第一章 08-03
小一時間ほどで、殺風景だった部屋にはカーテンが付き、部屋の中央に置いたテーブルにはテーブルクロスが敷かれ、その上には昼間に屋台で買ったりもらったりしたパンや料理や果物がならんだ。野菜スープが暖炉の上でくつくつと音をたてている。
3人は紅茶を飲みながら、兄の帰りを待っていた。
「どうしよう、食べ始めようか。」
「んー、4人で久しぶりにいただきますがしたいな。」
さらに待ったが帰ってきそうにもない。
仕方がないので3人だけで食べはじめることにした。
「いただきます!」
ジュースジュースと言って、マヤはワインを飲んでいるが、一向に酔う気配はない。よほど気に入ったようだ。ウズメもフルーティーで美味しいなどと言って飲む。あまり熟成していない若いさっぱりとした赤だが、コヤネにはどうもきついのでコヤネだけは紅茶ばかりを飲んでいる。
屋台で食べたときも美味しいと思ったが、こうやって改めて食卓で食べても、肉やパンの美味しさは格別だった。ウズメがささっと作ってくれた野菜のスープもたまねぎやにんじんが甘くてベーコンがいい味を出している。
マヤの目がとろんとしてきた。
「食べたら眠くなっちゃうよね。」
それにしても兄が帰って来るのが遅い。
「ねぇ、コヤネちゃん、ユウちゃんもしかして戦ってるのかな?」
ウズメがぼそっとコヤネに聞いた。
「うん、私もそうかなっと思ってきた。」
と、コヤネ。
「ええええー!そんなのだめだよぉー。」
と、寝かかっていたマヤが飛び起きた。




