vol.090 閻魔大王 鈴音
「鈴音、お主も飲むか。美味いぞ〜!ぐわぁっははは」
樽を片手に金髪の男は冥府の番人、閻魔大王の鈴音に絡んでいた
「私はまだ裁き終えてないんだけど」
「そう固いこと言うな。我と鈴音の仲じゃないか」
「あなたが仕事の邪魔ばかりするから部下に怒られるんじゃない」
「がははは、そんな細かいこと気にするでないわ。それに鈴音を呑みに誘うのは2週間に一度じゃ。どうせ鈴音は呑みに誘わなければ休みなく仕事をするじゃろ」
男にそんなことを言われて鈴音は黙ってしまった
「図星か?まぁ、とにかく休息も仕事のうちじゃ」
「あ〜もう!!今回で最後だからな!!」
「くわっはっは、それでこそ鈴音だ」
(こいつ、扱い面倒だから現世に返そうかな)
そんなことを思いつつ、呑みに応じた
「ねぇ、暇だからって私に構ってないでくれる?」
「それは無理だな」
「なんで?」
「我が鈴音に惚れたからだな」
「寝言は寝て言って。あんた妻子持ちだろうが」
「他にツッコむところあるじゃろうが」
そんなくだらない話をしている最中に金髪の男はある話題を持ち出した
「そういえば、鈴音」
「何?ここの会計を全部私に任せるとかいわないよね」
「違うわ!もうすぐお盆じゃろ。じゃから現世に戻ってもよいか?」
「別にお盆期間ならいいよ。受肉体用意しようか?」
「じゃあ頼んだ」
「くれぐれもお盆期間だけだからね」
「分かった、分かった」
「大丈夫かな…不安だな」
「それを本人を目の前にして言うか?」
「そうだ、伝え忘れてた」
「どうした?」
「わざわざ酔わせて言質を取らなくてもよかったんだよ」
「あの時の見てたのか!?」
「さぁ?どうでしょう」
そんなこんなで金髪の男は現世に復活したのだった
「…ここが魔王城。我がいたとき閑散としておらぬか?城もないし」
金髪の男がいたのは旧魔王城跡で数ヶ月前にアマテラスが破壊したせいで更地になっており、特に復興せずにリバーラルフに移り住んだため閑散としていた
「そこのお兄さん、ここは立ち入り禁止だよ」
金髪の男を見つけた蓮が話しかけた
「ここに魔王城がなかったか?」
「魔王城にご用ですか?つい先日遷都したためここには魔王城はありませんよ」
「そうか、ならばその遷都先を教えてくれないか?」
「リバーラルフです」
「リバーラルフ…少年、感謝するぞ」
魔王城の場所を聞いた金髪の男はすぐに去っていった
「…そういえば魔王城に何の用か聞き忘れたな…まぁいいか」
蓮は仕事に戻った。蓮の今の仕事は旧魔王城跡に軍事施設を建てることだ
「蓮さん、木材の用意ができました」
「…今行く」
「そんなところでどうしたんですか?」
「ちょっと不審者がいてな。遷都したことを知らなかったし新魔王城の場所教えてよかったのかなってな」
「…一応不審者が魔王城に向かっていると魔王様に伝えた方がいいのでは」
「ちょっと待っててな。一応報告だけしておく」




