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第一章 07-05
ユウはヤモリを見つめた。
こんなものに憑依して、異なる世界間で通信できる魔術を持つなんて相当なもんだ。
「私は勇者だった。」
「え?」
「そちらの世界で表勇者をしていた。
表勇者は戦い終了後、現実世界に転送されて裏勇者を育て異世界に送り込む使命がある。」
ユウは絶句した。白づくめできらびやかな勇者の姿、なるほど親父が若かったら似合うかもしれない。
ふっと笑みがこぼれた。そして、自分は生れる前からこうやって戦うべき運命だったのかとしみじみ思った。
「妹たちは巻き込みたくない。彼女たちが帰る前にここを発つことにする。」
「すまないがそうして欲しい。」
「上手く説明しておいてくれ。」
「近いうちにパーティ内の魔道師がお前に直接アクセスしてくるだろう。いつも銀貨などを届けてくれていたのも彼だ。勇者パーティとはこちらから接触すべきではないが、彼とだけは連絡をとりあうことになる。国や魔族のしくみなどは彼に聞いて欲しい。」




