vol.092 阿修羅
「全力で相手をしてやろう」
そう言うと金髪の男は姿を変えた
腕が6本、顔が3つになり、阿修羅のような姿に成ったのだ
「この姿を見せるのはお前らで10人目だ」
「けっこう多いな」
金髪の男の言葉を聞いて久秀はボソッと呟いた
「誰が敵だけに見せたと言った」
「誰が敵だけに見せたにしては多いなと言った」
「この姿を見ても物怖じをせずに軽口を叩けるとは」
「伊達に勇者やってねぇよ」
「勇者…なんで勇者がここにいるのか知らないが、お前らが何者であろうと関係ないな」
「…灼熱魔法 "プロミネンス"!!」
確かに久秀は金髪の男に向かって魔法を放ったが…
「リプレースメント!」
蘭丸と金髪の男の位置が入れ替わり、魔法は蘭丸に直撃してまった
「ごめん、蘭丸!」
「…別に俺に意図的に魔法放った訳じゃないから久秀さんが謝ることじゃないよ」
「せっかくだから1つ、種明かしをしてやろう。赤雪面はとにかく相手を混乱させることに特化してる」
「それをわざわざ俺たちに伝えて何を目論んでいる」
「仮に目論んでいてもわざわざ言うか?」
「言わないな」
「それに、我は自ら種明かしをして戦いに緊張感を持たせるのが好きなだけだ」
「緑月面の言うとおりだ」
「頼むから誰かが代表して話してくれ」
「そうか、じゃあ我が」
「いや、我が」
「我がやろう」
「ランパールール!」
「トーヌスル!!」
赤雪面と緑月面と青花面が言い争いをしている中、容赦なく技を入れた
「赤月面がごちゃごちゃ言ってるからくらってしまったではないか」
「我のせい!?それに、我は赤雪面じゃ」
「何でもいいから黙ってくれ、うるせぇよ。頸を刎ねるぞ」
「やってみろ。やれるものならな」
「そうかよ」
言われたとおり、刀を抜き頸を狙ったのだが…刎ねることはできなかった
「硬度は金剛石並みだ。簡単に刎ねられると思うな」
「この程度で刎ねられるなら蘭丸1人で対処できるはずだしね」
「G線上のアリア!!」
久秀と蘭丸、金髪の男はそれぞれ死力を尽くして、闘っていた
状況が一変したのはSCARLETの光輝が現れてからだった
「…先代魔王様!?」
「よう、光輝か。久しいな」
「先代魔王って…」
「蘭丸の思ってるとおり今の魔王の父親だな」
「どうした、2人とももうおしまいか?それとも我が先代魔王と知って戦意が喪失したか?」
「…別に戦意が喪失したわけじゃねぇよ。ただ、闘う理由もなく闘うつもりはないだけだ」
「…ならば、この闘い我の勝ちでいいな」
「は?」
「そっちが勝手に戦意喪失したのだから我の勝ちでよかろう」
「「上等だ!!何で現世にいるのか知らねぇがもう一回冥府に送ってやる!!」」
久秀と蘭丸の声が被った
「そうこなくちゃ!」




