第一章 10-05
「ちょっと話そうか。」
ユウはそう言って獅子の屍から離れ、切り株がいくつかある開けた場所に3人を連れていった。すぐ近くに水が湧き出ている。きこりの休憩場なのかもしれない。
「ちょうどいいわ、食事にしましょう。」
3人は戦いの際には隠しておいた袋やコートを洞穴から引っ張り出し、持ってきたパンやハムなどを袋から出して並べた。水があるのはありがたい。さっと顔や手足を洗うと気分はかなりよくなった。
「ユウ兄の家で夕食する気でいろいろ買ってきたのに先行っちゃうから、持ってきたのよ。会えてよかった。」
「お湯沸かしたいなぁ、ライターないの?」
「了解。」
ユウは立ち上がり、小石を並べて円状に囲み、その中に落ち葉や小枝を入れた。
そして一瞬落ち葉の上に手を置いて離すと、それらが燃え出した。
「わぁ、人間ライター。」
と、マヤがはしゃいだ。真似をして落ち葉に手を向けている。
「ある意味、何かと便利ね。」
コヤネも少しは機嫌が治ったようだ。
「コップ2つしかないから、コップやお皿も出してよ。」
ウズメの希望にユウは
「いやぁ、さすがに武器しか出せない。」
と言って笑う。
「いただきまーす。」
やっと4人揃った遅い朝食がはじまった。
マヤがニコニコしながら
「4人でいただきますしたかったんだ。やっとできたよ。」
と言って、大きなハムにかぶりついた。




