第10章 死神デルズ・ノルド
ペガサス…
カーメーは深刻そうな顔で四天王たちと話をしていた。
「ジャッキーからデルズ・ノルド一味がこの国におるという情報だ」
「マジかよ」
と、ジンヤーが驚きながら言った。
デルズ・ノルド一味とは5人の男たちが女性を拉致し犯した後、首領のデルズが殺すという残酷な一味だ。
デルズは今まで女性や自分たちを捕縛しようとしてきたリスポ隊を99人殺しており、死神のデルズと呼ばれている。
「ジャッキーたちリスポ隊と共に奴らを捕縛する。ただ奴らのアジトが分からん。そこでスギにラン、お前たちに囮になってもらいたい」
「分かりました」
「ワシらは水晶玉で様子を見ておる。いいか、ほかに拉致された女性がいるかもしれない。なるべくならワシらが行くまで、手を出すな」
「はい」
「よし、このことはルーナたちにも知らせておこう。今はルーナ、マリー、美奈子たちには外に出ないようにさせんとな」
「ですが師匠、今3人は翔と共にビルの掃除をしに出かけています」
「そうじゃった…スギ、水晶玉で3人の居場所を探せ」
「はい」
その頃ルーナ、マリー、美奈子、翔はビルの掃除を終えて、会社に帰る途中だった。
「はあ、なんで私があんたらと、仕事しなきゃいけなのよ」
と、マリーが愚痴をこぼしていた。
「皆でやれば早く仕事が終わるじゃない」
「だったらキャルロットを連れていけばいいじゃん」
「キャルロット君は別の依頼を受けているのよ」
その時だった。
ルーナたちの前で16歳くらいの女の子が一人の男に連れ去れそうとしていた。
「やめて~!」
「いいから来い!」
「やめなさい!」
と、ルーナが言った。
「おお、これまた美人な女が」
「おとなしく去るなら何もしないわ」
「おとなしく去らなければどうなるんだい?」
「力ずくでその子を守るわ」
「ほう。こりゃ~おっかない。だけど周りを見なよ」
「えっ?」
「離せこの野郎」
「あう~」
「ルーナさん」
「マリーちゃん、翔君、美奈子ちゃん」
「俺一人だと思ったのか?」
「(他にも仲間がいたなんて…)」
「おとなしく俺たちに付いてきてもらおう」
その頃スギールたちは水晶でルーナたちを探していた。
「師匠!見つけました!」
「な、なんてことじゃ。すでにデルズの部下に捕まっていたとは」
キーラの森…
この森に古い屋敷がある。
そこがデルズたちのアジトだ。
「デルズさん。今日は大量ですよ。女が5人です」
「ほう…今日は、俺の100人目の記念だからな。さて、犯した後、100人目は誰にしようかな」
「おうちに帰して」
泣きながらそう呟いたのは16歳の少女だ。
「あなたたちの事は噂で聞いているわ。犯すんだったら私を犯しなさい。他の子たちは解放しなさい」
ルーナがそう言った。
「ほう…こりゃ~また美人だな~俺好みだ。よし。この女は俺が犯す。そして100人目はこの女だ」
「じゃあ、俺はこの目つきの悪い女だ」
「ふざけんな」
「じゃ~俺はこのリボンをした女だ」
「えっ!」
「へへっ…可愛がってやるよ嬢ちゃん」
そう言って、翔の胸を触った。
「ん?」
さらにあそこを触った。
「こいつ男だ!」
「何!男だと」
デルズがそう言った。
「やれやれ…男に用はないんだが…」
「(こ、怖い…でもルーナさん達を助けたい)」
デルズは大きな鎌を持って翔に近づいた。
「ルーナさん達をはなせ~!」
あの臆病な翔がデルズに攻撃を仕掛けた。
翔の正拳突きがデルズの喉に見事に決まった。
さらに右回し蹴りを放ちこれも決まった。
「翔君…」
「いい攻撃だ小僧!よし、100人目はお前に決めた」
「(ダメだ。僕じゃ勝てない)」
「ん?震えているのか?だがもう遅い。この鎌で今まで99人の女やリスポ隊を殺してきた。お前はその100人目になるのだ。喜べ」
そう言って大きな鎌を振り回した。
翔は震えながら避けるしかなかった。
「翔君!」
ルーナが大声で叫んだ。
すると部下の一人が「大人しくしないと痛い目にあうぜ」と笑いながら言った。
「(私一人なら何とかなるが、美奈子ちゃんやマリーちゃん、それにあの女のがいる以上、うかつに手が出せない)」
その時、デルズの鎌が翔の右肩に刺さった。
「ぐわ~」
「へへっ…痛いか?坊主」
「た、助けて…」
「ああ?命乞いか?無駄だぜ!」
「助けて~もう一人の僕!」
「ああ?もう一人の僕?何言っているんだ?恐怖でおかしくなったか?」
そう言って、鎌で翔の首を跳ねようとした。
「翔君!」
「翔君!」
ルーナと美奈子が叫んだ。
「翔…」
マリーも悲しんだ。
だが、
「(斬った感じがね~)」
「そいつは残像だ。水神流の業の一つ幻影」
翔は一瞬のうちにデルズの後ろに回っていた。
そしてその顔は、恐ろしい死神の時の顔であった。




