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誤字・脱字を修正いたしました。27.4.15

「ホルティーナはなぜ姿を隠す?」


「………教えると思う?」


「教えてくれないのか」


「教えないわよ」


 しまった。頭部に火傷を負ってるとか言えばよかったわ。そうすれば話は終わったのに。私、まだ睡眠が足りないのかしら。おかげで熊男の興味を引いてしまったらしい。井戸に向かっていた私の手首を、熊男が引き留める。


 そこまでして知りたいの?好奇心で聞くものじゃない事も考えられるでしょう。なんて失礼な男なの。振り払えないしっ!裏にでなければよかったっ。


「顔を洗いに来たのだろう?そのローブだと邪魔ではないか?」


「あなたに心配されなくても、洗えるのよ。その格好で近づいてこないで」


「………見ててもいいか?」


「ふざけないでくれる?貴方のせいでせっかくの朝が台無しだわ」


「そこまで、どうして俺を嫌う?」


「貴方が殺されること前提でここにいるからよ」


 そう、子どもたちを危険に会わせてしまう要素を含むこの熊男。そんな危険なものをここに、いつまでも留めておくわけにはいかないと思っているわ。まだ日も浅いけど、いつなんどきに何が起こるかわからないもの。


 私がそういえば熊男がしゅんと肩を落とした。筋肉質の図体がデカイ男も小さく見えるなんて………私の目に回復魔法でもかけた方がいいのかしら。まあ、おかげで力が緩んだことをいい事に抜け出して井戸の水を汲む。


 長年使っているおかげでロープに繋いだ桶を井戸に落として水を汲んだ状態でも引っ張れる。ぐいぐいと溢れないように。熊男が何かする前に出来るだけ早く汲み上げる。よし。邪魔されずにできたわ。じゃあこれを別の桶に移して………はあ。


「そんな食い入るように見るものじゃないでしょ。いい加減、服でも着なさいよ」


「まだ乾かない。それより、どうやって洗うんだ?気になる」


 気にしなくてもいいわよ。これじゃあ落ち着いて顔をさっぱりする事も出来ないじゃない。まあ、それなら私が移動すればいいことなのだけど。持ち運べない訳でもないのだし。と、言うことでこれを持って移動よ。この水も終われば花壇にあげるんだし、花壇の方で………………


 なんで、ついてくるの?貴方の服はあっちでしょう?あそこにぶら下がっているでしょう?なに?そんなに見たいの?ただ屈んだら顔にかかってたフードが下に向くからその隙間で顔を洗うだけよ?大した事でもないのに―――女の顔をジロジロ見ようとしてるいんじゃないわよ。


「あなた、どこまでついてくる気なの?私はこのまま家に入って台所に持っていくのだけど」


「あそこで顔を洗うのか?」


「貴方がいなければ何処ででも洗えるわよ」


「………運ぼう 」


 余計なお世話って、知ってる?あと、どこだったかしら。どこかの国で『小さな親切は大きなお世話』という素敵な言葉を聞いた事があるのよ。さりげない親切、のつもりが相手にとって余計なお節介、てやつね。この熊男は今まさにそれなのだけど、なぜ気づかないのかしら。


 重くもないのでけっこうよ。そう口にして―――蹴躓く私はおっちょこちょいではないのよ。桶で足元が見えなかったのと、私の腕をまた熊男が掴んで一歩の足を出したせい。踵が痛いわね!少しだけ擦れた私の足はバランスを崩すのに容易かった。中途半端な体重移動にそんな事されたら倒れるわよ!


 見事に手放してしまった桶は地面に落ちる。ガンと言う音とバシャリと水が弾ける音。それと同時に私の体は後ろの何かに打ち付けた。




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