vol.083 記憶喪失
「ねぇ、ウタちゃん」
「な~に~?」
ブルーベリージュースが用意できたタイミングでウタに親のことについて聞いた
「ウタちゃんの親ってどんな人なの?」
「…分かんない」
「分かんないか~。じゃあ、仕方ないよね」
「聞いた意味あるの?」
「だって仕方ないでしょ。ウタちゃんは記憶喪失なんだし」
「記憶喪失?」
「記憶喪失っていうのは解離性同一性障害っていって…」
「記憶喪失の言葉の説明しなくてもいいわよ。それに解離性同一性障害は記憶喪失じゃなくて多重人格の方よ」
「あれ?そうだっけ?」
「そんなことよりも、この子が記憶喪失って本当なの?」
「病院で見てもらったから」
ときはウタを拾った日まで遡る
「じゃあ、白髪の子の捜索願が出されたら俺に報告してくれ」
「分かりました」
「じゃあ、俺は戻るから」
「お待ちください、魔王陛下」
「まだ何か?」
「一応病院で見ていただいた方がよろしいかと。病気を持ってると困りますし」
「もしかして俺が拾ったのは犬だと思われてる?」
「滅相もございません」
「ならいいけど。それに言ってることには一理あるし」
そんなこんなで起きたウタにウタと名付けた後、病院に行った
「ま、魔王陛下…な、なぜここに!!」
当然のことながらいきなり国のトップが来たことについて看護師は驚きを隠せなかった
「…だから俺、言ったじゃないですか。魔王様自ら来る必要はないって。魔王様はこの国のトップですよ」
「蘭丸、ちょっと黙って。看護師殿、インシュを呼んで」
「か、畏まりました!!!」
~数分後~
「今日は何の用だ、マオウサマ」
酒を飲みながら現れたのはこの国一の医者、インシュだ
「インシュと言ったか、魔王様に対する言葉づかいや態度…万死に値する」
「落ち着け、蘭丸」
「しかし…」
「これでもまだマシな方だ。お酒の匂いがしないだけな」
「これでマシなんですか…」
「それで…マオウサマ…用件は…なん…です…か?」
「こいつ、本当にこの国一の医者ですか?」
一言言うたびにお酒を呷るインシュを見てそんなことを思った
「腕は確かなんだけどね…天は二物を与えないの典型的な例だよ」
「マオウ…サマ…話…聞いて…ます?」
「こいつを一旦痛い目にあわせていいですか?」
「落ち着け。それでインシュ、この子の検査をして欲しいんだけど」
用件を告げると、診察室Ⅲに来てと言い残してその場を去った
そして言われたとおり診察室Ⅲに行くと診察が始まった
「…名前は」
「ウタってさっき言われた」
「さっき?まぁいいや。少し目を瞑っててくれ」
「は~い」
「…もういいよ。マオウサマ、結論から言う。この子は特に病気にはかかってない。ただ記憶喪失になってるようだな」
「そんな短時間でそんなことまでわかるのか」
「魔法だからな」
「と、いうことでウタちゃんは記憶喪失です」
「ここまでのくだりいるの?」




