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誤字・脱字等を修正いたしました。27.5.6
「………それで?あなたは殿下の護衛よね?なぜ私と一緒にいるのかしら?」
「俺が一緒にいたいからな。あと、アヴリーベと答え会わせでもしようかと思ってな」
「答え会わせ、ね………私の名前はホルティーナにしてちょうだい。その名前はもう私だけの物ではないわ」
「わかった。俺もぜひ、ゼフォンドと呼んでくれ」
「呼ぶ必要があったら使うわ」
「言えるようにしておいた方がいいと思うぞ?」
それはどんな必要性かあるのかしら?そこが気になるところよね。少しデコボコしている森の中を歩きながら私は軽くため息をはく。二人だけの呼び名と言って熊男を定着させようかしら………まさか熊男がついてくるとは思わなかったわ………護衛って嘘よ、きっと。
今、私たちは子どもたちとほんの少し後ろから付かず離れず歩いている。今回は薬草の知識を教えるためで、それぞれ見つけるものの名前を教えて自分達で見つけてもらう事になってる。主に回復薬ね。回復はわりと簡単な物で作れるのよ。上級だと必要な物が跳ね上がるけど。今の生活でそれを必要としていないから中級までね。それならこの森で採取できる。
まあ、薬草を間違えないでほしいからこうしてたまに実物を見て覚えてもらっているのだけど。今回は狩りも一緒に行う事になっている。回りを見ながら採取するのも、冒険者としては最初になることだし、買うより作った方がある意味お得よね。
メンバーはロロを筆頭に。シェルカ、ミミル、トッティ、子守りのバナルを置いて全員が出た。まだ騒がしい三人がどうも落ち着きがなくて薬草を覚えられないのよね。カトレーは見つけられるけど見分けはついていないようだし。………にぎやかねぇ。
まあ、本当の理由は狩りの方と―――距離を置いた方がいいと思ったから。殿下が聞かなかった子どもからようやく聞き分けが出来るようになった………と思われるから、これで少しは考えるでしょう?考える時間は必要だと思うのよ。でも決断するのに後どれくらいになるのかしら。まだ問題は山積みよ………
「どうしてホルティーナは無理に俺や殿下を追い出さないんだ?口では否定的だが行動はそんなに俺たちを遠ざけていない。なぜだ?」
「―――なぜだと思う?考えなさいよ」
「ホルティーナの事をもっとよく知るためにはまず、話し合いだろう」
「言葉が足りないと言いたいのね………………いいわ。―――結局のところ、私は貴方たちに同情してるのよ」
ハーフエルフで嫌われた私は、もう誰にも受け入れられない。その輪の中から追い出された私は戻ることも出来ない。でも、それは私だけではないの。面白いことに、ハーフエルフではないのに同じ人間の中でその輪から追い出される。滑稽だと思ったわ。
要らないものを排除しなければその輪は成り立たない。ハーフエルフだからではなく、“ 要らないもの ”は要らないの。だから見捨てればよかったのよ。私も、同じ見捨てられた者なのだから。でもね、見捨てられた者には見捨てられた者の感情が連結するの。
嗚 呼 、 仲 間 だ 。
て。そう思ってしまうと私たちは私たちの輪を作ろうとする。そして要らないの者はまた捨てられるわ。だって、それだと仲間ではないから。捨てられたらまた一人で同じ仲間を探す。誰かが手を差しのべるまでか………“ 同じ ”を見つけて自分が手を差しのべるか。
でもね、途中から作られたそれって“ 仲間 ”とか言っておきながら、同情でしょう?
「だから言うわ。貴方たちに文句をいいながらここに居すわらせているのは同情よ。少し優しくすれば、追い詰められた人間って感謝してあわよくばすがるわ。ついでに言えばこの子達だって同情と言ってしまえばそうでしょうね。私と一緒で捨てられた仲間と言う認識は消えないもの。一括りに同じだから引き込もうと誘うのよ。言っておくけど、この子達には包み隠さず私はそれを伝えた上で一緒にいるわよ」
「ずいぶんと強がりな誘い方だな。分かりにくい」
「同情でも、騒ぐ相手にわざわざこっちから誘おうだなんて思う?私と反発しているのよ?相容れないじゃない。そんな輩を率いれてなんの得があるのよ」
しかもその相手は殿下。次期国王。邪魔な肩書きを背負った男よ?関わってみなさいよ………すでに遅いけど未来予想も穴だらけな殿下に手を貸そうだなんて、少なくとも私にはないわ。
きっぱりと言い切れば―――何を思ったのか、熊男は私の肩を抱き寄せた。私も大概、気を抜きすぎていると自分でも思うわ。見ないように努力する子どもたちの視線が少し複雑よ………
「二人だけで話がある。時間をくれないか?」
わざわざ耳元で囁かなくてもいいわよ。まあ、二人だけを強調したのだから、よほど子どもたちに聞かれたくないのでしょうけど。だからって肩を抱かなくてもいいじゃない。不味いわね………妙にさっきのですっきりしたから落ち着いていられるおかげでなんだか反発するのも面倒よ。
でも、攻撃をしないわけがない。ちょうどいい位置にある鳩尾に思いっきり打ち込んであげたわ!ただ………私も学習しないといけないでしょうに………この筋肉ダルマっ!かったいじゃない!!時間なんて今はないわよ!
「今日は調合もするから夕暮れ前には絶対に戻りますからね」
「え!?」
慌てて太陽の傾きを確認してもちょっと焦りだすカトレーとイーグ。秋の終わりだからだんだんと冬に替わり始めで日暮れ落ちが早いのよね。まだ少ししか傾いていないけど、探す時間が長ければ長くなるほど暗くなるとわかっているから焦っているのでしょうね。カトレーはちょっとせっかちですから。
それをたしなめるのがロロとテテラ。さすがね。まあ、もう少し歩いたらみんなのが手に入ると思うからよく見なさい。見落として混乱するより―――確実を選んでほしいものだわ。




