表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界のルシャトリエ  作者: 電くらげ
38/73

第一章 05-10

 そんな調子で練習を続けて夜明け寸前に寝たので、ウズメは足だけでなく身体中が悲鳴を上げていたようで、やがて薬草の袋を枕に眠り込んでしまった。


 コヤネとマヤが食料などを抱えて戻ってくると、木陰ではウズメが大きな袋を抱きかかえたまま熟睡していた。


「ウズメ疲れたのかなぁ?」


 起こそうかなと思って、ふとコヤネは気づいた。こちらの世界に来てからのバタバタで見落としていたのだが、そういえば山小屋からここまで、ウズメは自力で歩いていた。


「ねぇマヤ、ウズメちゃん歩いてたよね。」


「え?あれれ、夜はユウ兄におんぶされてたよね。車椅子ないよね。あれ?」


 ウズメを起こすのをやめて、2人は屋台の様子を眺めた。こちらの世界も自分たちの世界と大差ないように思える。人々は陽気でやさしく、食べ物は豊富でとてもおいしい。自然もいっぱいだし気候もよい。


「でも、魔物がいるんだよなぁ。」


 それさえなければ、ここに住んだら楽しいだろうななどとコヤネは思った。


 その横でパンをかじりながらマヤが


「あ、パン食べる?おいしいよ。飲み物もあったよ。ビン入りでちょっと重いけど。」


 ブドウ色のジュースの入ったビンのコルクを開けて飲もうとするマヤに、


「ちょっと待って、これワインでしょ。」


「え?でものど渇いちゃったよ。」


「あーちょっとにしなさいよね。」


「ん?なんともないよ。ジュースだよ。」


 顔色ひとつ変えずに、ジュースのように飲むマヤを見て、「私も一口」とコヤネが口にすると、まぎれもなくワインだった。急に心臓がドキドキして顔が赤くなるのがわかる。


「うぁ、キツイ!」


「そっかなぁ。」


 普通にごくごく飲むマヤを見て、姉妹でも体質違うのねとコヤネはつぶやいた。


「ねぇ、ウズメちゃん起こしてパレード行こうよ。お父さん、パレードどこ?」


 気づくと先ほどまでいっぱいいた人々や屋台の売り子さえもいない。

 ウズメを起こして荷物を分け、上着を羽織り、パレードが行われる城前のピロティーへ3人は向かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ