vol.088 死を操る神
あれから逃げても逃げてもオーディンは攻撃を放ってきた
「これ、いつまで続くの…」
「さあ、いつまでだろうな」
「…一旦死んだ方が早い気がする…」
「生への執着なさすぎだろ」
「安心しろ、我は死も操る神だ。あんたをどんな攻撃を当てられても死なないようにするのなんてお茶の子さいさいだ」
「じゃあ、打つ手なしじゃん!」
「まず死んで解決しようとするな」
「大丈夫、死ぬときは一瞬だから」
「そういう問題じゃねぇ!」
「…創造魔法 "擬似太陽"!!」
いつまでも逃げても無駄だと思った魔王は全魔力を使って、擬似太陽を生み出した
「ちょっと止まれ!我が屋敷を焼き尽くす気か!!」
「暴風魔法 "神風"!」
スサノオが魔法を放ち相殺したせいで擬似太陽は消え去ってしまった
「オーディン、もう良いだろ。それに、メイもオーディンの屋敷を壊す気か」
「…あの馬鹿と一緒にしないで。私に屋敷を壊すほどの力はないわよ」
「ククク、気に入った。思えば自己紹介してなかったな。我の名前はオーディンだ」
「私は…魔王だ」
「魔王…あやつの子か」
「お父様と会ったことあるの?」
「2人とも和解するの速いな…さっきまで殺し合いしてたよな」
仲良く話している様子を見てスサノオにツッコまれてしまった
「スサノオよ、先ほども言ったが我は死も操れる。よって殺し合いではないぞ」
「そういう問題なのか?」
「当事者が殺し合いじゃないって言ってるんだから殺し合いじゃないんだよ」
「…へ、へぇ…」
「それで、話を戻すけど、お父様と会ったことあるの?」
「あぁ、世間話する程度の関係だがな。この神界で500年以内に生まれた者を除きあんたの父親を知らぬ者はいないだろうな」
「そんなに有名だったんだ…」
「そりゃそうだろ。取扱注意神の屋敷によく行く魔族がいたら話題になるぞ。ここは思っているより娯楽がないんでね」
「娯楽がない…スサノオ、ちょっとあの馬鹿に伝えておいてほしいことがあるんだけど」
「何を?」
「謹慎期間を1年から2年に延長するって」
「やめてあげてくれ。天夢がおかしくなるから」
「天夢さんが?なんで?」
「2年もあんなワガママな奴を屋敷に置いてたら誰だろうとおかしくなるでしょ」
「…納得」
「話しているところ悪いが、いきなり襲いかかったお詫びとして馳走を用意しよう」
「やった~!パパンの料理だ~」
ウタは先ほどから持っていた旗をぶんぶん振り回して喜んだが…
「申し訳ないのですが部下を魔界に残したままなので辞退させていただきます」
「え~」
「ヴァーリ、パパンが後でヴァーリの分を作っとくから」
「わ~い!」
「それで、代わりと言っては何だが、城を建てるのに協力できる奴を紹介してくれないか?」
「お安い御用よ」
そうして、数ヶ月後に新魔王城が完成するのだった




