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誤字・脱字を修正いたしました。27.4.11

 何かがおかしいとは、思ったのよ。マティクとエーラに風の魔法を教えていたら向こうのアーテたちが少し騒がしくなった。任せたのだから、もしカトレーとイーグあたりが騒ぎだしても宥めなくてはならないわ。魔法教師はただ 教えるだけではないもの。


 でもなんだか少しどころではないような気がするのよね………「熊さんだー!」と、幻聴まで聞こえてきてしまって………嫌だわ。こっちに集中しなくてわ駄目ね。


「あの………ホルティーナ様」


「………アーテ?どうしたの。任せられたのなら子どもたちと離れるものではないわ」


「私の力不足です。手が付けられません。お願いします」


 え、何があったと言うの!?今にも泣き出しそうだなんて、アーテにしては珍しいじゃない!?不安そうではあるけど、年長のせいもあるせいか泣こうとはしなかったのに………いったい子どもたちに何があったと言うの?


 完全にふいてしまったアーテにエーラとマティクにトッティと傍にいるように伝えた。ミミルはしかたがない。私が抱っこしているのでこのままだ。あの子達も言う事を聞かないやんちゃな子達ではないはずなんだけど………原因がわかって、眉間を押さえた。ミミルの心配する声が近くに聞こえる。


「アーテは悪くないわ。悪いのは全部あいつよ」


「でも、私みんなを止められなくて………」


「そういう時は一喝でも大きな音でも、なんでもいいから自分に注目を浴びさせるの。子どもたちより私の方がえらいと言う事を見せないと、子どもは何も知らずに飛び跳ねるだけよ。力押しだけでは駄目だけど、ここの子達は誰が凄いのか、分かっているから怒らないとこのまま自由よ」


 だからこれはお仕置き。なぜこんなところにいるのかわからない熊男にへばりついた子どもたちは私の魔法でちょっと反省してもらいましょう。ミミル、ちょっとバランスか悪くなるわよ?


 あんまり長くは出来ないけど片腕にミミルを抱えて、空いた腕で的との間隔を確かめる。今日は天気がいいから水にしましょう。少し肌寒くなるかもしれないけど、すぐに乾かせるし大丈夫よ。みんなもう大きな子達ですからね?


「水よ、流れなさい」


 一言呟けば………ざばーと止まらない水があの子たちの頭上に降らせる。一瞬でなにがどうなったか分からなくなった子どもたちは熊男くっつきながらも固まった。よかったわ。バナルとロロ、テテラは引きはなそうと頑張っていたもの。濡れ鼠の対象にちゃんと外れていたようね。


 ミミルを抱き抱え直して近寄れば、ミミルの体が強ばった。我慢できるか聞けば、こくりと小さく頷くので我慢してもらう。それでも、これ以上の距離を縮めるつもりはない。私の声が届けばいいのよ。


「みんな、今は何をやっている時?アーテの授業はつまらなかった?私はいつも、何を言っていたかしら、テテラ」


「あ、はい。『貴方たちは、生き抜くと強く願ったから普通の生活に戻れるように、私がいなくなっても生きられるように知恵をあげる』と言っていました」


「そうね。貴方たちはそう願った。だから知恵をあげる代わりにここでの生活では得手不得手はあるにしても学ぶ時はそれを中途半端にしない事を言ったわ。そして貴方たちは頷いた。約束をしたの。それから約束は守りましょうね、と教えたわ。約束は絶対ではないとも私は教えた。でも、これはなに?イーグ」


「っ………熊が、戻ってきて、くれてっ―――う、うれしくてぇっ」


「………どうして私に言わなかったの、モルフィーリ」


「だって、くまさん、また消えちゃうっ!」


「カトレー。飛び付いているようだけど、もしその熊が貴方を食べようとしたらどうするの?武器も持たずに戦うの?」


「でもっ、くま、は!食べないよ!」


 ―――ここまでのようね。熊にしがみついたまま完全に泣き出してしまったらもう何も出来なくなる。手を掲げて濡れた服や髪を乾かせばみながいっせいにこちらに来てくれた。


 私の前に並べば声を揃えて「ごめんなさい」。悪いことをしたと分かってくれたので、私は目線を会わせるように屈んで一人ずつ抱き締めた。ミミルと三人で抱き締めあう。その後アーテのところまで行って同じように三人は謝った。アーテは何も言わず三人とも抱き締めて怒っていたようだけど―――口調はとても柔らかいものね。大丈夫みたい。


 さすがにこのままではいけないのでテテラにまだ不安なミミルを預けて家に入ってもらった。バナルとロロに今日は文字の練習に変更させてみんな家に入ってもらう。そして私は………………まだ突っ立ったままのこの熊男と話を、するとしましょうか。






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