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神様リスナーと転生者  作者: キャズ
シシルーのデート

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第47話 2人の関係

 祭りの締めである花火が終わり、祭りの賑わいは次第に治まっていった。ついさっきまで開いていた店も次々と閉まっていき、大勢いた人達もだんだんと祭りの場から去っていく。

 祭りの熱が冷めていくそんな中、僕達リトライズとブレイドファングの面々は集まった。


「で、どうだった?お2人さん」


 僕はリュートとシシルーにグイッと顔を近づけ、瞳を煌めかせながら問う。

 聞いてはみたものの、正直聞くまでもないみたいだ。2人は頬を赤らめながら横目で見つめ合っていて、恋人繋ぎで手を繋いでいる。


「って聞くまでもないか」


「うん。気持ちは伝えたよ、可奈芽さん」


「まぁ、その、なんだ。これから俺とシシルーは恋人同士って事で」


 そんな二人の答えに幼馴染組の皆は安堵の様子を見せる。


「やれやれ、やっとか」


「まったく。はたから見てても、いつになったら付き合うんだって思ってたよ」


「そうですよ。シシルーがパーティーから抜けて、2人はこのまま離れ離れになっちゃうのかなって心配してたんですから」


 昔からの友達が付き合う事になったというのに幼馴染組に一切の驚きが無い。リュートとシシルーが好き同士なのは昔から知ってたし、告白もせずにイチャついていた2人がなんやかんやあってようやく付き合いだしたのだ。2人の関係を見守ってきた幼馴染の面々からすれば一安心といった所だろう。


「んで、2人は付き合う事になった訳だけど。シシルーは今後どうするの?まさか、2人の時間を大事にしたいからリトライズを辞めちゃったりとか?」


 引き留める様に聞く僕。それをシシルーは慌てて否定する。


「辞めない、辞めないって。これからはギルド経由で文通したり、たまに2人だけで遊びに行ったりって感じのお付き合いをするつもり。リトライズは続けるよ」


「そっかー、良かったー」


 とその時。シシルーはふとある事を思い返し、僕達に聞いてきた。


「そういえばさ、今回の花火なんか変じゃなかった?歪んでいたというかなんというか。何かあったのかな?」


「あー、あれね」


 今回の花火、僕達としては結構上手くやれたと思っていたけれど、少々歪な出来だったらしい。リディルカにいくら知識があっても流石に素人の域は出ないという事だろうか。

 疑問に思っているシシルーにレイラが説明する。


「実はさ、花火を打ち上げる所でちょっとトラブルがあったらしくて、花火も中止になりそうだったんだ。そこでアタシ達が手助けして、締めの花火の中止を防いだんだ。結構頑張ったんだよ?アタシ達」


 そんなレイラにリュートは感心の声で返す。


「へぇー、あれって皆が手伝ったんだ。ミズディア祭のピンチを救った上に、その祭りの締めを飾るなんて、やるじゃん皆」


 リュートの賞賛の言葉に皆の表情は誇らしげだ。一人を除いて。

 最も貢献していたであろう打ち上げと指揮を担当していたリディルカは不満な様子だった。


「うーむ。やはり花火の打ち上げともなれば本職には敵わんか、このリディルカ、まだまだ精進が足りんな。知識だけではなく、予めある程度の経験も積んでおくべきだったか」


 悔しがるリディルカを見てシシルーは驚愕する。


「え!?あれリディルカさんが打ち上げたんですか!?」


 恐らく手伝いをすると言っても軽作業程度だと思っていたのだろう。ガッツリ専門知識が必要な打ち上げ担当だというのは流石に予想外だった様だ。リュートも同様に驚いた顔を見せている。


「そうそう。準備する時もリディルカが指示出ししてたんだぜ?」


「私達が手伝ったって言いましたけど、実質リディルカさん一人でやってた様なものですもんね」


「うんうん。さっすが超絶至高の魔導士って言うだけあるぜ」


「ふふん。当然だ。このリディルカ、次は本職と見紛う花火をお見せしようではないか」


 その後も、僕達はわちゃわちゃと自由にとりとめのない話しを続けていった。

 そうこうしていると夜が更け、深夜になろうとしていた。このままだと宿へのチェックインが遅れてしまう。


「夜も更けてきたし、そろそろ宿に行こうか」


 と提案すると、リュートとシシルーは顔を真っ赤にさせながら僕達に告げる。


「あー、それなんだけど」


「今夜は2人でいようと思うんだ。私達」


 一瞬の硬直。少しの間この場の時間が停止した様な、そんな感覚。


「あ、え?あ、そうか、そうなんだね、そうかー、そういう関係だもんねー」


 僕は語彙力にデバフを受けた。自分でも何を言っているのか、何が言いたいのかも分からずアワアワと言葉を並べていた。

 ミズディア祭の締めに行われる花火はカップル御用達のイベント。つまりこの祭りには結構な数のカップルが来ている。故に当然、カップル専用の宿も多数用意されている訳で。まぁつまり、そういう事だ。

 リュートとシシルーは僕達に一夜の別れを告げ、夜の街へと消えていった。

 そんな2人を見送りながら、僕は遠い目をしながら言葉を漏らす。


「なんというか、一気に関係が進んじゃったな」


「きっと誘ったのはシシルーの方だね。あの子、踏ん切りがつくと結構グイグイ行く方だし」


「そうなのかー。僕、なんだかシシルーの新しい一面を見た気がするよ」


 その日の夜。僕はなかなか眠れなかった。

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