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神様リスナーと転生者  作者: キャズ
シシルーのデート

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第45話 尾行バレちゃった

 シシルーに尾行がバレた僕達はリュートとシシルーの元に集まった。僕達は反省のポーズとして地べたに座り、リュートは呆れた表情を僕達に向け、シシルーはプンプンと怒り頬を膨らませている。

 祭りの最中という事もあってか何かの出し物かと思われている様で、周囲の人からチラチラ見られている。結構恥ずい。

 シシルーは叱る様に僕達に言う。


「もう!約束の時に来ないのはともかく、こっそり尾行してたなんて。ヒドイじゃないですか」


 プンスカしているシシルーに幼馴染組は「ごめんねー」「ごめんごめん。悪かったって」「2人の事が気になってつい」と軽い反省の言葉を並べた。

 そんな様子にリュートも呆れ顔だ。


「お前らなぁ、こんなしょうもない事に可奈芽さんの感知スキル使わせてんじゃねーよ。まったく」


 リュートがやれやれといった様子で話すと、シシルーも続いて呆れ声。


「私達の事が気になるのは分かりますけど、これは私とリュート2人の問題。私達には私達のペースがあるんですから、今回みたいに無理にくっつけようとしなくても・・・」


 そこまで言った所で僕はボソリと呟く。


「そんな事言って。もし今回良い雰囲気になっても、これからも良い友達でいましょうみたいな感じで済ませようとしてない?」


 僕の言葉にリュートとシシルーはギクリと揺れた。どうやら図星らしい。


「いやぁ。私としてはそんなに急がなくてもいいかなーって」


「だ、だよなぁ。会おうと思えばいつでも会えるんだし」


 2人の反応で僕は確信した。

 この2人、関係が壊れるのが嫌で告白をしなかったタイプと見た。お互いに好き同士である事は分かっていても、気持ちを伝えずにズルズルと関係を続け、そんな友達の関係がなんだかんだで居心地が良くてそのままにしていたんだろう。

 きっとリュートもシシルーも、なんとなく友達として一緒にいて、ふとしたキッカケで結婚する。そんな関係でいたいと思っているんだろう。

 僕としても、悪くない関係性だとは思う。けれどそれは危うい。僕はスッと立ち上がって声高に言い放つ。


「ちょっと2人に言いたい!」


 僕はシシルーに向けてビシッと指を差す。


「シシルーさ、リュートと友達のまんまで良いと思ってる?リュートは異性相手でも積極的に話すタイプだし、これからも色んな人と関わるだろうしさ、リュートは他に良い人見つけちゃうかもよ?」


 シシルーは悩みの表情でうつむいた。

 シシルーも全く考えてこなかったなんて事はないだろう。お互いを好き同士な事を確信したままの友達関係。そんな関係を続けていて、いつの間にか思い人が他の人と付き合う事になるなんて事態。気ままな友達関係に安心しながらも、どこかで不安を感じていたはずだ。

 続いてリュートに向けてもビシッと指を差す。


「リュートも、シシルーが他の男に言い寄られる事が無いと思ってる?シシルーって可愛らしくて色気もあるんだからさ、放っておくと何処の馬の骨とも知れない相手に取られちゃうよ?」


 リュートも同様、確かにそうだよなと表情で語っている。

 リュート自身がシシルーを魅力的だと思っているんだ。他にシシルーに魅力を感じる人が居るかもしれないと言われたら、そうかもしれないと気になってしまうものだろう。


「第一さ、僕達の行動を見れば分かるだろうけど、2人が好き同士なのは皆もう知ってんだよ?配信の視聴者にだって気付かれてるんだよ?だったらもう友達関係にこだわる必要ないじゃん」


 少しの間の静寂。リュートとシシルーはお互いの顔を見つめ合い、少し考え、僕達に告げる。


「確かに。いい加減俺達も頃合いなのかもな」


「だね」


 リュートとシシルーは拍子抜けするほどすんなり関係を進める事を決めた。

 案外2人はこんな風に関係が進むキッカケを待っていたのかもしれない。そして今こそその時だと考えたのだろう。心なしか、2人は覚悟を決めた様に見える。


 リュートとシシルーは再び僕達と別れ、2人っきりで祭りを回る事になった。お互いの気持ちは分かっているけれど、締めの花火が上がるムードの絶頂期に改めて告白するとの事だ。

 今度は感知スキル対策も万全な様で、僕の感知スキルでは2人の様子は見る事はできないけれど、きっと友達同士ではなく、恋人同士の時間を過ごしている事だろう。

 僕は残された皆に聞いてみる。


「さて、これからどうしようか」


 2人はもう大丈夫そうだし、ここからはもう自由行動で良さそうな感じ。このまま皆で祭りを回っても良し、各々自分の好きな所へ行っても良しだ。


「各々自由行動でいいんじゃないかな?皆色々と見て回りたい所もあるだろうし、尾行に結構時間かけちゃったしさ」


「だな。皆で全員の見たい所回ってたら時間足りそうにねぇし。それでいいと思うぜ」


「んじゃオレ、新作の魔道具でも見に行くよ」


「では、リディルカは演劇を見に行くとしよう」


 と一段落済んで皆が散り散りになろうとしていたその時、僕の頭の中で神様の慌てた声が響く。


(大変です可奈芽さん!)


(なになに?どうしたの?)


 普段は落ち着いている豊穣神だけど、今は妙に慌てている。なにやら問題発生の様だ。


(花火が中止になりそうなんです!!)


(なんだって!!)

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