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誤字・脱字を修正いたしました。27.4.18

 なにか事件があっても………穏やかに過ごせるものよね。今は秋が終わろうとして肌寒い気温からだんだんと肌を突き刺す冷たい気温へと変わっていったわ。変わったけど………あまり変わらないのよね。熊男とシェルカが増えたぐらいだもの。


 もうすぐ、この森と山にも―――雪が降る。そのためにはシェルカ………服はどうすればいいのかしらね?毛皮はいつまでかしら………その前に人化になれるのはいつだったかしら?えーと………まず獣化が馴染むまでどれくらいだったかしら?まあ、冬にはならないわよね。


「ホルティーナ様ー。明日は大掃除するんですよね?部屋は作るんですかー?」


「どうしようかしら………熊男でロロも追い出されたわよね………でもシェルカみたいにいつ来るのか分からないし」


「ホルティーナ様とガトラさんが一緒のへ」


「却下よ」


 テテラ!そんな事は言わせないわよ!部屋は十二歳から一人部屋と決めているでしょう!!まったく………ああ、そうね。十歳組が三人と十一歳のマティクに十三歳のテテラが2年後に被るのね。


 現在は私とバナル、アーテ、テテラ、熊男。後は男女別に分けて一部屋にまとめてるのよね。四部屋を子どもたちの個人部屋にしてたけど熊男が入るから今は三部屋。………熊男を追い出しても一部屋、足りないわね。まったく、熊男はいつまでいるのかしら。


「ホルティーナ様、ガトラさんと一緒の部屋になれば部屋を作らなくていいですよ?」


「いつ出ていくかわからないでしょう?部屋を作るわ」


「………どうやったら、ホルティーナ様はなびくんですか?」


「さあ?―――それは言わされていると思っていいのかしら、テテラ」


 なぜか私の近くに熊男が隠れながらいるのだけど………全っ然!隠れていないわよ。その巨体で柱の影に隠れられると思ってるの?足元にはカトレーとイーグとモルフィーリがくっついているのに、よく隠れようと思えたわね。


 いったい何がしたいの?私には理解出来ないわ。足元を指差してみたらようやく気づいたようね。そこで気づかない方もどうかと思うけど。そこから追いかけっこが始まって楽しそうに笑う賑やかな三人。どこに部屋を作ろうかしら………


「ホルティーナ様」


「アーテも明日の事で何かあるの?足りないものってあったかしら」


「いえ、そうではなくてですね………ガトラさん、記憶を思い出すまでここにいさせるんですか?」


「そう言う契約をしたわ」


「何年も?」


「………熊男の身元が分かれば早く解決になるし、予想だけど第一王子と対面させれば思い出すと思うわ。でも、今なにかしても熊男を国に帰すわけにはいかないのよ」


「やっぱり、あのマーデク魔術師のあれは関係で繋がってしまったんですね」


「繋がったと言うか決定打と言うか………熊男本人が厄介なのよね。狙われていると思われる王子の護衛かなにかみたいだし………」


 アヴリーベも調べているし。口には出せないけど、これもきっと重要になってくる。そうなると熊男と深く関わるのは危ないのよね。いい、テテラ、アーテ。他の子たちもだけど………熊男の距離は保つのよ?賑やかな三人は………どうしようもないけど。記憶が戻って普段通りに接してくれるとは限らないのだから。気を付けなさい。


「だから、ガトラさんに冷たい態度を取ったりするんですか?記憶が戻ったときの反動が怖いから」


「反動が怖いのは確かよ。その反動がどう転ぶか分からないのですもの。距離が近すぎて―――手元が狂うなんて事はできない。私は貴方たちが一番なの」


「でも!好きになってもいいじゃないですか!」


「………熊男の好きにさせればいいじゃない?」


「ホルティーナ様ですよっ。私もテテラに言われて気にしていましたが、ガトラさんのあの様子は絶対に恋ですよ!」


「アーテもついにそう思えるようになったのね!そうですよ!ガトラさんはホルティーナ様に恋をしてると思うのです!!」


「強気に出たわね………」


 そりゃあでますよ!間違いありませんから!!と二人で目をらんらんに輝かせて迫ってこられても、ね。つまり、熊男の恋に応えてあげて、と言いたいの?貴方たちはそんなに恋の話が好きだったなんて―――やっぱり女の子ね。そんな大袈裟までに頷かれても………あのね、無理なのよ。貴方たちには言えないけど、無理なの。


 ハーフエルフが幸せになった人なんて聞いていないのよ。数なんてもとから少ないですけど。嫌われてしまったハーフエルフだから隠している臆病な私。ねえ、相手が嫌がっていることを隠してそれがバレたとき………貴方たちはどうなるか知っているかしら。私の親はそれで決別、崩壊、絶縁、虐待、迫害、下手をすれば抹消よ。分かっているのなら、初めから手をつけない方がいいじゃない。


「そう言えば………熊男か恋してるだなんて、なぜわかるの?」


「そりゃあ分かりますよ!私は見たことありませんが、ホルティーナ様って綺麗なんですよね?美人になびかない男はいません!あの日からガトラさんのスキンシップは増えてきてますし」


「それに、ホルティーナ様はなんだかんだ言って面倒見がいいですからガトラさんの話でも嫌と言いながらちゃんと聞いてるじゃないですか。ポイント高いです


「私にはわかりそうにないわ………………でも顔だけの奴なんて最低でしかないわ。面倒見がいいわけでもないの。あの熊男が子どもたちと接触するから余計な事をしないように先手を取っているだけよ」


 たぶん、冷たく言ってしまったかもしれないわね。でも嫌なのよ。外見だけしか見ていない馬鹿は。あいつを思い出すから………最後に浴びせられたあの声は、五百年以上をすぎても、耳に気持ち悪く残ってるのよ。


 私の雰囲気を悟った二人は気づいて謝った。調子にのりすぎていたのは自覚があったらしい。いいのよ。こっちが勝手に怒り出したのだし。私もごめんなさいね………長くいくつもの季節を巡っても、私がハーフエルフであり続けるかぎり、気持ちは変わらず凍ったままで臆病風に気づかないフリをして怒りを叫ぶのよ。





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