第一章 06-01
青い空には雲もほとんどなく澄み渡っている。
色とりどりの花々と噴水などに囲まれた真っ白な城が中央に凛と建ち、その前はかなり広い広場になっている。だいぶん前から席取りをしていたのだろうか、広場を取り囲むように人々が座り込んでパレードを待っている。子供も大人もお年よりも誰もが楽しそうでわくわくしているのが伝わってくる。参道や広場の出口付近も人であふれている。
「これって」
「まさにあれよね。」
「うん、ネズミランドのたったらたった♪のやつ。」
それにしても、警備員なしなのにみんなお行儀がいい。
「パーン、パパーン」
青い空に花火が上がり、赤緑黄の煙が城の頭上に広がる。
「あ、始まっちゃう。」
3人はあわてて空いている場所を探し、出口に近い広場の端の方に座り込んだ。
マヤのフードから赤い目の白いヤモリがするすると這い出てきて、マヤの肩に乗った。
「あ、お父さん。」
「もうすぐパレードが始まる。勇者一行が出てくるのでちゃんと覚えておいたほうがいい。」
「うん、わかった。」
「私はユウに伝えなければいけないことがあるので、すまないが先に小屋へ帰ることにする。ゆっくりパレードを見てから帰ってこい。帰路はこの地図を見ればいい。」
ヤモリはそう言うとマヤの肩から飛び降り、地面に着く寸前に一瞬淡く輝いてその場から消えた。
「え?」
マヤの足元には小さな紙切れだけが残った。




