第一章 10-06
「いろいろ納得いかないと思うけど、お前たち親父にどこまで聞いた?」
「ユウ兄とお父さんが交信してた後に少し聞いたの。お父さんもともと異世界の人で、ユウ兄を育てて異世界に転送する指名があったの。ユウ兄はそのことを10歳のときに聞かされてていろいろ独自に特訓してて、3ヶ月前に留学したって聞かされてたけど、留学じゃなくて異世界行きだったって話。」
コヤネはそこまで言うと、ワインの瓶を一口飲んだ。
「でね、昨日の昼にお祭りに行ったんだけど、さっきの人たちがお城の前でパレードしてて、周りの人の噂を聞くと、私たちが森でやっつけた分があの人たちのやったことになってるようなカンジなの。勇者さまーって。」
もう一口飲んで、やっぱりキツイわと瓶を置いた。
「そうか。まぁ簡単に言うとあっちが表でこっちが裏なんだ.」
「え?」
思わず3人は顔を見合わせた。
「あいつらは国の象徴というかアイドルみたいなもので、魔族を倒しながら旅を続けるんだけど、実際のところはそんなに力はないので裏で手助けをする役割が必要だそうだ。
親父は裏勇者って言っていたが、裏勇者があらかた敵を滅ぼしておいて、とどめをさすのは彼ら表勇者パーティというパタンらしい。
裏がいるということは国の一部のものしか知らないし、知られてもいけない。勇者パーティ自身も魔道師だけが知っていて、他の者は裏勇者の存在を全く知らないし知られてはいけない。」
ユウはコップに残ったまだ温かい紅茶を一気に飲んだ。
「この紅茶、結構美味しいな。」




