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誤字・脱字を修正いたしました。27.4.11

 トッティとミミルを、なんとか慰めた私は自室に戻った。さすがに涙と鼻水でぐちゃぐちゃになったローブのままでいる気はない。熊男がなにかしないか気がかりだけど、トッティとミミルは少し離れたところでアーテにお願いしたから大丈夫でしょう。私もすぐに行けばいいのだし。


 こんな明るい場所でローブを脱ぐのは久しぶりね………誰も見せていない顔はいつもローブで隠して。よく子どもたちが不審の思わないものだ、と我ながら考えてしまう。


 涙を吸ったローブは少し重くてずるりと頭と肩から流れ落ちた。ついでに広がる私の髪が陽に当たって輝きだす。


 母から受け継いだ夕日の色。エルフでは珍しい髪色で村ではいつも母にこぞって誰かが褒めてた。瞳は父らしき人から受け継いだ空の色。私はそいつを父とは認めない。そいつのせいでハーフエルフの迫害が起こったのは事実なのだから。


 そう締め括ると私も原因の一つであるのだけど………………私だって好きであの二人の間に生まれたわけではない。言っても仕方がない事はわかってる。でも、原因が親だと分かると、どうしても腹がたって駄目になる。


「そろそろ………………お願いしておくべきかしら」


 ローブの買え時よね。それにこれから先に冬支度をしなくてはならないもの。急に寒くなるのだから早めに準備をするに越したことはないわ。


 ローブをベッドに置いてかけてあった一つのローブを取って着た。着たあとに気づいたのだけど、あの熊男が使っていたのってどれかしら。さすがに洗いたい。まあ、着てしまったのはしかたがない。これが熊男が着ていた物じゃないことを祈って………………


「血の………匂い?」


 ほんのわずかに、匂う鉄。外傷なんて、なかったと思うのだけど―――まさか、ね。






「ホルティーナしゃま!」


「駄目よ、ミミル。食べている時は立っては駄目。埃がたっちゃうわ」


「あ、めんちゃい………」


 しょんぼりしなくてもいいの。ミミルはこれから成長していくのだから。立ったついでにへばりついたミミルを抱き上げてテーブルに戻す。私の場所は………………熊男と離れた場所。つまりはミミルたちと一緒に朝御飯を食べる事になった。


 こっちはアーテにバナル。トッティは結局こっちね。それとミミルの四人だけ。あとは熊男となんだなんだと話しかけていた。やばいわね………定着、してないわよね?


 子どもの警戒心はどこにいったのかしら?やはり人が珍しすぎて興奮しているのね。一度街に降りさせようかしら………まだだけど冬支度もあるし………まあ、相談ね。アーテとバナルは慣れてもらわなきゃ駄目だもの。


「バナル。さっきは何を言おうとしたの?」


「状況説明です。まあ、トッティがあの男を見て驚いて泣いただけなんですけど」


「目がないって言ってたのだけど」


「ああ、言ってましたね。目がないのにこっち見たって言って怖がって泣き出しました」


「やっぱりあの熊男は追い出した方が良さそうね」


「ホルティーナ様がそう決めたのなら、私たちは従いますけど………イーグとモルフィーリはどうします?」


 アーテ、止めて。今一番頭を捻っているところなの。離れた席の向こうは好奇心旺盛の子達ばかりで熊男に対してあれこれ聞いては食べてテーブルの上がひどい。あの中でまだ年長のロロとテテラの十三歳組が頑張って宥めているけど………ああ。スプーンは振り回すものではないのよ。


 熊男のどこを気に入ったのかわからないイーグとモルフィーリは食事そっちのけ絡んでいる。これは怒らなければならないわね。ミミルが不安がって私のローブを握るけど、怒らなきゃいけない時もあるのよ。


 アーテと場所を変わってもらってミミルを任せる。まだ握っているけど頬をゆっくり撫でて握る指をほどくと離れていった。これはあとで今日一日中へばりついてそうね。今回はしかたがない、かしら。全部熊男のせいよ。


「イーグ、モルフィーリ、食事中よ。きちんと食事しない子には今日の習い事を厳しくしますからね 」


「え!?」


「駄目!」


 それでも離れないのね。まったく。ああ。テーブルが………テテラとロロには感謝するわ。この二人にはお仕置きが必要よ。


「私の約束を守れなかったでしょう?テーブルを見てみなさい。みんなで作ったスープが手をつけられず溢れているわ。食事は感謝の気持ちを胸に残さず食べ、お行儀よくしましょうね、と教えたはずよ?イーグとモルフィーリはみんなとの約束を忘れてしまったの?」


「「ごめんなさい」」


「私にだけではないでしょう?楽しいみんなのお食事に二人だけ遊んでいたの。迷惑をかけたのではないかしら?」


 ちょっと強めに言えば「あ」とした表情でテーブルを見てみんなに謝りにいった。顔は今にも泣きそうだ。それでもみんな理解してるから、年長組は頭を撫でたりして優しい言葉をかけてあげる。大人しく食べていた子どもたちも、気にしていないと笑顔で返していた。みんなでテーブルを片付け始めたので、私は熊男に声をかける。元凶を摘める、チャンス―――…


「貴方は表に出て。話があります」


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