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まるごとエリンギ

「「「いただきます」」」


 あの後、自分の世界に入ってる二人を引き戻して、ようやく飯が食える。


「あっ!」


「梨花子さんどうしたの?」


「お母さんに、香苗ちゃんの所でご飯いただくの言ってませんでした。食事中なのにちょっとすいません。メッセージだけでも送っていいですか?」


 うん。とても礼儀正しい。

 頷いて返事を返すと梨花子さんはスマホを取り出してお母さんに送るのであろう文章をつくりだした。

 どうやらフリック入力が出来ないみたいで、細かく連打してるのがなんか可愛い。


「送りました。では、あらためていただきますね」


「こうちゃん!このチャーハンおいしいわよ!」


 香苗はすでに半分は食べている。

 ふむ、食べたな?うまいって言ったな?


「そうかそうか!良かったな!嫌いなものも克服できたな!」


「え?」


「その白っぽいのあるだろ?」


「え?え?」


「それエリンギだからな」


「うそよ。そんなわけがそんなわけがないわ!うぅ~でも美味しい。こうちゃんにしてやられるなんて屈辱だわ。」


「香苗ちゃんはエリンギ嫌いなんですか?」


「エリンギってより、キノコ全般が苦手なのぉ」


「そうなんですか?おいしいですよ?エリンギなんてそのままの形で丸焼きしたのに塩をかけてパクっと食べるの好きです」


 お、おおぅ……


「…こうちゃん箸止まってるけど、何をかんがえているのぉ?んん?」


「いえ、なんでもないです…」


 いかんいかん。他の事考えないと


「梨花子さんは嫌いなの無いの?」


「私は貝が苦手ですね。あのブニョっとした感じが苦手なんです」


「あー、それわかるかも。おれも出汁とかでなら大丈夫だけど身は食べないな」


「ふふっ、こうくんと一緒ですね♪」


「だね。梨花子さんにご飯作る時は貝類避けないとな」


「私に…ですか?はい、お願いします…」


「なにこれ?ねぇ、なにこれ?ねぇこうちゃんあたしもいるんですけどぉ?…聞いてなぁい?うー!今度貝の惣菜と缶詰めばかり並べてあげるから覚悟してなさい!」


「いや、そこは作るって言えよ」


「無理よ!お金の無駄よ!」


「香苗ちゃんは調理実習でも何も触らせて貰えませんもんね」


「おま…そこまでかよ…」


「なによ!料理できる人と結婚するから大丈夫よ!」チラッ


「こうくんとかですか?」


「あははははは!ないない!ありえねー!」


「くっ!梨花子料理おしえて!簡単なのから!」


「いいですよ?まずは食べれる野草の見分け方からおしえますね」


「「いやいやいやいや」」


 それはもう中学生の時に教えてもらったから!

 そうだった。梨花子さんち今は裕福になったけど昔はすんごい貧乏で、オオバコやらツクシ、フキとか一緒に集めたっけな…。


「ごめん梨花子。料理は自分で頑張るわ。お義母さんに教わりながら」


「お母さん?あぁ!こうくんのお母さんですね?でも、どうしてお義母さんなのですか?お嫁さんじゃないので、おばさんでいいのでは?」


「う……すごい正論だわぁ」


「それとも香苗ちゃんはこうくんのお嫁さんになるのですか?」


「ふぁっ!?えっとそれは…えっとあの…」


「そんな話はないよ。梨花子さん」


 しっかりと目を見て言ってやった!


「そ、そうですか。それは……あれ?」


 どうしたんだ?固まっちゃったぞ?

 今度は隣の香苗のほうを見てみると、顔を赤くして意識ここにあらずだ。

 なんだ?料理出来ないの馬鹿にしすぎて怒ったのか?まぁいいか。

 視線を戻すと今度は赤くなってボソボソと何か言ってるな。

 なんか今日の俺、放置されてばっかりだな。


[私、こうくんが香苗ちゃんのお嫁さんにならないって聞いて良かったって思っちゃいました。良かった?どうしてでしょう?良かったったことは、二人が結婚するのが私にとっては嫌な事ってことですよね?例えば私がこうくんのお嫁さんになるのは……っ!あら?あらあら?嫌じゃないですね…。むしろこれは嬉しくなってきます。ん~?これもお母さんに相談ですかね?]



 誰も動かないので茶碗とフライパンを洗っているとやっと二人とも再起動した。


「ごめんなさい。ちょっと早急にお母さんに聞かなければならないことが出来まして、今日はこの辺で帰りますね。おじゃましました」


「わかったわ。私もちょっと考えることできたからまた明日ねぇ」


 そう言って梨花子さんは外へ。香苗は部屋えに戻って行った。

 あれ?俺今日飯作っただけ?


 洗い物もおわって部屋に戻ると、充電していたスマホがメッセージが来てることを示す点滅をしてた。

 誰だ?


【西宮】

「明日の朝迎えにいくね!後、今度ケーキバイキングいこ!今なら980円だよ!」



【姫川】

「こんばんわ。明日唐揚げもっていくからご飯かパンか好きなのもってきてね?」



 ケーキバイキングが980円だと?そんな安いのか!これはいくしかない!

 すぐに絶対行くと返信した。いついくのかな?



 姫川には、どっちも持っていくことを返信した。明日の昼が楽しみだ!



 ━━━━━━

 ◆梨花子視点


 お家に帰ってすぐにお母さんに相談です。お父さんは今夜は帰り遅いみたいで助かりました。お父さんの前でパンツの話は恥ずかしいですからね。

 相談の結果、私はこうくんに恋をしてしまったみたいです。なんと初恋です。

 ドキドキが止まりません。

 そして、オススメのパンツとオススメのシチュエーションも教えて貰いました。

 今度行くときはちゃんと着替えて行きたいので可愛い服がほしいですね…。あっ!お友達に教えて貰ったオススメ動画がありましたね!それを見てがんばります!

 えーと、確かミツキちゃんでしたね…



 ◆香苗視点


 まずいまずいまずい!

 まさか梨花子が伊藤君と付き合ってなかったなんてぇ!あの子の天然を甘く見てたわねぇ。しかもこうちゃんとなんか怪しい雰囲気でてるし!

 一緒に住んでるからジワジワと周りから埋めて行けばいいかなぁ?って思ってたのに、そんな事言ってられない。西宮さんも怪しいし…。

 有利な同居をもっと使って積極的に行かないと…

 それに、そろそろ新しい動画用アイデアも考えないとねぇ。



 ◆西宮視点


 あっ、光輝くんから返事きた!

 なになにー?

 おっ!行くんだ!しかも絶対にだって♪

 きっと安さに釣られたかな?

 もうこれは約束だからね?

 安くなる《《条件》》はあるけど、絶対にきてね?楽しみ♪



 ◆姫川視点


 えっ?パンもご飯も持ってくるの?

 どうしよ?

 そうだ!多めに持っていって休憩中にパンに挟んで食べて貰えばいいんだ。

 佐々木君いつも授業の間の中休みでもお腹すいたーって言ってるから丁度いいかも!

 それならパン用とおかず用で味付け変えてみようかな?喜んでくれるかな?

 そいえば《《なんでも》》のお願い何にしよっかな?

 やっぱりデートにしちゃおっかな?

 あっ!それだとしばらく服買ってないから新しく準備しないと!

 確か後藤君が可愛いって言ってた子がいたよね?確か…ミツキちゃんだっけ?あったあった!

 わぁ、ホントに可愛いなぁ~




 ミツキの正体を知ってる者

 現在3名


 佐々木香苗、西宮皐月、????


 ◆????


 二人はちゃんと仲良くしてるかしら?

 それにしてもまだまだ子供よね。撮影してるの隠すならもっとちゃんと隠さないと。

 けど、そのおかげでこうしてデート出来るからいいけどね。

 ふふ、お母さんはなんでもお見通しよ♪

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