第一章 07-04
「で、今日これからの予定を伝える。
もうそろそろ城でのパレードが終わり、勇者パーティは国を出て道中魔族と戦いながら魔王の本拠地へと向かっていく。
彼らは明朝国を出て一番近い街に宿泊予定だ。国境を出てすぐ1つ目の森にルゾフ20体と中型の魔物が潜んでいる。勇者正午ころにそこを通ることになるだろう。お前はそれまでにその森まで行き、勇者パーティが来る前にルゾフをほぼ始末し、中型魔物を瀕死の状態にして欲しい。」
「わかった、勇者様には気づかないように魔物を始末すればいいんだな。」
「そうだ。」
ユウは最後の1つになったりんごを一口かじった。みずみずしい甘さが広がる。
勇者パーティに気づかれないように魔物を倒す手伝いを裏でする役目だと聞いているが、色々納得のいかないことが多い。
「なぁ、全部倒してとどめをさしてはいけないのか。そのほうが勇者様も楽だろう。」
「いや、それではダメだ。彼らは国を守る象徴で、絶対に負けない位置づけだが、戦って敵を倒している実績は必要なのだ。」
「じゃあ、勇者様が全て倒せばいい。」
「彼らも選ばれた者ではあるが力不足だ。勇者は象徴でしかない。裏勇者であるお前の力がないと倒しきれない。」
「もっと強い者を加えればいいじゃないか。人数も増やせばいいし、強いやつを育てればいいだけだろう。納得のいかないことが多すぎる。だいたい、なぜ俺なんだ。運命ってなんだ。親父は何者なんだ。こっちの世界の魔術師か。」




