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第一章 09-06
縦横無尽に突進する獅子は、勢いがある上に2つの首の攻撃と2つの尾の攻撃がある。
その牙から逃れたとしても、黒い唾液に毒性があるようで、体は硬くなかなか切り裂くことはできない。せいぜい突進をかわして噛まれないように逃げるだけで精一杯だ。
ユウは肩で息をしながら体勢を整えた。
闘牛のように走り抜けた獅子は、すぐさまこちらに狙いを定めてまた突進を繰り返す。
突進してくる獅子を避けながら、ユウは飛び上がってその首を切りつけたが、剣はかすっただけで、着地しようとしたユウの体をその尾が弾き飛ばした。
「うっ。」
ユウの体は地面を滑り、木の根元にぶつかって止まった。
その瞬間、すぐ近くの木々の間から
「シャー。」
という声が聞こえた。
ルゾフだ。まだ残っていたのだ。
獅子もこちらに向かって突進すべく身構えている。
ユウはどちらを先に始末するか一瞬ためらった。




