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第18話死すらハッキングする天才



「オ、オオオオオオオオオオオオッ……!!!」


 神殿の広場全体が、禍々しい真っ黒な魔法陣の光で埋め尽くされた。

 至る所に転がっていた、さっきまでチート能力を貰って調子に乗っていた他クラスの数百人もの肉片や死体が、ガタガタと不気味に震え出す。

 ハッカーと軍師プロの、知力:【垓(がい)】というキチガイステータスによる広域ハッキング。


「おい、マジかよ……。生死のシステムって、世界を創った神様の最高機密のはずだろ……? なんで、ただの高校生がそれを書き換えてんだよ……!」


 異世界の王宮魔術師たちが、泡を吹いてその場に腰を抜かした。

 神の構築したこの世界の理(システム)すら、Xクラスのキチガイ染みた頭脳の前では、素人が作ったお遊びのプログラムと変わらない。


「はい、世界の転生サーバーへの中継局(プロキシ)設置完了。他クラス全員の魂の強制キャッチ(回収)に成功しました。これより、全死体の蘇生コードを強制実行(エンター)しまーす」


 ハッカーの少年が、魔導画面の赤いボタンを親指でタップした。

 固有ハック魔法――【絶対服従の呪印・死者蘇生】。


 ドクン!!!と、空間そのものが激しく脈打つ。


「あ、ガはっ……!?」「う、うそ……息が、息ができる……!?」


 床に転がっていた、かつてのいじめっ子女子たちや、俺たちをパシリにしていたA組、B組、C組のリーダーたちの死体が、次々とゾンビのように起き上がり始めた。

 ただのゾンビではない。肉体は完全に再生され、現代での記憶も、異世界で一瞬で大虐殺(無双)された時の恐怖の記憶も、すべてはっきりと残っている。


「私……死んだはずじゃ……!? なんで生きてるのよ!?」

「ひっ、バケモノ委員長! 来ないで、来ないでくれ!」


 起き上がった他クラスの連中が、俺やヤンキーの姿を見て、悲鳴を上げて一斉に後ずさろうとした。

 だが、その瞬間。


「あ……が、あ、ああああああッ!?!?!?」


 数百人の生き返った生徒たち全員が、突如として激しい激痛に襲われ、一斉にその場に膝を突き、床に頭を擦り付けた。

 彼らの首元には、肉を焦がすような音を立てて、赤黒い鎖のような【奴隷の呪印】が浮かび上がっていた。


「な、何これ!? 身体が、身体が言うことを聞かない……っ!」

「一条お嬢様の前に、勝手に頭が下がっちゃうんだよぉ!」


 他クラスのリーダーたちが、涙と鼻水を流しながら、床に額を叩きつけさせられている。

 意識ははっきりとあるのに、肉体の支配権を、Xクラスのハッキングによって完全に奪い取られているのだ。

 ハッカーの少年は、それを見下ろしながら退屈そうに鼻で笑った。


「無駄だよ。君たちの魂と脳の信号はね、僕のシステムと直結されちゃってるから。僕たちの命令には、絶対に逆らえない『呪印奴隷(リビングデッド)』に作り替えられたんだ。……あはは、生き返らせてもらえて良かったねぇ?」


 死すらハッキングする天才たちの手によって、他クラス全員の【強制奴隷化】が、ここに完璧に完了した。


読んでいただきありがとうございます!

次回もお楽しみに!

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