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誤字・脱字を修正いたしました。27.4.15

「それで?答えは出てきたのかしら?」


「ああ」


 そう。ならば示しが付かないからとっとと下を履いてちょうだい。今ロープほどくから待ってなさいよ?いい?変な事しないでちょうだいね。


 とりあえず魔法陣の隅によってもらって、手だけほどいて足は自分でやってもらう事にしましょう。ああ、一応、作ったからこれを試し履きしてちょうだい。サイズがあってるのか分からなければ他が作れないわ。結界はまだ解かずに、私は後ろを向いて契約の準備を始める。


 えーと、契約者が込めた魔力の石。契約のさせる相手の切っても離れないものは血がいるからあとでもらうとして、そのためのナイフは熊男が持ってるからいいわよね。そう言えばナイフ使わなかったわね。腰に下げたままなのに。


 呪文は覚えてるからいいとして、問題は名前よね。まあ思い出せたら契約解除でいいでしょ。これが馬鹿で猪突猛進型だったら仕留めればいいのよ。大丈夫。そうと分かればこの森の結界から逃がすものですか。


「結界はどうするんだ?」


「もういいのね?」


「ああ」


「―――あら。ピッタリじゃない」


「いや、股がきつい」


「………そこはさすが、とか言いなさいよ」


「さすが」


「今更すぎよ」


 動けないことはないそうだから今はそれで我慢してちょうだい。ズボンは明日縫い直すとして………結界は私が踏み込めば消えるようにしたから説明は要らないわね。お互いに一歩を踏み出せばぶつかってしまうほど傍による。これで魔法陣は威力を無くして消えていくわ。じゃあ 、次は契約の説明に入るわね。


「これから契約魔法を使います。一つ、この森の正確な場所をあらゆる手段をもってしても口外しないこと。一つ、私たちに関することやここでなにがあったかも誰一人として教えないこと。一つ、余計な詮索をしないこと。これらの契約はガトラが請け負い、記憶が戻るまで、契約のどちらかが存在を消すときのみ解消される。質問は?」


「もし破られることがあれば?」


「そうね。思いきって死、かしら。それほどここは口外してほしくないもの」


「わかった。これは俺が出ていく場合か?留まる場合か?」


「出ていく方よ。強力なものにするから貴方の血が少し必要なの」


「留まるとすれば?」


「少し変えるわ。貴方はここを喋らない事はもちろん、私たちの事を話せないことにする。そしてこの森からも出られない。子どもたちに危害も加えないこと。記憶が戻ったらまた相談かしらね。貴方の答えはどちら?」


「留まる」


 ………え。出ていく方じゃなかったの?だから私は最初の方を言ったのだけど。聞き返しても留まると一点張り。何をどうしてそうなったのかがわからない。え、本当にどうしてよ。まさか私の追い出したい気持ちが伝わらなかったの?その前に殿下はどうしたのよ。


「なんだ、この間は」


「留まるは思っていなかったのよ」


「なぜだ」


「殿下を探すと思っていたわ」


「探しにいきたい。だが、殿下をお守りする心はあるがその殿下の姿形、声もわからないから当て無しの旅に意味はないだろう」


「それは………自殺行為ね。記憶もなくさ迷うだなんて。どこに王国騎士がいるかわからないし」


「ああ、だからせめて思い出すまでここに留まる」


 ―――そう。私の気持ちはすでに出ていってくれるとばかり思っていたから落胆だわ。なによ。記憶がなくったって探せるでしょう?殿下の名前にあれだけ反応して見せてるんだから。分が悪すぎるけど。本当に熊男はどれだけの存在かしら。


 しかたないわね。熊男が決めちゃったんだから、いさせてあげるわよ。契約内容をもう一度言うわよ?留まるなら一つ、ここから勝手に立ち去らないこと。一つ、ここでのルールを守ること。一つ、稀にくる人にここの説明は一切しないこと。場所も、私たちがどういう人物なのかも全部よ。一つ、ここに住む人間に攻撃や何らかの危害を加えないこと。そしてこれらは貴方の記憶が戻るまでとする。もし、これら一つでも破られるならその命を捧げること。


 代わりにこちらは衣住食を提供。それと貴方の記憶に携わる殿下の事を調べるわ。私も少し気になるし。


「いいわよね?」


「ああ」


「契約の仕方は?」


「教えてくれ」


「契約者である私がさっき言った契約内容とその対価を提示するわ。私は魔術を口にするから『契約とする』と言うまで余計な言葉は入れられない。本来は魔術師が立ち会って契約するけど、出来るのは私だけだから今回は私かやります。名前も『ホルティーナ』と『ガトラ』でやるわ。これは私が提示している契約だから契約者の魔石が粉々に散ったら舞うから、舞っている間に切っても切れない血を私に触れさせればいい。それで『契約』となるわ」


「わかった」


「ああ、それと契約には名前が必要だけど本当の名前じゃないから―――この契約は無理矢理に結びつけるものになるわ。私の魔力で補えるけど万が一に私が倒れたりしたら子どもたちが泣いてしまうから、貴方の魔力ももらうわ」


 さて。問題はどうやってもらうか、よね。契約の最中に尽きても困るし。終わった後に補充するのもできるかわからないし。まあ、倒れない自信はあるけど念のために考慮はしたいところ。契約に血を使うからそこから補給できないし、やっぱ手から奪い取るしかないかしら。


 触れるの?一度この熊男を眺めて見る。まあ、触れるだけなら別に問題はない。ただこの熊男が手から魔力を流してくれるか………後で補給しましょう。そうよ。やってからでも遅くないじゃない。別に死ななきゃいいのよ。みんなから怒られるだけで。よし、そうしましょう。それじゃあ、始めましょうか―――…





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