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神様リスナーと転生者  作者: キャズ
武闘大会

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50/65

第50話 大会前半終了

 しょぼくれた顔で戻っていると、途中でニーリェの後ろ姿が見えた。どうやら僕と同じく、試合を終えて皆の所へ帰る最中の様だ。


「ニーリェー」


 僕が呼ぶとニーリェはクルリと振り返る。

 そして僕の隣に並び、歩幅を合わせて一緒に歩きながら言葉を返す。


「よぉ可奈芽。どうだった?試合の結果は」


 僕はヤレヤレポーズをしながら景気の悪そうな顔で答える。


「ぜーんぜん。1勝しか出来なかったよー」


「アッハッハ、上等上等。初出場なんだし、1勝できたらいい方だって」


「ふーん。そっちは?ニーリェ」


 僕の質問に、ニーリェは待っていましたと言わんばかりにニヤケ面。手の平をバッと開いて見せて、自慢げに答える。


「5戦5勝。全勝だよー」


「へぇー、やるじゃん。前は本戦に行けなかったんでしょ?」


「あぁ。オレも強くなったってぇ事だな。ハッハッハ」


 ずっと一緒に活動してきたから実感はわかないけれど、きっとニーリェも僕達とダンジョンに行っている内に強くなったんだろう。前回この大会の予選を突破できなかったと言っていたニーリェは、予選を全勝で突破できる程に成長していたのだ。


 皆の所に戻っていくと、リディルカとシシルー以外にも見覚えのある人達が居て、一緒に試合が配信されていた大画面の前で談笑していた。

 リュート達ブレイドファングやディクスとその部隊の騎士団達、さらにはロザリン達極炎の光星まで居る。なんというか、勢ぞろいって感じ。


「おー、なんかいっぱい居んねー」


 シシルーが僕とニーリェが帰ってきた事に気付いて手を振った。


「あ、可奈芽さんにニーリェさん。試合お疲れ様です」


 皆がこちらに視線を向けると、ニーリェは意気揚々と皆に近づき、自慢気に言う。


「どうだった?オレの試合。全勝だぜ?」


 褒められたい気持ちが滲み出ている。それを察してか、兄であるディクスは賞賛の言葉をニーリェに与える。


「前はあと一歩ってとこで本戦に行けなかったもんな。それが今回では余裕の全勝。大したもんだよ、ニーリェ」


「にへへ」


 兄に褒められ照れるニーリェ。普段男勝りのニーリェの女の子らしい一面を見た気がした。


「うむ。予選とは言え全勝とは素晴らしい戦果だ。試合内容も余裕を持った勝利であったしな。可奈芽は・・・。まぁ、その、よく頑張った」


 リディルカは僕達の試合について語った。ニーリェについては手放しで褒めているけれど、僕の評価に関しては言い淀んでいる。


「いや、別に変なフォローとか入れなくていいよ。僕も分かってる。なんとも言えない結果だって」


 僕はツンと拗ねた感じに言うと、レイラは気まずそうにそれに続く。


「まさか最後の試合で場外にはみ出て終わりだもんねぇ。そりゃあ、なんだかなーって気持ちになっちゃうよねー」


 その話しを聞いたリドルとルドリはその試合を思い出しクスクスと笑う。


「勝負はこれからだって感じで決め顔をしながらスゥって消えてくんだもん」


「そうそう。ちょっとギャグっぽかったよね」


「もー」


 おちょくる感じの態度に僕は頬を膨らませた。

 ここでニーリェがダッドに質問する。


「試合で当たったからブレイドファングも居るって事は知ってたけど、極炎の光星が居るって事は、ダッドも参加してんの?」


「はい。俺も自分の実力を試したいと思いやしてね」


「うちのダッドも予選を通過している筈ですので、結果を楽しみにしてくださいましね」


 そんなやり取りをしていると、結果が発表される時間が来た。さっきまで試合の映像が表示されていた画面に予選通過者の名前が表示されていく。

 僕達の中で予選を通過したのは、ニーリェ、ダッド、ベドゥイの3名。ディクスの名前は無かったけれど、シード枠なので既に本戦行きが決まっているとの事。

 残念ながらブレイドファングは全員予選落ち。ブレイドファングの5人は揃ってがっくしと肩を落とす結果となった。


「あー、惜しかったなー。あの試合で攻めきれてたら本戦も視野にはいってたのに」


「次があるよリュート」


 惜しくも本戦を逃して落ち込むリュート。シシルーはリュートの片手を両手で握り、励ましつつもイチャついていた。

 続いてトーナメント表が公開されていく。

 本戦は16の会場で4名の小さいトーナメントが行われ、その後16名でのトーナメントが行われる形式となっている。

 表示されていくトーナメント表を眺めていると、ニーリェの名前が表示されているのが見え、同じブロックにダッドの名前もある。分かれてはいるものの、勝ち抜けば2人がぶつかる事になるだろう。


「どうやら俺達、戦う事になる様っすね」


「だな」


 もちろん勝ち抜けずに別の人と戦う事になる可能性もある。だけど、ここでそれを言うのは無粋というものだ。ニーリェもダッドも、自分が勝ち抜き、最終戦を懸けて戦う気で発言している。

 そんな2人の様子を見て、ロザリンが不敵な笑みを浮かべながらリディルカに向けて話す。


「どうやら、またもや極炎の光星とリトライズとの闘いになりそうですわね」


「ふふん。そのようだな」


 リディルカもロザリンも自分が戦う訳じゃないのに、まるで自分が戦うかの様にバチバチと火花を散らしている。

 当のダッドとニーリェは呆れ顔


「あの、お嬢。戦うのはお嬢じゃなくて俺なんすけど」


「そうそう。勝手に張り合われても困るぜ」


 少しの間を置き、ロザリンとリディルカは仕切り直す。


「じゃあどちらが優れた応援が出来るか、勝負ですわ!」


「よかろう!」


 全くこいつらときたら。


 何はともあれ、結果発表とトーナメント表の公開が終わり、カーラ武闘大会の前半は終わりを告げた。明日はいよいよ本戦だ。

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