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第一章 04-09
父親との交信のあと、西の森から北へ進んだユウは約10体の魔物を倒し、そのまま休むことなく北の森を東へと進んだ。川の上流にかかるつり橋を渡ると、またさらに深い森が続く。おそらくここに残りの30体あまりが潜んでいるのだろう。今回は全て殲滅させる必要があるが幸いルゾフは群れで行動するので、まとめて仕留めるには好都合だ。
森の空気が変わった。虫や鳥の声が止まり妙な静けさの中に多数の魔物の気配を感じる。と、同時に何か子供の声のような音も聞こえる。こんな時間に村人はこんな深い森まで来ることはない。動物などが襲われているのだろうか。ユウは気配と音がする森の奥へと慎重にすすんで魔物の姿を見つけると、身体をバネのようにしならせ、木の枝に飛び乗った。複数の子供が魔物に襲われているようだ。
「どうしてこんな時間に子供が。」
不思議に思いながらもユウは右手のひらを大きく開き一瞬目を閉じて手を握ると、そこには鋭い短剣が握られていた。子供たちに飛びかかろうとする魔物に一撃を加えようと身構えたとき、
「マヤ、左危ない!」
「え?まさか、あいつたち。」
ユウは目を凝らして、子供たちを確認した。
「嘘だろ...。親父。」
長い剣を振り回すコヤネと跳ね回っているマヤ、少し離れたところにウズメ。
「畜生!親父!何考えているんだ。」




