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誤字・脱字を修正いたしました。27.4.15
「私が貴方を毛嫌いしてるからこれは当て付けか何か?わざわざ支えてくれなくてけっこうなのよ」
「いや、その………引き留めたくて、だな。それに落ち着く」
「貴方、実は相当のたらしじゃないでしょうね?子どもたちには絶対に近づかないでくれる?」
また抱き締められるとは、私も大概ですけどねっ!どうして私は最近この熊男に抱き締められているのか。まったく理解ができない。ええ、できないわ。何一つ。引き留めるために抱きつく?これはまずい。たらしよ。たらしなんだわ。記憶をなくす前は後ろから抱き締めて顔が見えないようにして甘い声を出すのよ、きっと。そうして気にかけてもらうんだわ。
毛むくじゃらの部分をとればまあ、見れる青年ぐらいにはなるものね。私はもう六百ほど生きているからどの子も年下で幼く見えるのだけど、この熊男もまあ、年を重ねていても青年と言えばなんとなく頷けるわ。基準なんてわかないけど。
でもね。私、そういうの好きじゃないわ。むしろ嫌いで気持ち悪い。ああ、なんだか嫌だわ。どうして私と熊男の距離がこんなに近づいてしまうのかしら………ちょっと。さっきの言い訳どうしたのよ。引き留めるのに腕を腰に巻き付かせなくてもいいでしょ。
「細い」
「変態」
「それと………花の香りはいつもするな。なんの花だ?」
「変態に教える義理もなにもないのよ」
「………悪い」
そう思うなら、やらなければいい。そう思えるものは物心ついた子どもの頃から。いつも罵声が飛び交う中で、私が何かやるたびに何か言われる。なら、初めからなにもしなければいい。私はあの里でそれを学んだ。
でも、理不尽なのよ。初めから何もしなければと構えていても。結局、私は怒られて突き放される。嫌な記憶だわ。でもこれを忘れてしまうと、私はきっとすぐに死んでしまうのよ。ハーフエルフはどこでも疎まれるのだから。どこでも、誰からも、嫌われる。
「泣いているのか?」
「変態に捕まったことを嘆きたいわ」
「違う………」
「じゃあ、違うのでしょうね。貴方と価値観まで一緒なら本当に泣きそうだわ」
腰に巻き付いている腕を軽くタップする。離せと言う合図を送ってみているのだけど―――どうやら熊男に対してこれは逆の事を意味するみたいね。締まったわ。なんでよっ。
はぁ………そろそろみんな起き出す頃ね。テテラはけっこう早起きだから―――またこんな場面を目撃したら楽しむのでしょうね。そうなる前に抜け出さなきゃ後々、私が居づらくなる。それは阻止しないと。
でも、なにかしらね?急に動いたと思ってたら体が反転。驚く暇もなく。目の前の肌色が鮮明に目に映し出される。そう………鮮明、に。気づくのは遅かったと思う。遅すぎたわ。驚いて固まっていたら熊男に顎を持ち上げられて、目があった。これくらいの距離なら熊男の瞳がどこにあるかぐらい、わかる。でも、私の思考はまだ、追い付かない。額に、何が触れた、の………?
「今思い出したのたが、昔、不安の時にこうされていた、と思う」
「………………………………………………………思う?」
「顔が思い出せないが、とても暖かい。そして、優しくまじないをかける」
「まじない………ああ、確かにあるわね。キスの場所にも意味があるから」
「額はなんだ?」
「祝福よ。貴方、誰かに愛されてたんじゃない?祝福を贈るくらいですもの。きっと身内よ」
「性別まで覚えていない」
そう。まあ、それはどこか隅にでも置いておきなさいよ。今から別の話をしましょう?私になにしているのよ。そういうのは親しい人に贈る物でしょ。記憶がないって本当に面倒よねっ。知らなかったで済むんですものっ!!
だいたい何してるのこの熊男!人が嫌がっているのにローブの素顔を覗いたあげくに私の額が汚れたじゃない!!絶対に許さないわよ!!この際だからここでのルールを叩き込んであげるわ!いい!?まずここでは私の顔を隠している姿を無理に暴こうとしない
「え、昨日の今日でもう新展開ですか!?」
―――早く離しなさいよっ!?




