第24話 呪縛奴隷の地獄
「あ、ああ……ひどい……ひどいわよ、こんなの……っ!」
現代でお嬢様の机に黒板消しの粉をぶちまけ、教科書を破り捨てていた、あのC組のいじめっ子女子リーダーが、床に這いつくばったままワンワンと泣き叫んでいた。
彼女の周りにいる女子グループも、全員が首元の呪印を真っ赤に腫らしながら、絶望の涙を流している。
「お願い……一条さん、助けて……! 私たちが悪かったから! 謝るから、この呪いを解いてぇ!」
「そうだろ、バカ委員長……いや、蓮くん! 俺たち同じ学校の仲間だろ!? 人殺しをしてさらに生き返らせて奴隷にするなんて、倫理的に狂ってるよ!」
かつて俺の頭を泥靴で踏みにじっていたA組の男たちが、必死の形相で命乞いをしてくる。
だが、その声を聞きながら、一条冷華お嬢様は優雅に立ち上がり、オーダーメイドの靴で、いじめっ子女子リーダーの頭をぐりぐりと踏みつけた。
現代で、俺たちが彼らにやられていたことの、完璧なお返しだ。
「仲間? どの口がそれを仰るのかしら。私を没落令嬢と笑い、私の教科書を破り、彼らをゴミのようにパシリにしていたあなたたちが、今更仲間なんて、本当にお笑い草ですわね」
お嬢様は冷たい瞳のまま、踏みつける足に力を込める。
「現代では、パパの命令があったから、あなたたち一般人を殺さずに泳がせておいてあげたの。サイレンサーの銃弾で、不運な事故に見せかけて大人しく警告するだけで済ませてやっていたわ。……だけど、ここは異世界よ。そして神様が用意してくださったデスゲームの舞台。法律も、一条財閥の隠蔽工作も、ここには何の関係もないの」
お嬢様は、冷酷極まりない笑顔を浮かべた。
「私の命令なら、あなたたちを何度でも殺して、何度でも使い潰せる。私の時間を無駄にしたあの神を殺すための、都合の良い【肉盾】としてね」
「ひっ……ひぃぃぃ……!」
自分たちが現代で受けていた「不運な事故」の正体が、すべてこのプロたちの仕組んだ警告の銃弾だったと知り、そして異世界では一生死ぬことすら許されず、使い潰される奴隷になったのだと理解して、全生徒が完全な絶望に叩き落とされる。
「さあ、委員長。ゴミ共の並び替え(フレーミング)を始めなさい」
「御意」
俺は一歩前へ出ると、床に這いつくばる各クラスの元リーダーたちを、冷徹に見下ろした。
「これより、神の城へ進軍を開始する。お前たち他クラス全員は、俺たちの周りをガチガチに固める『人間の防壁』になってもらう。神の差し向ける軍勢の攻撃を、そのチート能力で泣きながら、一発残らず肉盾として防ぎ続けるんだ。――学校でパシリに行くより、遥かに簡単な仕事だろ?」
「う、うわあああああああん!!!」
泣き叫ぶ奴隷勇者たち。
現代でのいじめとパシリのヘイトが、これ以上ないほどエグい『奴隷の地獄』として、他クラス全員へと完璧に跳ね返った瞬間だった。
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