魔力補給の欲求
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ヤバイヤバイヤバイ…………。
美味しすぎる、満たされる、なにこれぇ…………ううぅ…………。
男の人のってこんなに美味しいの?全身に行き渡って満たされていくのが分かる……。
ああぁぁ…………し、幸せぇ…………。
みんなが好きな人と補給しまくってる理由が分かった。これはヤバい。
あんまりボクは性欲無いのかなって思ってたけど……男の人と体を重ねるなんて絶対嫌だったけど……これ……これはすごいって……。
はぁ……優希の肌に体を押しつけてるだけでこんなに気持ちいいのか……。このままずっと触れていたい。あったかい……。
ボクは男の人が苦手だった。……苦手というか、ジロジロ見られるのが嫌だったというか。……絶対エロい目で見てるのが分かっちゃうからかな。
兵士達もボクのことジロジロ見てくるし、一人になるとすぐナンパされるし。気色悪くて嫌だった。いつも春華がいてくれて助かってる。
兵士の魔力補給を手伝えば貢献度は稼げるけど、貢献度のためにあいつらとセックスするなんて考えられないし。平気でやってる子がいるのが信じられない。
とにかく、ボクの身体が目当ての、エロい目で鼻の下伸ばしてる男達が嫌だった。兵士も同級生も先輩も後輩も。
いや……それで言ったら優希も鼻の下伸ばしてたけど……。
でも……ボクも優希のことずっとエロい目で見てたからおあいこかな。なんなら優希にはもっと見て欲しいまであるね。ボクで発情して欲しい。
あ……二人が帰ってきちゃったみたいだ。
はぁ…………優希と離れたく無い。しばらくこのままでいたい……けど、賢斗もいるし、隠さないとなぁ。ああ……めっちゃ見られてる。
女の子が私に嫉妬してるのも気づいているのだ。春華には嫌われたく無いし……服着よ。
千秋ちゃんはもうずっと優希とキスしてる。…………キスもいいなぁ。後でボクもしよっと。
ふぅ………………これからが楽しみだ。
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「な、なにしてるの…………?」
その声に脱力していた俺の体はビクンと震えた。まずい、忘れてた……どれだけ時間が経った?二人はもう済ませたのか?
「んむ……んむ……」
二人が帰ってきたというのに千秋は唇を吸うのを辞めなかった。……喋ることができない。くそっコイツ……。俺は引き剥がしにかかる。
「んあー……二人ともおかえり」
六花は俺の太ももに頭を乗せたまま二人に声を掛ける。リラックスした気怠げな声だ。……い、いいのか?もうちょっと慌てるところでは?
「り、六花……刃山さんと補給したの……?魔力石はどうしたの?」
「使ってないけど?」
「な、なんで……六花はそれで大丈夫って……」
「大丈夫だったんだけど……我慢できなくなって襲っちゃった」
「襲っちゃったって……今までそんなこと……」
「んむ……ぷはぁっ!……はぁ……はぁ……ふ、二人ともお帰り……その……せ、説明させてくれ」
俺は千秋をなんとか引き剥がし、弁明を開始した。
ありのままを話した。情けないが俺は被害者だ。襲われた側なんだ。信じて欲しい。
「そんなこと……分かってるわよ……刃山さんより私達の方が力は上なんだから」
「あ、ああ……ありがとう……?」
良かった信じてもらえた。しかし依然困惑したままだ。春華の目は俺に釘付けになっている…………え?俺に?
春華と賢斗は顔を赤くして視線は固定されたままだ。…………いや、よく見たら賢斗は俺じゃなくて六花を見てる。上裸の六花を。
しばらく沈黙のまま……どうしたらいいか分からず、動けずにいた。
千秋がちゃっかりキスを再開しようと俺の頬に手を伸ばしたところで我に帰った。
「こ、こらっ!千秋!やめろ!」
「……っ!賢斗!あんたどこ見てんの!」
「へ?あ、いやっ……ごめ……いや、春華だって!」
それを皮切りに皆一斉に動き出す。
俺は千秋の手首を掴み迫る唇を避ける。六花は後ろを向き、黙々と着替えている。春華と賢斗は何やら言い争いになっていた。
しばらくして、全員の着替えと掃除が終わった後……
「ああ、つまり俺を見ると補給をしたくなっちゃうみたいなんだ」
俺は自分の体質、ウェリアについて話した。俺自身もまだよく分かっていないのに、信じてもらえるかは疑問だったが、全員思い当たる節があるようで、すんなり受け入れてもらえた。
「なるほどねぇ……だからあの女も刃山さんには優しかったわけね……」
「う……」
必然的に俺がネイテールさんとヤったことはバレた。いや、それも俺は襲われた側だからな?
「六花もごめん……そんなに溜まってたなんて……一人だけ魔力石で済ませてたの辛かったよね」
「いやぁ、ボクは全然それで良かったんだけど。あいつらとヤるなんて考えられなかったし。……でも…………二人がそんなに補給したがる理由も分かったかも……。これ凄くいいね……」
六花は唇を舐めながらこちらに流し目を送ってくる。
「は、はは……」
ちなみに魔力石とは、魔力の補給に使える半透明の丸い石だ。これを握り込んでいると、魔力を吸い上げることができるらしい。
石とは言っているが、手に入れるにはモンスターを解体しなければならない。体のどこかにこの石があるので、それを抜き取るのだ。いわば臓器のようなものなのだろう。ゴブリンの場合は心臓の少し下に魔力石がある。
今まで何百とモンスターを殺してきたが、そんな便利な石があったなんて知らなかった。これも異世界人にもたらされた知識なんだろうな。貢献度に加算されるようなので、このチームで狩りをする際は必ず回収するようにしている。
「り、六花は……刃山さんが…………羽山さんでいいの?」
「うん」
魔力石なんて便利なものがあるのに、人間同士で補給なんてする必要あるのか、という話になると思うが……。
人間同士でやる目的は性欲処理だ。魔力補給の欲求とは食欲のようでもあり、性欲のようでもあるようで、魔力石による補給では食欲は満たせても性欲は満たされないらしい。
もともと性欲の薄いらしい六花は魔力石で十分で、性欲は一人で処理するだけでも問題なかったのだが…………なんか、その……したくなっちゃった、とのことだ。
まぁ、これは俺の体質によるものなのだろうな……。魔力がとても美味しそうで、性欲が刺激されるらしい。
「そっか……うん。六花が選んだのなら、私は何も言わないわ。…………ふふ、なんかいっつも罪悪感があったんだけど、これからは心置きなく補給できるわ」
「うん。ボクもこれからが楽しみ」
友達の相手が見つかって嬉しそうな春華。いつもの無表情を少し崩し、顔を上気させる六花。そして、それを横から眺める俺。
そこに俺の意見は存在していない。いや、そりゃ気持ちよかったけども……無理矢理な感じになるのは辞めて欲しい。もっと普通に……。
もう世界は変わったけど、理性はまだほんの少し残っている。背丈も相まって、本当にいいんだろうかと躊躇する。
「いや、春華はもうちょっと抑えた方がいいと思うよ……」
早速スキンシップを始めた春華に賢斗は苦笑いだ。罪悪感を持っていたのは事実なのだろう、タガが外れたかのようにいちゃつき始めた。俺達ここにいるんだが……。
そう言えば、賢斗はモンスターとの戦闘で能力を使う機会はあまり無いが、逆に春華はふんだんに使用している。魔力の減り具合も違うだろうから性欲の強さにも差が生まれてるのかな。
「なによ……あんたも嬉しいでしょ?もっと私の体を堪能しなさい」
それに、ようやく分かってきたが、あの避難所は性に対してかなり緩いらしい。補給時間なんて作ってるぐらいだからな。一応風紀を守ろうという姿勢は見せているようだが、外ではこんな感じになるのが普通なんだろう。
……というか異世界がおかしいんだろうな。あっちでは補給欲と性欲を同時に解消する手段として浸透しているはずだ。この世界よりも気軽に性行為をしているに違いない。
「堪能って……ちょっと……」
賢斗は恥ずかしそうに春華を抑えている。羞恥心はまだ捨てていないようだ。春華と違って。
「なに?私の身体じゃ不満だって言うの?……ふーん……そうよね、さっき六花のおっぱいに目が釘付けだったもんね?」
「な、ちが……っていうかおまえも刃山さんのをずっと見てただろ!顔赤らめちゃってさ!」
「そ、それは…………ふん、そうね。刃山さんはあんたと違って逞しくて美味しそうだったわ。乗り換えようかしら」
「は、はあ!?そうかよ……俺だっておまえみたいな貧相な身体の相手なんかしたくねえわ!」
「な……そ、そうですか、そうですか!もう補給してやんないわよ!」
「はん!そんなのこっちから願い下げだ!清々するわ!」
…………なんか、いつもの痴話喧嘩だと思っていたら……大丈夫か?これ……。
「ま、まあまあ、二人とも……落ち着いて」
「落ち着いて」
俺と六花が宥めるがヒートアップした二人は止まる気は無いらしい。涙目で罵詈雑言を浴びせる春華と、売り言葉に買い言葉で反撃する賢斗。
両者一歩も譲らず、最終的には飛び出していった春華を追いかける形で俺たちは探索を再開した。
…………本当に大丈夫だろうか……。




