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異界融合 〜崩壊した世界で少女達と共に生き抜く〜  作者: レモンGUN
一章

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51/62

作戦開始

  ────── ────── ──────



「加藤さん、時間まで30分ほどです」


「ああ、分かった。黒宮さん全体に通達してくれ、柵が爆破され次第突入する。準備は完璧にしておいてくれと」


「分かりました」


 加藤さんは今回の作戦のまとめ役になっている人だ。ずっと前から計画を練っていたみたい。私は近くにいるユニオンの人たちに加藤さんに言われた通り伝えた。


 情報伝達が早いので、たまにこういうことをお願いされる。私の能力は、最初は目で見えていた人にしか使えなかったけど、最近ではある程度近くの人なら見えてなくても使えるようになった。自分を中心にテレパシーの円を広げていく感じだ。

 こういう使い方をすると、近くにユニオンの人が何人いるかがすぐ分かって、みんなに一度にテレパシーを送れるのだ。魔力の消費が少し多いんだけど、この使い方は便利だ。

 …………考えていることも丸分かりなのが少し嫌だけど……。

 魔力補給セックスをしている人が何人かいるなぁ……。その人たちの思考を読み取ってしまい顔が熱くなるのを感じた。

 作戦前だし、魔力補給も準備のうちに入っているからそういう人もいるのは分かっている。


「はぁ……」


 思考が読めることはユニオンの人達には言っていない。もしバレたら居辛くなるのが分かるし……こっちの方が都合がいいからだ。不思議と罪悪感は無かった。

 ユニオンの人たちには感謝しているけど、全面的に信用しているわけでも無い。悪意を持って私達を見ている人もいる。

 身を守れて過ごしやすい環境にするためには、私の心を読める能力のことは隠しておいた方が良いのだ。



 ユニオンは今、占拠されているという学校の近くの家々の中で待機している。

 さっき加藤さんが言った通り爆発を合図にして一気に突撃する作戦だと聞いている。

 校門から入れれば一番良かったのだけど、見張りの巡回が早いので、近づくとこちらの準備が整う前にバレる危険性があるということで、そこから離れた柵から攻めることにしたみたいだ。


 学校を占拠している敵は、この世界の人間ではなく魔法を使って戦うことができるらしい。私たちの能力みたいなものだろうか……。火の玉を飛ばしたり、バリアを張ったりするから気をつけろと言われた。


 だけど、今回の作戦ではその敵はほとんど抵抗できないはずだ、とも言っていた。

 能力で作った毒を夕食に混ぜる計画で、今頃は手足が痺れて動けないはずだ、と。突入した後はその動けない人たちを素早く拘束するのが肝心とのこと。


 槍の手入れをしながら優希さんのことを考える。

 地図を確認したけど、小学校からこの高校までは結構な距離がある。もし逃げ延びていたとしても、こっち方面に移動してなければこの避難所に合流することはないと思う。


「はぁ……」


 自然とため息が出てしまう。ここ最近はもう癖の様なものになってしまっている。


「きっとここにいるよ」


 隣にいた響が慰めの言葉をくれた……響だって辛いはずなのに……。


「うん……そうだよね……」


 気休めでも……それにすがって捜し続けるしか、私には出来ないのだから、私はやれることをやるだけだ。


「少し、補給しておこっか」


「おっけー」


 まずは魔力補給から。私たちは、集まっているみんなから死角になるような場所を探した。この周辺の広い部屋には大勢の人が待機しているので、個室を探すか、外に出るのがいいかな。


 手始めにトイレを使わせてもらおうと思ったが……先客がいたようで、中からエッチな声が微かに聞こえてきた。


「…………」

「…………」


 私と響は顔が赤くなってるだろうな……。

 突入の前に補給をしておこうと考える人は多いみたいで、中々空いている個室を見つけることが出来なかった。

 まぁ……魔力補給とは関係なくエッチしたいだけの人たちも結構いるけど。

 ユニオンで活動するようになって気づいたけど、みんな性に対して緩すぎるのだ。大人も子供も頭の中がエッチすぎる。

 特に中学生とか高校生とか……思春期の人がエッチだ…………。それで言うと私もそうなんだけど……私は優希さんとしたいからずっと我慢してるし……。やっぱり他の人たちがエッチすぎる気がする。節操がないよ……。


 当然私と同じようにずっと我慢してる人もいる。世界がこうなる前と同じように自分を律している人だ。

 例えば鈴音の腕を治療してくれた由美さんの妹さんとか。姫葉さんだっけ…………あの人は魔力補給が必要だからと言って、することに疑問を抱いているようだ。いつもは由美さんに補給をお願いしているみたい。

 ユニオンでは、セックスしていない少数派の私に優しくしてくれる。

 ……どちらかと言うと、エッチなことに嫌悪感を抱いている様な感じだったけど…………こんな世界になって男の人が嫌いになってしまったみたいだ……。ちょっとかわいそうな気はする……姫葉さんにも素敵な人が見つかるといいなと思う。


 逆にヤることしか考えてない人もいる……。


「おっ、凛ちゃん響ちゃん、どうしたの?」


 銀次さん……。補給に使える部屋探しをしていたら、近くの部屋から出てきた。こんなことなら魔力をケチらずにテレパシーの輪を広げてればよかった。

 女の子と一緒だ……鈴音と同じか、少し上くらいの歳の子だと思う。疲れた様子だ……二人でシていたのだろう。


「あ、君達で補給するの?……女の子同士だと効率悪くない?手伝おっか?」


 またか……この人は本当にこれしか考えていない。初対面から今の今まで、私のことをどう犯そうかということしか考えていないのだ。


「いえ、大丈夫です」


「そうか……」


 銀次さんは私たちに気持ち悪い目線を向ける。

 私たちはその目線から外れるようにそこから離れた。

 最近よく近づいてくるこの人は、とうとう私たちをどう犯すか具体的な計画を立て始めていた。

 由美さんには相談してあるが、思考を読んでいることは言っていないので、あまり信じてもらえていない。というより、セックスすることの何がいけないのか疑問に思っているくらいだ。

 結局、大多数の人の倫理観が変わってしまっているのだから、おかしいのは私たちの方なのかもしれない。


 ……そう言えば、これだけ乱れているのに、妊娠したという話を聞いていない気がする。

 私が知らないだけで、実はみんな中絶とかしてるのかな。なんか……そうだとしたら嫌だな…………赤ちゃんか……。


「…………んっ……」


「……どうしたの?」


「な、何でもないよ……」


 優希さんとの子供を想像してお腹がキュンとした。

 ……最近のマイブームだ。優希さんとの赤ちゃんを産んで幸せに暮らす妄想をしながら一人でしてる。

 終わった後、凄く胸が苦しくなるんだけど……やめられなかった。卑しい自分に少し嫌悪感があるけど…………優希さんがいけないのだ。

 周りはみんなエッチしてるのに、私には相手がいない。優希さんが私のそばにいないから、自分で慰めるしかないんだ。

 …………はぁ……優希さん…………。


「あ、ここ使えそうだね」


「うん」


 ようやく見つけた物置のような建物に二人で入る。ここでシた人がいたのだろう、臭いがした。

 私は手早く上の服を脱いだ。


「また、あれやってもいい?」


「分かった」


 私は自分の卑しい感情を響に隠していない。響も私と同じようなことを考えていると思っているから、隠す必要がない。

 …………響がいなかったら私は今頃どうなっていただろうか……。きっと碌なことにはなっていないだろうな。


 私の前に響の綺麗な胸が差し出される。日に焼けていない白い肌の部分だ。運動部らしく日に焼けた部分と、隠されて焼けていない部分がある。

 私は響のを口に含む。


「優希さん……あむ……んむ……」


 同時に自分のも少しだけ擦る。優希さんに触られながら、優希さんの乳首を吸う妄想をした。


「……優希、さん……ふぁっ……」


 響も同じように優希さんとのエッチを妄想しているのだろう、私の頭を優しく撫でている。

 しばらくの間、響の声を聞きながら妄想エッチ補給を続けた。






「よし、ここで待機だ。もう間もなくで作戦時間となる。皆心してかかってくれ。我々の力で、この学校を解放するぞ」


 ユニオンのみんなが目標地点付近の建物で武器を構えて待機する。爆破を合図に突撃するためだ。

 私たちは近距離戦が得意な能力ではないので、少し遅れてから中に入るように言われている。少し辛いので助かった。妄想エッチ補給の後は心が沈むのだ。


 話し声は聞こえない……みんなの緊張が伝わってくるようだ。そして……


  ──────ドンッ!


 大きな音と共に柵の一部が崩れ落ちた。ゆっくりと倒れていき、補強され壁となっていた柵に大きな入り口が出来る。


「突入!」


 加藤さんの掛け声と共にみんなが動き出す。

 ユニオンのみんなが壊れた柵から雪崩れ込んで行った。三百人はいるかな。その光景を少し離れて響と見ていた。まだ日が出て少ししか時間が経っていないことも相まってか、抵抗はほとんどなさそうだ。


「優希さん……いるといいね」


 響が私の手を握った。


「うん……」


 私はその手を握り返した。

 いる可能性は……高いのか低いのか、よく分からないけど……ゼロじゃない。なら、私はその可能性に賭けて捜し続けるだけだ。たとえここに居なくとも、どこかで生きていてくれているはずだと願っている。

 私のことを待っていてくれていると、私に会いたがっていると……そう信じている。


「加藤さん!」


「おお、君たちか!」


 二人の高校生がこちらに近づいてきた。何やら加藤さんと話をしている。多分スパイをやっていた人たちだ。

 加藤さんはこの解放作戦の指揮をとっているから、報告に来たのかな。


「良い仕事だ。問題なく攻め込めているし、敵の反撃も今のところ無い。よくやった」


「ええ、上手くいってよかったです!……ですが……実は問題が……今朝から雪嶋が見当たらなくて……。刃山さんと千秋ちゃんも」


 ………………?


「なに……?行方不明か…………思い当たる節は?」


「確信が持てるものは何も……ただ、三人とも一緒にいたと思うので、同時にいなくなったということは、なにか意図的なものだと思っています」


「ふーむ……スパイだとバレてどこかに閉じ込められている可能性もあるな……尋問されているやも。校内をくまなく捜索しよう」



 ………………刃山……さん?

 私はその男の人の頭の中を覗いた。




「……あ…………あぁ…………」


「凛、今さ……」


「……うんっ…………うんっ!」


 いた………………見つけた……見つけたっ!優希さんだっ!生きてた!ここにいるんだ!

 心臓が高鳴る。灰色の世界でなんとか頑張ってきた。自分の選択を後悔して…………それでも優希さんに会うために、諦めなかった!


「響っ!いるよ!ここに!優希さんがいるよ!」


「ほんと!?」


 私は響と抱き合って喜び合った。急にはしゃいだからか、周りから変な目で見られたけど、そんなことどうでもよかった。

 優希さんと生きられない日々はとても、とても長い時間に感じた。とても辛かったんだ。でも……それも今日で終わり。早く、早く会いたい!


 捜しに行かなきゃ。きっと辛い目にあっている……今まで寂しかったはずだ。私が慰めてあげなくちゃ!


「響、行こう!」


「うん!」


 私たちは雪崩れ込んでいったユニオンの人達に混じって学校に入った。

 

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