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異世界のルシャトリエ  作者: 電くらげ
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第一章 10-02

 両首をなくした獅子はその場にばたりと倒れて、切り落とされた首からは赤い鮮血が流れ出ている。2つの頭は地面に転がり、もうピクリとも動かない。


 木々の間からルゾフの「シャー」という声がした後、バンッと弓が弾かれる音がして、ルゾフの叫び声が聞こえた。


「一匹仕留めたわ。」


と、女の声。


「まだいるかもしれないわね、グラウィー、エッツィオ、一緒に見に行きましょう。」


 大男と甲冑の男、そして美しい髪の女の3人は森の中に入っていった。


 横たわる獅子の前に、白いマントの男とグレーのマントの男が残った。

少し離れた木の幹には馬たちがつながれ、のんびりと草を食べている。


 手や服についた血を白いハンカチでふき取りながら、周囲には聞こえないような小さな声で、白マントの男が話しかける。


「正直なところ、どうも苦手だなぁ。」


「何言ってんですか、勇者様!」


「いやぁ、倒すのが嫌ってわけじゃなくて、前みたいに村人がいたら彼らのためって思って張り切れるんだが。」


「こういう陰での戦いも大切なんですよ。ちゃんと人々には伝わりますってば。」


「それにどうも血が苦手で...。」


「ちょっと、勇者様、そんなことぜーったい他で話しちゃダメですよ。レグルス様は唯一の勇者様なんですから。」



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