておきたいのです」


 妖艶な女性探索者が質問する。


「ディクスさん。今回の元凶となっている変異種は街を襲撃出来る程の強敵です。そこまでの相手なのであれば、無暗に向かわずに援軍を呼んで対処した方が良いのではないですか?」


「確かに。これ程の被害を出す変異種ともなれば、援軍を要請し、大部隊で討伐するのがセオリーです。援軍の要請も既に出しているのですが、このまま待つには1つ問題がありましてね」


 ロザリンが腕組みをし、大物感を出しながら言う。


「変異種が進化しているという点、ですわね」


 同意する様にディクスは静かに頷いた。


「此度の変異種が発生させたであろう大量のモンスター。最初は駆け出し探索者でも倒せる様な弱いものだったが、時間経過で姿が変化、能力も強化されていました。もし、ダンジョン内の変異種も同様に時間経過で強化されるのだとしたら、モタモタしている内に取り返しのつかない強化がされる可能性がある」


 再び中年の熟練探索者。


「ふむ。早く手を打った方が良いという事ですな」


「という事で、協力をお願いできますか?リトライズの皆さん」


 再び頼みを伝えるディクス。

 僕は皆の顔を見る。リディルカもシシルーもニーリェも微笑みながら僕を向き頷いている。僕も同様に頷き、ディクスの方を向いて勇ましく答える。


「もちろん!」


 こうして僕達リトライズは討伐部隊としてダンジョンへと向かう事になった。


 僕達はディクスから大まかな方針を聞いた。

 直前の配信されていた映像から、大本の変異種はダンジョンの奥地にいる可能性が高いらしい。そこでこちらは4組に分かれて感知スキルで広範囲を捜索、発見したら集まって討伐に向かうという作戦だ。撃破を目的としているけれど、もし出来なかった場合でも出来る限り情報を集めるとの事。

 僕達は準備を済ませ、ダンジョンの入り口に立つ。

 僕達を見送るためにブレイドファングの皆も来ていて「頑張れー」とか「応援してます」といったエールを飛ばしてくれている。

 そんな空気の中、リュートは悔しそうにがっくりしながらボソリと呟く。


「それにしても。情けねぇなー俺は。シシルーは変異種の討伐に向かうってのに、俺は足手まといの戦力外通告だ」


 リュートは自身の無力さに打ちひしがれていた。ブレイドファングは今回の作戦での戦力に選ばれなかったのだ。

 ダンジョンは基本的に過剰な人数での探索が出来ない。ダンジョンは一定の場所に留まり続けるとその場が急激な変異を起こし、そこに居る者はダンジョンの変化に呑まれてしまうのだけど、それは人がそこに居る時間が長い場合に起きる現象で、同じ人がそこに居続けた場合にのみ起きる現象ではない。人通りが多すぎてそこに人が居続けた場合でもダンジョンの強制変異は起きるのだ。だから大量に湧いているモンスターを倒したい場合でも、数を集めて攻略というのが困難なのだ。

 変異を起こさずにダンジョンに大量に湧いているモンスターを駆除する場合、軍隊の様な訓練を積んだ部隊だけで対処するか、実力者だけを集めて量より質で対処するかになる。今回はカーラ武闘大会のお陰で実力者が多かったという事もあり、後者の対応が選ばれたみたいだ。

 戦力外通告を悔しがるリュート。シシルーはそんなリュートに寄り添う。


「そんな事ないよ、リュート。リュートも街に出てきたモンスターを退治してたじゃない。リュート達のお陰で助かった人だって大勢いるんだよ?」


 シシルーの言葉にブレイドファングの皆は続く。


「そうそう、私達は私達に出来る事をしましょう」


「俺達はもしもの時のために備えておこうぜ。リュート」


「それと配信を見ながら応援も、ですね」


「うんうん。アタシ達応援してるからねー、シシルー」


 そしてリュートは僕達に向けて優しい言葉を放つ。


「頑張れよシシルー。リトライズの皆さんもご武運をお祈りしています」


 シシルーはブレイドファングの皆の顔を見渡し、手を振った。


「じゃあ行ってくるね、皆」


 僕達はブレイドファングの面々に見送られながら、グアドのダンジョン、地下都市へと入って行ったのだった。

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