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誤字・脱字を修正いたしました。27.4.15
私はてっきり、追い出すに過半数を取って熊男を外に、と思っていたのに………意外だったわ。まさかあの子たちが本人に決めさせるなんてね。バナルに詳しく聞いてみたらエーラからロロの機転ね。
バナルとアーテは怪しいと睨んでの反対。ロロとテテラは保留。反対と保留か話し合った結果が本人に決めさせる。丸投げね。まあ、答えとしてはどれが正しくどれが駄目なのか決まっていないし。これも正解ね。
私が追い出したいと主張したら子どもたちはどうでるか見たかったんだけど。なかなか面白いわね。色々悩んでくれたみたいで嬉しいわ。
「で、その箒どうしたんですか?」
「これ?熊男か埃っぽくて嫌だったのよ」
「………………埃は落ちましたか?」
「なかなか落ちないものね」
あらバナル?なぜ目を反らすのかしら。別に私は埃をとっただけなのよ。熊男って言う埃を。ただ大きくてなかなか落ちないの。困ったものよね?あれはなにをすれば綺麗になるのかしら。
下に下りてまず見るのはトッティ。さっきは怖い思いをさせてしまったから、嫌われていないか心配だわ。名前を呼んだら………よかった。いつもとかわらずに駆けてきてくれた。ミミルと一緒に突進してくるから二人とも抱き締めてあげる。
抱っことねだる二人はさすがに持ち上がらないから移動して座ったままで抱っこ。両膝に小さな体を乗せて抱き抱えてあげる。これだととても平和ね。
「ホルティーナ様、ガトラさんはどうしたんですかー?」
「答えは簡単にでなかったみたいね。時間がほしいみたいだわ。テテラ、悪いけどお水をもらってもいい?」
「いいですよー。ミミルとトッティは?」
「いーない!」
「飲んだ!」
二人して首をふっちゃって。テテラを見れば楽しそうに台所へ向かって一つのコップを持ってきてくれる。水瓶の補充は私がやりましょう。………ふう。冷たくていいわ。水分補給は忘れがちになるから嫌よ。頭が回らなくなるもの。飲み過ぎも駄目だけど。
一息ついていればなんたか視線を感じたのでその視線に目を向けてみる。私の胸元から感じる四つの瞳。どうしたの?やっぱり水を飲みたくなっちゃったのかしら?
「ホルティーナ様は、げんき?ねえ、げんき?」
「トッティは何を心配してるのかしらね?もとから元気よ?」
「ないちゃ、や!」
泣いてないわよ?どこをどう見て泣いているように見えるのかしら?必死に手を伸ばすミミルの手は私の頬を撫でたと思ってたら、顔にかかっているフードを手で払ってしまう。それでも結局は元に戻って私の顔は隠れるのだけど。何度も何度も払うから………しかたないわね。隠蔽効果は―――効いてるわね。
私の方を向いていたミミルとトッティを反対向きにして、私が覗きこむように背中を少し曲げる。ほとんど私に体を預けている状態の二人はぽかんとして私を見ていた。下を向けばミミルがフードを払わなくても、私の顔は現れる。さて、ミミル。私は泣いていないわよ?
「あお、は、かなちみのいりょって、アーテいった!」
「―――あらあら」
「ホルティーナ様、かなしい?」
二人とも、私の目の色で悲しいと思ってるの?アーテったら何をどう教えたのかしら。なんだかおかしくて笑ってしまったわ。
悲しいの?と聞いているのに私が笑い出したからかしら。二人してきょとんと目を真ん丸にして見上げているのがまた可愛くてそのふっくらとして頬を突っついてやる。そうすれば二人も笑いだして。しばらくそうしていると眠たくなったのかこてりと寝てしまう。少し………不安だったのかしら。
「このままいますか?」
「―――そうね。このままいるわ。アーテ、ちょっとお願いしてもいいかしら」
「いいですよ。また勉強を見てくださるならば」
「本当に勉強熱心ね。この子たち用に毛布と、それとバナルかロロに私の裁縫セットと布を持ってくるようにお願いしてくれる?」
「私が持ってきましょうか?」
「アーテは入っては駄目よ。バナルとロロに理由を聞けば分かるから聞いてみなさい」
そんな不思議がっても教えません。熊男のズボンが隅に置いてあって、下にシーツを巻き付けてる男を誰がすき好んで女の子に見せると言うの。アーテなら固まって動かなくなりそうだわ。
けど、毛布を持ってきてくれたその顔は教えてもらえなかったみたいね。やっぱりバナルもロロも教えるのを躊躇うわ。首をかしげたままミミルとトッティに毛布をかけて、後から来たロロから裁縫セットと布をもらう。
大きさはだいたい把握したからとりあえず作ってみて、あとは履けるか確認してから何枚か作ってあげましょう。感謝してほしいものだわ。まあ、あのままだと不衛生だし。子どもたちを病気にさせないためよ。これは子どもたちのため。
トッティたちが起きるまでに決めなさいよ、熊男。私は物にもよるけど、そこまで気が長い方ではないの。もし決まらないと言ったらどうしようかしら?見本のズボンを半ズボンにしてあげようかしら。切った布はなにかに再利用すればいいのだし。そうね、そうしましょう。
「そうだわ。ロロ、みんなに伝えておいて。あの熊男に契約魔法を使うから、もしかしたら眠るかもしれないわ」
「え、契約魔法ってそれほど魔力を使わないと思うんですが?」
「本来わね。大急ぎで魔石を作るし、偽名での登録だから魔力が無理に働いてごっそり持っていかれるのよ」
「無茶をするんですか?じゃあ後でみんなに怒られてくださいね」
「………言うわね。そうならないためにも熊男の魔力も使わせてもらうわ」
「持ってるんですか?ガトラさん」
「あるわよ。使い方も忘れてるみたいだけど」
持ってて使い方すら体で記憶していないなんて相当、魔法が嫌いなのかしら。まあ、私がみんなに無理して怒られるぐらいなら奪いましょう。無理はしても無茶は容赦ないのよね、この子たち。




