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誤字・脱字を修正いたしました。27.4.11

「あー!熊さん起きたあー!!」


「本当だ!熊が起きてるー!?」


「熊ー!!」


 ああ。面白そうに突進していっちゃったわ。おかげで熊男のもとにイーグを始めに五人が群がっていく。


 あれからローブで一悶着をバッサリ切って、今度は起きる起きないの暖簾に腕押し状態に戻ってしまったけど、結局のところミミルが起きてしまったために三人とも下りる事になった。ミミルは熊男を見て怯えていたものね。私から離れるものかと必死に顔を隠してしがみついてた。


 さすがにそんなのを見てしまった熊男にも罪悪感はあったらしい。なんだか暗い雰囲気で離れて私と(ミミルに)距離を取って居間でしばらく寛ぐ事になったのよね。その間ミミルは絶対に私から離れようとしない。怖がって私は拘束されっぱなし。しかたないから少し肌寒いけど外に出て家の回りを散策。みんなで植えた花を見ながらなんとかミミルを落ち着かせることに成功してさっき戻ってきたんだけど………


「なあ熊!どーしてそんなにでかいんだ!?」


「熊さん熊さん高い高いしてー!」


「駄目だよ食べられちゃよ!!」


「うえーん!!!!」


 ああ。どうなっているのか分からないけどトッティが泣いているのを見てミミルまで泣き出してしまいそうに顔を歪めてしまう………そして私を見つければトッティは走ってきて抱きついてきた。ついにミミルも泣き出す。ちょっとだけ、耳が痛い。


 さすがに二人も抱き上げれないのでトッティは抱き止めるだけ。しゃがんで背中を丁寧に撫でてやる。トッティは元気だけど少し泣き虫。よほど熊男が怖かったのね。ええと………誰が一番分かるかしら―――年長組のアーテとロロが朝食。お手伝いにマティクとテテラ。この子達もあと少しなのね。なかなかしっかり者たちで………


 ああ、バナルがいるわね。私の姿を見つけたと共に近寄ってくれた。そして私に向けて何かを言ってくれているのだけど………………駄目だわ。鳴き声でかき消されて聞こえない。バナルには悪いけど、まずはこの子たちね。


 熊男は子どもたちをぶら下げてなにかしてるから、あっちは放っておきましょう。しっかり握りしめたローブをしわしわにして泣き叫ぶトッティの背中を撫でていた手を頭に移動させて抱えてあげる。ローブでくぐもった声になったけど、泣きたい時は泣いた方がいいの。


 しばらくそうして根拠のない「大丈夫よ」と繰り返してようやく落ち着いたのがご飯の時。まだ涙をいっぱいに溜めているけど泣いたおかげで落ち着いたみたい。できた朝食にみなが準備を始める。熊男もなぜか一緒になって準備していた。なぜ?まさか熊男の分まで作ってしまったの、アーテ、ロロ。


「トッティ、落ち着いた?」


 うん、と頷く。まだ怖いのか、顔を上げてくれない。


「怖かった?」


 核心を付いてみるけど………………あら。本当に怖かったのね。肩を跳ねあげてからさらにしがみついてきたわ。それにミミルまでも私にくっついてくる。まだまだ、子どもだものね。


「どうして怖いの?」


「だって!………目が、どこにもっ、ないのぉっ」


 目?目って、あれよね。瞳よね。無くて怖いの?そんな事を言われたらついつい確認してしまった。熊男の顔は確かに毛むくじゃら。髪からもみ上げ、顎から口回りまで『毛』が覆われてる。小人ドワーフといい勝負じゃないかしら。


 まさか目が見えないだけで怖いなんて………トッティは五歳の男の子。男の子が泣き虫なのはちょっといただけないかしら。まあ五歳ならまだ大丈夫よね。こちらの様子を窺うように熊男が見てる。たぶん、トッティたちを見ているのだと思うのだけど………私まで視線にいるのは少し、癪に触る。


 そうだわ。トッティを使うようで悪いけど、これを理由に出ていってもらいましょう。それが一番だと思うし、他の子達には悪いけどトッティが怖がっているのだもの。しかないわよ。とりあえず近づけてさらに怖がれば追い出せばいい。さらに泣き出したら責め立てて追いやる。そうしましょう。


「熊さんの目は隠れてるの。一緒に探しましょうか」


「や、やだ!」


「トッティ大丈夫だぜ!俺も一緒に探してやるから!!」


「熊さん怖くないよ!熊さんはね、熊さんだもん」


 ほら!とトッティの手を握って連れていこうとするイーグとモルフィーリ。まだまだ謎の多い熊男に好奇心は萎えないらしい。仲間を増やすためにもトッティを連れ込もうとしている。しかし、トッティは頑なに私のローブを握っていやいやと首を振っている。このままだと喧嘩になってしまうかしら。


「イーグ、無理に誘うのはよくないわ。嫌がっている事を無理にさせるのはよくないの」


「ホルティーナ様、なんで?」


「モルフィーリは虫が嫌いよね?イーグが珍しい虫を見せてあげるから一緒にいこう、って無理矢理に連れていこうとしたら嫌でしょ?」


「やだ!!」


「俺はそんな事しない!」


「もしもの話よ?イーグも嫌いな魔法を覚えるまでやりなさい、って言われたら嫌なのでしょう?それと一緒。トッティは熊さんが怖くて嫌だと言ってるのに、無理に連れていこうとしたらトッティはイーグも嫌いになってしまうわ」


「ええ!?なんでっ!?やだ!!トッティとは仲良しだよ!」


「だから相手の嫌いな事は無理にやってはいけないの。わかった?」


「わかった。じゃあ、ご飯一緒に食べよう!」


「一緒に食べよう!」


「うん!」


「その前に顔を洗ってらっしゃい」


 ………………子どもは無邪気よね。ああ。イーグとモルフォーナの横やりは考えていなかったわ。まさかの私の作戦失敗ね。





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