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異界融合 〜崩壊した世界で少女達と共に生き抜く〜  作者: レモンGUN
一章

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42/61

ショッピングモール

「賢斗!上だ!まだ数体残ってる!もっと春華のカバーを重視しろ!……くそっ、千秋、後ろの相手は全部任せていいか?六花を守るんだ」


「うん!分かった!」


 俺たちは今、モールの中でモンスターの集団と戦っている。奇襲されたことにより前と後ろを挟まれ、囲まれている状態だ。

 俺は太ももと腕に打撃を負って動きがにぶい春華のもとへ走った。集団に詰められていて、このまま戦闘を続けたら確実に殺られる。

 走り込みながら長身のゴブリンみたいなやつに長槍を突き出す。が、直線的な俺の攻撃は容易に躱されてしまった。


「くそが!……春華!動けるか?六花に回復してもらえ!」


「くぅ……分かったわ、ごめんなさい……」


 春華は最後に地面に泡を撒いて俺と交代する。数は3体、柄の長いハンマーを持ってる奴が1体と棒切れを振り回しているのが2体だ。

 俺は余裕ぶっこいて泡を無視してこちらに歩いてきている個体の足下を払いのける。そいつは跳び上がることでそれを躱すが、着地する時に足を滑らせ、泡を巻き上げながらすっ転んだ。

 無防備なそいつの腹を目がけて槍を突き刺す。が、棒の部分を掴まれて止められてしまう。


「くそっ」


 他の2体が距離を詰めてきている……。

 俺は長槍を手放して短槍を取り出すと、すっ転んだままのそいつの上に跳びかかり、首めがけて突き刺す。


「ぐぅ……くたばれぇ……!」


 こちらも同様に掴まれてしまったが、強化を全開にして落下の勢いのままなんとか貫通させた。首から血が吹き出し、顔にかかる。

 俺は顔を拭いながら、槍はそのままにすぐさま横に転がった。

 自分も泡まみれになりながら、距離を詰めてきていた2体と急いで距離を取る。強い血の匂いが吐き気を誘う。


「はぁ……はぁ……」


 靴に泡が付いていないのを確認して、もう一本の短槍を取り出す。汗と泡で滑らないよう、しっかりと握り込んだ。

 まずい……ジリジリと詰められている……。


『グゥゥアァァ!』


 一体が走りながら棒切れを振り下ろしてきた。俺は槍でそれをいなしながら半身になる。そして、体勢を崩したそいつの胸に槍を突き刺そうとするが、それは距離を取られて躱されてしまった。

 入れ替わるようにもう片方のヤツがハンマー振り下ろしてくる。

 くそ、避けられない……!

 俺は短槍を横に持ち、ハンマーを受け止める。


「ぐうぅぅ…………」


 腕全体に衝撃が走った。重さに耐えきれず片膝をついてしまう。


「く、そがぁ……おらぁっ!」


 勢いを横に流して下から鳩尾めがけてタックルを食らわせ、よろめくそいつの首めがけて槍を突き出す。が、横合いから棒切れが阻止をしてくる。

 俺は距離を取り、槍を構えた。


 くそ……強すぎる……ゴブリンとはわけが違う。しっかり連携してくるのが厄介すぎる。身長、腕の長さも成人男性くらいはあるし、こちらに有利な点があまり無い。

 膠着状態で睨み合っていたら、賢斗が死角からゆっくり近づいてきているのが見えた。


『グゥゥガァァッ』


 そして、横合いからハンマー持ちの腹に槍を突き刺す。 ムカデのようなモンスターを何体か相手にしていたはずだが、そちらは処理し終えたようだ。助かった、ナイスだ。

 2体とも賢斗の方に視線を向ける。俺はその隙を逃すまいと走り出し、棒切れ持ちの懐に入り込む。そのまま胸の辺りに槍を突き刺した。血が噴き出る。


『グウウウウアァァッ!!』


 何度も突き刺していると、暴れられ押し除けられそうになったので、最後に蹴りを入れて距離を取る。そいつは蹴られた勢いそのままにすっ転び、血を撒き散らしながら転げ回っている。この様子じゃ放っておいても死ぬだろう。


 俺は賢斗の方に向き直った。

 ハンマー持ちは横っ腹を押さえているが、賢斗も反撃を貰ったらしく、片膝をついていた。落としたのか、その手には槍が無かった。

 マズい、ハンマー持ちが距離を詰めようとしている。


「おらぁぁっ!」


 こちらに気を引くために、大声を出して近づいていく。そいつの射程圏内に入ったところでハンマーを横に振り回されたので、しゃがんで避け、隙だらけの手元に槍を突き刺す。

 くそっ……当たったと思ったが、そいつはハンマーを手放し俺の槍を掴みやがった。押し込むが力が拮抗しているのか力を入れても動かない。血か汗か泡か、いくら強く握り込んでもズルズルと滑っていってしまう。


「刃山さん!」


 賢斗は俺と力比べをしているそいつの後ろから掴み掛かった。首に手を回しチョークスリーパーで引っ付く。


『グゥゥゥ……』


 数秒暴れたが、すぐに意識が無くなったのか、糸の切れた人形の様にその場に崩れ落ちた。賢斗の能力で眠ったのだろう。俺はそいつの首に槍を突き刺した。


「みんな!こっちは終わった!来てくれ!」


 俺の呼びかけにムカデの大群と戦っていた3人は寄ってくる。


「千秋、全滅は無理か?」


「何回もやってるんだけど、どんどん出てくる!」


 バリバリと雷撃の閃光が眩しい。火力は過剰なくらいで、轟音と共にムカデの炭が出来上がる。

 だが……このムカデ共はダクトやら扉の隙間やらの、穴という穴からどんどん出てくる。千秋の能力で消し炭にするのは簡単だが、千秋の魔力が持つか分からない。


「春華、泡でこいつらの足止めは?」


「それはやったけど、こいつら滑ったりしないわ!」


 そうか……ムカデの足は接地面が小さいから障害になってないのか……。くそ……何か他に手は……。


「……っ!春華、泡を目一杯撒いてくれ。千秋の雷で感電させられるかもしれない!」


「わ、分かったわ!」


 そうして大量の泡が地面に撒かれ、雪が積もったようになる。厚さ10センチはありそうだ。


「千秋!泡の中にムカデが出来るだけ踏み込んでから雷を撃つんだ」


「うん!」


 結果として、目論見はうまくいった。泡の中でピクピクとひっくり返るムカデが大量に生産されていく。

 これで千秋の雷を撃たなければならない回数が劇的に減ったし、よほどのことがない限り魔力が切れることはないだろう。


 そして……


「よし、いなくなったか?ひとまず撤退しよう。この場所に長居するのは危険だ」


 俺たちは長身ゴブリンの魔力石を回収してモールの出口へ向かった。ムカデの魔力石は数が多すぎるのと、個体が持っている魔力石の大きさが小さいのが理由で少ししか回収していない。




「ふぅ………………きっつ……」


 その後モンスターに遭遇することもなく、少し離れた民家にお邪魔した。

 かなり危なかった。今まで戦ってきたモンスターとは厄介さが段違いだ。ムカデは今までもちょこちょこ見かけていたが、あんな大群は初めてだ。そして、特にあの頭が良くなった大人ゴブリンみたいなヤツ。連携してくるし、こちらがどう動くかを見極める知性がある。今までのモンスターにはない特徴だ。


「ギーマというらしいです。前に兵士たちに教えてもらいました」


 俺たちは今、体を拭きながら休憩中だ。春華の泡は汚れに対しても効果があるようで、みるみるうちに綺麗になっていった。

 賢斗と俺は六花に回復してもらっている。回復するためには肌が触れ合う必要があるんだが……あの、抱きついて撫で回すの止めてもらっていいですか……?そんなに露骨に賢斗との扱いを変えるのはどうかと思うぞ。


「……はぁ……しかしギーマか……あんなの相手に戦えるヤツがそんなにいるとは思えないんだが……本当にあそこで物資を集めてるのか?」


 確かにギーマから取れる魔力石はでかいし、純度もいい感じだ。魔力石は質が良くなる程透明になるらしく、ギーマの魔力石は他のモンスターと比べて透き通って見える。

 みんなの話では、貢献度を稼ぐにはあのショッピングモールが一番効率がいいとのことだが……。俺か千秋がいなかったら絶対に死んでた。特に千秋がいないとどうしようもないだろう。死んだら元も子もない。


「そうですね……僕たちは挑戦すらしていませんでしたが、相性のいい能力とかはあるみたいです」


 相性ねぇ……。ちなみに最初は千秋の雷で全部解決じゃんと、余裕に思っていた。が、千秋の能力は思っていた以上に燃費が悪い様で、一度ガス欠になっている。そして、魔力切れのタイミングを狙ったかの様に他のモンスターが現れたのだ。

 魔力切れで動けない千秋を庇いながらあいつらを処理することはできず、その時は撤退した。春華の泡は撤退時には役に立つので、その点では助かっている。

 そんなわけで千秋の雷は何も考えずバカスカ撃っていると、逆にピンチになったりするので、使い勝手という面では難ありだ。

 もちろんその後、長時間の補給を要求される。しかも隠れてしていたのに、春華と六花が覗きに来てやがった。女の子に押し倒されて抵抗もできずされる成人男性……見ないでくれよ……。


「まぁ……何はともあれ反省会だ。もしあそこで探索するなら、今のままじゃいけないことは分かってるよな?春華、賢斗」


「…………」

「…………」


 追放されないためにはこれくらいリスクを取らなければいけないのだろうが、いかんせん戦闘が安定しないと話にならない。

 両者は未だ喧嘩中といったところ。ここまでくる道中で魅せていた連携はどこへやら、コイツらはモールでは一緒に戦おうとせず、一人になりたがるのだ。

 結果、多対多のはずが、一対多が二つみたいになってしまっている。

 ……まぁ俺にも責任の一端はあるのだろうが……あの時俺は裸を見られただけだ。どうしようもなかった。……はずだ。

 どのみち二人が仲直りすればいいだけなんだから、それを促す努力をしなければならない。


「そんな意地はるなよ。愛し合ってんだろ?ちょっと隣の芝生が青く見えただけじゃねえか。そのくらいどんなカップルでもあるさ」


「…………でもこいつ、いっつも六花のおっぱい見てる」

「んなっ!……お前だって昨日から刃山さんのこと目で追ってるぞ!」


 おい…………ま、まあ六花の胸に目が行くのは男なら仕方のないことだ。俺を目で追うのも恐らくウェリアだからだ。そんなこと二人は頭では分かっているんだろうが……どうしたものか……。


 ふと、横目に千秋を見ると、ずっと俺の顔を……唇を見て口をパクパクさせている。補給がしたすぎて禁断症状が出てきている。そういや能力結構使ってたな……。

 …………はっ!俺は妙案を思いついた。


「……先に補給済ませるか。俺は千秋……と六花の補給をするから、二人は別の部屋で補給をしておいてくれ」


「え……」


 嬉しそうに目を輝かせる千秋と六花。千秋はグイグイと腕を引っ張り、俺を押し倒そうとして来る。対照的に春華と賢斗は気まずそうな雰囲気だ。

 ふふふ……嫌そうだな?だが、二人きりで補給し始めたら、いい感じになっていくんじゃないか?春華は結構能力を使っているはずだ。

 肌が触れ合い、性欲が高まり、やがて二人はお互いを求めていく……。完璧な仲直り計画だ。さあ、とっとと行ってこい。


「…………わ、私も刃山さんに補給してもらうから」

「…………そうかよ、好きにしろ」


 ……はぁ?


「おい、なんでそうなる。ダメだふたり……ぐぅっ」


 俺は千秋に足払いをされて千秋の腕に抱かれる形になった。そしてそのまま……


「待て、千秋、今んむ……」


「んふ、れろ……はぷ………」


 唇が覆い被さり舌が捩じ込まれる。

 こ、こんのエロガキがぁ…………。今大事なところだって分からんのかっ!

 体を捻って逃れようにも体全体を使って俺の腕と頭を固定されてしまっている。俺の顔に覆い被さるような形だ。幸せそうな顔しやがって……。


「あ……」


 バタン、と扉が閉まる音が聞こえた。賢斗が退出した様だ。同時に春華の淋しそうな声が漏れたのも聞こえた。

 マズいって……ここで俺が春華に補給なんてしようものなら、修復不可能になる可能性もある。

 暴れる俺をよそに、誰かがズボンを脱がしにかかる。…………六花だ。し、正気か!?お前の友達が破局しかけてんぞ!こんなことしてる場合か!

 ぐぅ…………抵抗虚しく服を脱がされていく。


「んぅ……れろ……れろ……んむ……」


 しばらく、千秋とのキス音と衣擦れの音が部屋に響く。誰も声を発しない。無言だ。

 やがて俺のシャツにも手をかけられた。スルスルとズリ上げられ、頭を通そうとしてキス中の千秋の唇に引っかかる。

 渋々といった様子で唇を話す千秋。その隙に俺は千秋の抱擁から脱出し、離れ立ち上がる。

 くそ、全裸にされた。何か隠すものは……とか考えていたが、目の前に広がる光景に思考が止まる。


 そこには、二人の裸の女が立っていた。

 

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