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誤字・脱字を修正いたしました。27.4.15
いけない。寝過ごすところだったわ。約束を破るなんて私の教えに反するじゃない。
どうやらそのままちょっと、と思っていたら完全に寝転けたみたいね。はっ!と起き上がればうっすらと陽が上る時間だった。しかたないわ。何もなかったと信じて後で結界の方を調べましょう。
とりあえず着替えて下りましょうか。この時間ならまだ誰も起きないわ。それなら居間でゆっくり結界の方に耳をすませるのもいいわね。いつもと違う感覚に少しだけ楽しいじゃない。
いつもはみんなが起き出す前に、でもギリギリまでは下りなかったもの。寝てないのか心配されてしまうから今はギリギリなのだけど。まあ、今日ぐらいいいじゃない。まだ少し薄暗いけど………しばらくしたら明るくなるわよ。
その前に顔を洗ってしまいましょう。裏の井戸からとるのも新鮮だもの。きっといい目覚めになると思うわ。熊男の事であんなに取り乱す事はもうしない。そう、気持ちを切り替えるのよ!でもさっきから変な音がするのよね。何かあったかしら?
「………………………………」
「………………………」
「おはよう」
「ええ―――おはよう」
どうして、ここにいる?ちょっと、まだ朝日も昇ってないのよ?私に少しでも時間を置きなさいよ。しかも………なぜ上を着ていないの。理解に苦しむわ。相変わらず毛むくじゃらの顔で表情も分からない。
裏に通じる扉を開けたらまあ、奇妙ね。広い庭になぜか上半身裸の男が棒切れを右手に携えて立っているのだから。―――さっきから何か斬るような変な音がしていたけどもしかして素振りでもしてたの?でも音がそんなに………ああ、それほどこの熊男が早い動きをしていたと言う事ね。きっと。
とりあえず、顔を洗ってしまいましょう。いや、その前に熊男をまずどこかへ追いやって………いいえ、まず服を着させて―――その前に、
「なんで服を着てないのよ」
「洗濯だ」
「ああ。一張羅で すものね。もしかして下はそのまま………」
「洗ったぞ」
「そう。ん?ちょっと、魔法は?生活魔法の浄化ぐらい出来るでしょう」
「………わからん」
「また記憶?そろそろ思い出したのではなくて?」
ああ。駄目だわ。なんだか熊男と対面してると突っぱねてしまうわ。私は別に構わないのだけどこれがみんなに影響を出してしまうと痛いわね。でも昨日ので………あれは子どもだとどう受けとるのかしら。テテラは十三歳で楽しんでいたわね。三歳のミミルは………想像ができない。
まあ、それは後でミミルに確認するとして、熊男ね。魔法は今では使えない人の方が稀だし、どうなのかしら?私から言わせてもらえれば熊男は属性をしっかり持っていて魔力を感じるんですもの。どの、かはわからないけど。
魔力があればどの属性もだいたい使えるはずよ。ただ、得て不得手。得意不得意はあるけど。無理してごっそり魔力減るだけよ?けっこう魔力あると思うのだけど………
「俺は騎士だったのだろうか?」
「どうしてよ」
「乾くまでに棒を振ってみた。なんだか分からないが体が勝手に動いて一連の動作が出来上がる」
「………それは体の記憶ね。頭は忘れていても今まで動いていた体は覚えているわ。魔物を仕留めたから感覚でも出てきたのかしら」
そうなると………騎士だし、 なにか隊列とかやらせたら思い出すのかしら。それとも軍法?狙撃隊なら戦争には絶対に駆り出されるわよね。でも思い出させたらアヴリーベを調べている事を思い出すはずよ。ただどうして追われているのか、でループ。実は思い出させない方がいい?けどそれだとどうやって追い出せばいいのかしら。もうっ。
「とりあえず服を着なさいよ。いつまで裸でいる気よ。困るわ」
「下は履いてるぞ?困ることはない」
「そう言う問題じゃないわよ。いいから着て」
「さっき洗ったばかりだ。服がない」
「………魔法を使うわよ」
ほら、その濡れてる黒い服を出しなさい。私が直々に魔法で乾かしてあげるわ。もしかしたらバラバラになってしまうかも知れないけど。風魔法って調節が難しいのよねー。
「―――自然に任せる」
「どうしてよ」
「危険を感じた」
「変なところで防衛本能をださないでちょうだい」
まったく………これじゃあいつまで立っても乾かないわよ。乾かさないのであればどこか行ってくれないかしら?




