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誤字・脱字を修正いたしました。27.4.11

 熊男をつれて玄関をでた。朝日が顔を出して今日の晴天を教えてくれる。まだ天辺には遠い向こうの山に近い位置はこれから人が活発になる時間でしょう。


「悪いけど、やはり出ていってもらえないかしら?」


「どうしてもか?」


「子どもたちの意見を聞いてからにするつもりだったわ。でも、今朝の事を考えれば貴方をここに置いておくのは不都合がある」


 トッティはもしかしたら慣れるかもしれない。ミミルだって、数年も経てば慣れる。しかし、私はその数年の間に事件が起こるなんて思ってない。この熊男は狙われている。いくら結界が張っていると言っても、この熊男には破られたのよ。危険な種を匿う余裕なんてない。


 朝の事を思い出したのか、熊男は顎に手をあてて考える仕草をした。選んでいるのかしら。選ばせる権利はあちらにないと思うのだけど。なにか言われる前に言うことは言っておきましょう。


「イーグとモルフィーリは貴方に興味があるみたいだけど、泣いた子達は受け入れてないわ。相手は子どもなの。貴方が無理に居続ける事で精神に不安を与え、臆病になってもらってはこの先生きていけなくなるわ。そうなる前に、貴方は出ていってもらいたいの」


「………わかった」


 そう。よかった。説得が無駄に終わるなんて、嫌だもの。荷物なんかはすべて彼に渡したまま。あの指輪は気になるけど、ここは入るものは厳選してあるけど、出るものは拒まない。


 私はここを真っ直ぐいけば道に出ることを教えて熊男を追い出すことに成功。餞別にパンを3つ。銀貨1枚の1000ギルを。ついでだから回復のヒールをかけてその背中を見送った。魔法でまた捕まりそうになったけど、説明したら踏み留まってくれたから焦ったわ。


 家に入れば子どもたちの朝食は終わったみたいで、洗濯のために井戸に行く準備に取りかかっているところだった。不安そうなミミルはやはり見つけた私に抱きついてくる。


「あの男はどうしました?」


「熊さんどーしたの!?」


「熊!今日は午後から暇そうな熊と僕と遊ぶんだ!」


「今日の予定にそんなものはないわよ、カトレー」


「なんで!?僕も熊と遊びたかった!!」


 ああ。我慢していたの?でもさすがに熊男を置いておくわけには行かなかったのよ。我慢してしてちょうだい。


「熊さんにも自分の家があって、心配だから帰ったの。ほら、みんな準備が終わったみたいよ?一緒に行かなくていいの?」


「あー!置いてくなよー!」


 カトレーも慌ただしいわね。渋い顔をした義理兄妹も慌てた様子で裏手にかけていった。何か言いたげな顔のバナルがいたけど、私の朝食分を暖めてから裏手の井戸へ歩いていく。家に残ったのはミミルと私。これはちょっと食べずらいわね。


 まだ不安そうだけど、ミミルを隣の椅子に置いてスープに一口。じっと見つめられるとなにやらむず痒くなるのでたまにスープを飲ませてあげる。内緒よ?大きく頷くミミルに私は笑った。


 食器を片付けて裏に回れば大半が終わっている。完全に出遅れたわね。人数分のシーツに大小様々のシャツにズボン。シーツに隠れて下着も干してあとは水を捨てるだけとなっていた。


 終わった頃を見計らって今日の予定を言う。本当は昨日の続きといきたかったけど、ミミルで私は動けないので今日は魔法の授業。私とアーテでやる事にする。ほら、魔法教師になりたがってるし。知識はあるのだから後は教える側の慣れが必要なのよ。


 小さい子どものミミル、トッティ、マティク、エーラは私が。アーテを教師に助手のロロ。生徒にバナル、カトレー、イーグ、モルフィーリ、テテラに別れる。私は基本でアーテは一般。私はここから見守っているわ。


「まずは、みながどれくらいできるのかを見ましょう」


 そうね。見てみなきゃわからないものは多いわね。ではこちらも見てみましょうか。ミミルとトッティはまだ三歳と五歳なのでまだ駄目よ。今日は無口なマティクとちょっと臆病なエーラを観察しましょう。


 マティクはあまり喋らない。それはここにくるまで親に強く喋るな、と言いつけられたからだ。私は無理に喋り出させようとはせずにそのままにさせている。十一のマティクはここに来て四年。だいぶ打ち解けてきているし、必要なら伝えなきゃいけない事は理解してくれている。四年で喋りだそうしてくれているのだから、あと四年で口下手ぐらいまでには話せるだろうと私は思うのよ。


 エーラは少し臆病。一人では決められなくていつも回りに流される事が多い。それでも芯は強くて負けない子。今は料理を頑張ってる。そんな二人が今日放つ魔法は『ウィンド』。攻撃魔法だけど、力を押さえれば掃除がかなり楽なのである。まあ、生活は魔法だけに頼らせないけど。実は魔法の威力調整に風魔法は一番適しているのよね。主観もあるけど。


 土だと出すだけでわからないし。火の大きさ、熱さの変化は危ない。水の量もみんなで出して家が流されるのも考えたくない。光と闇は論外。そもそも持っているのが稀少である。


 風ならまだ子どもたちの威力では竜巻など、そうそうに起こせない。実は結界のおかげでここの風通りは少ないのよね。いくら風をぶつからせても、まだひよっこたちでは暴風にもならないのだ。


「それじゃあ、やってみましょうか。魔法はイメージが基本よ。このローブの裾を揺らしてみましょう」


「はい」


「………うん」


 返事があってよろしい。では、あちらも始めたようだからこちらも始めましょう。


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