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神様リスナーと転生者  作者: キャズ
緊急事態

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第58話 見送り

 グアドのダンジョンは街の地下に広がる広大な都市の形をしたダンジョンで、入ってすぐは廃墟の街が広がり、奥に進むと遺跡の様な巨大な城があるらしい。建物系のダンジョンなので死角となる場所も多く、凶悪な罠も多いのが特徴だ。


「これで準備オッケーっと」


 僕は配信用魔道具を起動させ、いつでも配信を開始できる様にする。

 一見すると非常時に配信なんていかがなものかと思うだろう。だけどここで配信させるのには理由がある。配信をすると神様の加護でバフがかかるからそれを目当てにしているという点と、状況の報告としての意味もあるのだ。

 そして今回はもう一つ用意している魔道具がある。

 何かの模様が描かれた護符の様な魔道具。僕はそれを自分の額にポンと貼る。するとその魔道具はジュワジュワと焼け焦げる様に消えていった。


「えーっと、これで良いのかな?」


 魔道具の効果が発揮されるのをキョロキョロしながら待っていると、聞き覚えのある声が響く。


『こちらはディクス隊ニルスン。大丈夫です、聞こえていますよ、遊朝可奈芽』


 この場に居ないニルスンの声が聞こえて来た。普段は神様の声が聞こえている僕の頭の中に人の声が響いている。なんか変な感じだ。


『こちらはトウラ隊のメルツです。リトライズの配信いつも見させてもらってますよ、可奈芽さん』


『自分はウェーズ隊所属、ペルラです。よろしくです』


 別の男女の声も聞こえてきた。

 僕が使った魔道具はダンジョンでの通話を可能にする代物だ。ダンジョンの中に居る間、同じ魔道具を使用している者同士が会話できると聞いた。

 高度感知スキルを持つ者同士で会話できる様にすると言っていたので、他2人は別の部隊の感知スキル担当だろう。


「どもどもー。僕は探索者パーティーリトライズのメンバー、遊朝可奈芽だよ。変異種の討伐頑張ろうねー」


 と他の部隊との挨拶を済ませた後、配信を開始させ、仲間の方を向き、僕は元気よく言い放つ。


「そんじゃ、いっちょやったりますかー!」


「「「おー!」」」


 皆で拳を上げて気合いを入れ、僕達はダンジョン探索を開始した。


「じゃあ可奈芽、早速<サーチ>頼むよ」


「はいはーい」


 僕はいつも通りに感知スキルで周囲を探る。

 予想通り、街を模した様なダンジョンの中には先ほど街を襲撃していたのと同じ姿をしたモンスターが大量に居るのが見える。進化前と進化後もワラワラとだ。そしてそれと戦う大勢の人達。パーティーを組んで戦っていたりソロだったり、魔法メインだったり物理メインだったり、各々の自分の戦い方で問題となっている変異種を駆除していた。


「やっぱり街に出てた様な変異種がいっぱい居るね。だけど、巡回している人達はじゃんじゃん倒していってるよ。全然余裕って感じ」


「ちょうど大会が開催されてる時だったからな。討伐に参加しているのも、この国でも上澄み中の上澄みだ。そんじょそこらのモンスターなら余裕だろうよ」


「突然襲われて災難でしたけど、そこはラッキーでしたね」


 僕達が進み始めた所でニルスンが話しかけてきた。


『ダンジョンの奥地へと進む前に、もう一度今回の策について説明しておきましょう。今回の元凶となっている変異種が居るのは恐らく奥地、城かその付近に居ると思われます。私達討伐部隊は4組に分かれて広範囲を調べながら進み、元凶の変異種を発見次第に報告、全員集まって討伐に向かう。もし倒せなかった場合に備えて援軍も要請していますので、討伐が目的ではありますが無理に倒そうとするのではなく、次に繋げるための情報収集に注力して頂きたい』


『『了解』』

「相手の能力を確かめる事がメインね。分かった」


 作戦確認も済み、僕達は先へ先へと進んでいく。

 モンスターは大量に湧いていたものの、今の所出てきているモンスターはそこまでの強敵じゃない。道中の罠も僕が居るから問題無し。もはや省略しても問題なしと言わんばかりにサクサクと進んでいき、これから奥地へと向かおうとしたその時、進路上に見覚えのある人達の姿が見えた。ロザリン達極炎の光星だ。


「あ、ロザリン達だ。この先でなんか待ち構えてるよ」


 それを聞いたリディルカはフッと笑う。


「ロザリンめ、討伐に向かうリディルカ達に活でも入れようという考えだな」


 そのまま少し進むと、感知スキルで見た通りロザリンが僕達を待っていた。腕を組み、足を大きく開き、堂々たる姿勢。

 僕達を見つけるやロザリンは大声で僕達に言い放つ。


「ここを通ると思っていましたわ、リディルカ、そしてリトライズの皆さん。ここを通る前に、一言言わせて頂きますわ!」


 ロザリンは別に通せんぼしている感じではない。道を開け、僕達を見送る姿勢だ。未知の変異種を倒しに向かう僕達に一言伝えておきたい。そんな感じ。


「此度の変異種は大量の取り巻きを発生させて街を襲撃する程の強敵、昔の記述に残されている様な脅威となるモンスター!それを見事討伐出来るとなれば、正に超絶至高の魔導士と言えましょう。今こそ貴方は国中に名を轟かせる時なのですわ!見せつけて来なさいな!我がライバル、リディルカ・ハーヴェント!!」


 そんなロザリンの横を通りながらリディルカも告げる。


「無論だ。このリディルカのライバル、ロザリン・ベルオーンよ。見事今回の元凶を打倒し、街の平穏を取り戻してみせよう!」


 リディルカに続き、僕達も通り際に言葉を投げかけていき、


「じゃあ行ってきますね」


「必ず倒してみせる!」


「後で配信も見てねー」


 極炎の光星のメンバーも見送る言葉を贈っていく。


「活躍を期待してます。リトライズの皆さん」


「頑張れー」


「後で配信見るからねー」


 最後にリディルカとロザリンは互いの目を見て何も言葉を交わさずに頷いた。そして、僕達リトライズはグアドのダンジョンの奥地へ、ロザリン達極炎の光星は再び巡回と駆除へ、別々の方へと進むのだった。

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