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第一章 08-02
小屋に到着する頃には、ほとんど陽が落ちて薄暗くなってきた。幸い買ったコートを羽織っているのといろいろな荷物を抱えているおかげで、寒さは防げたようだ。
「たっだいまー!」
マヤがドアのノブに手をかけると、ドアはすっと開いた。
「あれ?鍵かかってないや、ユウ兄ちゃんいるのかな。」
部屋は灯りもなく、しんとしている。マヤは担いでいた荷物を床に転がすとロフトのはしごを登った。
遅れてきたコヤネとウズメも部屋の隅に荷物を降ろし、ドアを閉めた。
「とりあえずさ、火つけようよ。」
コヤネは暖炉に薪と落ち葉を追加し、置いてある火打石のようなもので火をつけた。
「ユウ兄ちゃんいないよ。どこか出かけてるのかも。」
ロフトから顔をのぞかせてマヤが言う。
「帰ってくるまでに夕食準備しちゃおう。まずはあったかい紅茶いれるね。」
荷物を広げてウズメは何やら準備をし出した。
「そうそう、かわいいクロス買ったんだー。窓にカフェカーテンみたいにつけようと思って。」
コヤネが嬉しそうに生成りの布を広げている。
「これだけあればテーブルクロスもできるわ。」
「じゃあ私はお鍋洗ってお水くんでくるね。旅行に来てコンドミニアムに泊まってるようなカンジ。
面白いねー。」
マヤはそう言って、暖炉の横の鍋を2つ手に取ると外に出て行った。




