補給時間
チームのみんなと別れた後、俺は千秋を連れて3階に上がった。廊下に出ると、すぐにネイテールさんに声をかけられる。
「お待ちしていました。さあ、こちらに」
そう言って先導を始めるネイテールさん。
「あの、話って……?」
「部屋でお話しします」
こちらを見ずに返答された。なんか有無を言わせない印象を受けるんだよなぁ。春華さんにも六花さんにも気をつけろって言われてるし……どうするべきか。
「えーと、千秋も一緒でいいですか?こいつ一人にするのはちょっと嫌なんで」
レイプ未遂のこともあるしな。
「……ええ、構いませんよ」
ズンズン進んでいくネイテールさん。大丈夫かな……なんか不安になってきた。でもな……俺を害するメリットが思い浮かばない。罠だったとして、交渉するほどのものは持ってないからな。
「さあ、入ってください」
ついに3階一番奥の部屋に着いてしまった。ドアを開け、中に入るように促される。中は少し広めの部屋で、薄暗くてよく見えない。いや、こわ。
「あの……また後日でもいいですか?」
「ダメです。さあ」
ここで初めてネイテールさんの顔を見た。うるっとした目で見つめられていた。顔は上気し、心なしか呼吸が早い気がする。
俺は下がろうと体重を後ろに傾けるが、いつのまにかネイテールさんの手が俺の腰に添えられていた。その手はまるでそこに固定されているかのように動かない。
「さあ」
押し込もうとしてるし……。前に進むしかない俺は薄暗い部屋へと足を踏み入れた。千秋は不安なのか手を強く握りしめている。
何があるんだ?よく見えない。
──────ガチャ。
後ろから音がする。……まあ、そうか、怪しかったもんな。俺は鍵をかけた張本人を視界に収めようと振り返ろうとした。が、その前に後ろから抱きしめられる。
首の裏に鼻を押し付けられた。スゥーー……と長い吸引音が聞こえる。
「はぁー…………。羽山優希さん、とても……美味しそうです」
俺は様々な可能性を頭の中に駆け巡らせ、すぐに強化をし、脱出を試みる。
「わっ、筋力強化系なんですね、素晴らしいです」
腕を解こうと力を入れたが、無理だった。力の差で負けている感じがする。俺より断然若いとは思うが、強化をした俺が筋力で完全に負けていた。
「あなたたちでは私たちに勝てませんよ。魔力の使い方なんて知らないでしょう?」
抱きしめる力が強くなり、また、スゥーと体臭を吸われる。首の後ろに唇が当たっているし、背中にはネイテールさんの巨大な胸が押し付けられていた。
「ね、ネイテールさん、何の真似ですか?」
「補給の時は……ネイ、と呼んでいただけますか?」
………………へ?今、補給って言ったか?補給?魔力補給か?俺はそのために呼ばれたのか?
「あの、補給って…………」
「はい。お願いしますね」
抱きしめ拘束をされたまま、グイグイと前に押してくる。抵抗してみるが、力でかなう相手ではないようでどんどん前に押されていく。
時刻は八時くらいだろうか。部屋は遮光カーテンで光を遮られており、光源は蝋燭だけだ。進んでいくと蝋燭の付近の様子が見えてくる。
「まってたよっ」
「…………ふふ」
「あー……いいじゃん」
三人の女の子が下着姿でベッドの上に座っていた。
ネイテールさんにベッドの方へ押し込まれ、よろけた俺はシーツの上に手をついた。その瞬間、両手が左右二人の女の子に掴まれ、そのままベッドの上に引きずり込まれてしまった。
「はーい、こっちだよー」
「よいしょー」
その勢いのまま三人並んでいた女の子のうち、真ん中の子に抱き止められた。
そして三人の手により服が剥ぎ取られていく。抵抗しようにも両腕を伸ばされて上手く動けない……あれよあれよと上半身を守る布は無くなってしまう。
真ん中の子は俺の脇の下に手を入れるとグイッと持ち上げ、俺を抱きしめた。その状態でスゥーと、またしても臭いを嗅がれる。
「あー、あー…………すごく美味しそう。男のウェリアってこんなに……すご……」
周りの女の子たちもスンスンと、鼻を鳴らして俺の体臭を嗅ぎ始めた。
「ちょちょ、ちょっと、ストップ!タンマ!状況が飲み込めない!一旦ストップお願いします!」
俺の必死の訴えが効いたのか、彼女たちは止まった。俺は裏返され、今度は後ろから抱きしめられる。真ん中の女の子に脇の下から腕を通され、しっかりと固定された。背中越しでも分かる大きな肉が押しつけられる。
「待つよ、なぁに?」
耳元に囁かれる。
「いや、あの、説明を求めます!状況を理解できていません!」
俺は自分の理解する時間欲しさに、とにかく説明を求めた。
「あなたは今から私たちと魔力補給をするんですよ」
そう言ってネイテールさんは、いつの間に脱いだのか、下着姿になり、ベッドの上に乗ってきた。
え?説明終わり!?待って、まてまて、ストップ!
「ど、どうして俺があなた方と魔力補給をしなくちゃいけないんですか!同意!同意はどうしたんですか!風紀は!」
「ウチらはトクベツなのー……んぇ」
そう言って右耳に舌を挿しこまれる。奥に押し込まれ、唇が耳に吸い付いた。
「はふ……やっばい、これやっばい」
その子は耳に吸い付いたまま嬉しそうに感嘆の吐息をもらし、俺の鼓膜を震わせた。
「あはは、我慢出来ないよねっ。わたしも、いただきまーす。あむ」
左の耳たぶが、かぷかぷと唇に愛撫される。
「あーん、私もっ、んぇー」
俺を抱きしめて拘束していた女の子は俺をずり上げると、左の耳に舌を捩じ込んだ、
「んふふ一緒に舐めよっ……んちゅ」
後ろから抱きしめられたまま、右耳の奥に舌をねじ込まれ、左耳には二人の唇と舌が押しつけられる。耳を舐める音が脳内に響き、鳥肌が立つ。
「や、やめ……すとっぷ…………」
力が抜けてしっかりとした声が出ない。
「大丈夫ですよ優希さん。私たちと一緒に天国にいきましょう」
そう言うとネイテールさんは俺にのしかかり、大きな胸を潰しながら顔を近づける。
目は涙で潤み、蝋燭の光がゆらゆらと写っている。顔は上気し、半開きになっている口からはぁはぁと吐息が漏れ、俺の顔に吹きかけられた。
クール美人な印象を壊さないように、努めて表情を固くしているように見えるが……俺には発情している様にしか見えない。
「ああ……ほんとうに……おいしそう……いただきます」
あぁ……だめだ……逃げられない。
…………俺はその夜、出会ったばかりの女の子たちにメチャクチャにされた。




