二十六話 悪と正義
「天音ごときで、僕に勝てるとでも?」
ルシファーは右足でガブリエルの左わき腹を蹴った。ガブリエルは顔をゆがめる。
「天音は発動するのに時間がかかる。あの時間があれば世界を壊すのには十分足りるんだよ。ま、力が回復してないんだけどね。」
ルシファーは冷徹に笑う。
「御音乱耳」
ルシファーは耳をふさいだ。
「君と戦う時は鼓膜をつぶせばいいんだよ。」
ルシファーはそう言うと耳を防ぐ両手でグッと力を入れる。すると、両耳から血が流れ落ちた。
「・・・今度は、君の両手と口を潰そうか。」
ルシファーは刀を取り出した。
「うわ~。あの天使強いね。アスモとかに並ぶかな。そういや、アスモってどこだろう。」
Target rock
マモの能力の一つに「強欲を見逃すな」というものがある。これは、マモにとって得になる出来事の全貌を知ることのできる能力だ。なので、焦土大国にいるマモからも戦いがリアルタイムで分かるのだ。
「っと、人間さがそ。召喚術師・・・」
以前、焦土大国を治めている魔王はトワが「俺より弱い」と言っていた。従って、トワは魔王と対戦したことがあるということになる。だが、俺より弱いとは、どれほどの確信をもって言い放った言葉なのか。この世界では、強き者に弱き者が従うという弱肉強食である。だとしたら・・・魔王がトワに従っている可能性もあるのだ。リオスは鳥肌が立った。主には絶対的な「下僕召喚」という能力がある。ここで魔王を呼び出されたら決して相打ち、ましては勝ち戦に持ち込むことなど不可能!トワが最優先の対象へとなった。
「ウリエル!トワの足止めを!」
「はっ!」
「キョウヤもウリエルについてってくれ。」
「了解!」
リオスは空中に浮かんだ。視界にはルシファーとガブリエルの戦いが映る。ルシファーが圧倒的に有利だ。火花が散り、ルシファーは楽しそうに刀を振り回している。
「賭博黙示録ギド」
リオスは暗黒世界へ二人を誘惑した。
「あ~あ。僕の能力に自分がやられるとか滑稽だね。あ~だりぃ。」
「それで・・・」
ギドがリオスを見る。
「サイコロか?それともトランプ大統領にすっか?」
「サイコロでいいだろ。」
「先輩を選んだか。」
「それなら、お前を倒して下山させてもらおうか。」
リオスがサイコロを取り出した。




