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第一章 09-07
「ギャー。」
ルゾフの断末魔の声が響きわたり、その屍がドサッと木から落ちた。
「ユウ兄、こっちは任せて!」
と、コヤネの声。
森の奥から同じようにルゾフの声が響く。マヤも戦っているようだ。
獅子が突進してきた。
しかし何か動きがおかしい。見ると後ろ足と尾に蔦が絡まっており、それを引きずっているのだ。ウズメが仕掛けたのだろう。
ユウは動きが格段に悪くなった獅子の片方の首に剣を切りつけた。
怒り狂った獅子は、足元の蔦を引きずりながらも近くにいたコヤネに向かって走りだし、気づいたコヤネはそれに立ち向かおうと剣をかまえた。
「なぜ、ここに来たんだ! そいつは危ない、離れろ!」
妹たちを危険にさらしてはいけない、俺が守るんだという想いがユウに強靭な力を与えた。
「うあーーー。」
声を上げて叫びながらコヤネの前方にひらりと躍り出たユウは、そのまま獅子に向かってまっすぐに走り出し、ぶつかる寸前に一瞬身を伏せて獅子の胸元に剣の一突きを与えた。
獅子は蔦にからまり、ジタバタしている。かなりの致命傷を与えたようだ。




