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異界融合 〜崩壊した世界で少女達と共に生き抜く〜  作者: レモンGUN
一章

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17/61

原因究明


 黒宮さんと響に詰め寄られ、拘束されて、キスされてる。とびきり濃厚なやつだ。

 上半身がソファに完全に拘束されて、まったく動かない。ち、力の差がありすぎる……ピクリとも動かん。

 蕩けた表情の、鼻息の荒い美少女の顔二つが強く押し付けられる。喋ろうにも、口を開けるとここぞとばかりに二人の舌が蹂躙してくる。


 頭がクラクラする。酸欠のせいか、興奮のせいか、何も考えられなくなってくる。

 十分は経ったと思うが、二人の勢いはまったく衰えることはなく、むしろ押し付けられる体の圧が強くなったような気がして、興奮していっているように見える。

 ……なんでこんなことになったんだ?わけがわからない。こんな世界だ。何か、未知の病気にでもかかってしまったのかと不安だったのだが。これが症状なのか?

 くそ、口が蕩けそうだ。美少女二人の柔らかい唇がグニグニと押し付けられる。チュウチュウと吸われ心の底から、何かが吸い出されている感覚になる。

 二人ともこんな、情欲を押し付ける性格ではないと思っていたのだが……まるで獣だ。自分の欲望に忠実に、ただただ相手を貪り快感を得る……。

 まだ理性的なところがあるとすれば、キスで止まっていることだろうか。そこまで迫られたらと思うと……俺には阻止する手立てが無い。情けないことに……。力では彼女たちに太刀打ちできない。

 朦朧とした頭でそんな想像をしてしまい、どうするべきか、と苦悩していると、ずっと俺たちの濃厚キッスを見ていた他の生徒たちが、近づいてきた。

 ようやく助かる。そう思った。はやく、この二匹の獣を止めてくれ……。


「あ、あのおにーさん……私もいいかな」


 耳を疑った。

 え?なんて?聞き間違えたか?助けてほしいか聞いてきてた?た、たのむ助けてくれ。くぅ、返事が返せない。少しでも油断すると、二つの舌が目いっぱい入り込んできて、苦しくなるのだ。

 俺は動かせる下半身でなんとか了承を表現しようと努力した。どうすればいい?


「すみません、私も……」「わ、私もっ!」


 口々に協力を申し出る生徒たち。わ、わかったから、みんなで助けてくれ!頼む!

 俺のジェスチャーが伝わってくれたのか、女の子たちが集まってくる。やった!よかった……。

 そうして俺のシャツを捲り上げると横っ腹に吸い付いた。不意の刺激に体がビクンと跳ねる。

 うぇ?なんで?なんでお腹にキスした?

 別の子もかがみ込むとキスしてくる。うぁ……いや、なにしてんの?それでどうやってこの2人を引き剥がすんだ?

 また一人、また一人と俺の胴にキスを落としていく。あっ、くぅ……もうだめだ。気持ち良くて体がビクビク震える。なにがなにやら……頭が思考を放棄し始めている。

 女の子たちがグイグイと押し合いながらどんどん上に上がってくる。

 みんなにのしかかられ、動かせていた下半身も動かせない。

 押し上げられて体が離れるのがイヤだったのか、黒宮さんと響も負けじと体重をかけてくる。柔らかい身体がこれでもかと押し付けられた。顔には柔らかいほっぺたを押し付けられ、唇は二人に貪られる。

 体は全く動かない。少女たちの体が俺に体重をかけ続けている。


 いつの間にか西陽が差し込んでいた。電気のつかないこの部屋は暗く、外からわずかに入るオレンジの光がソファの上で蠢く塊の輪郭をわずかに浮き上がらせる。汗の匂いが充満するこの部屋には、少女たちの興奮した息遣いが響き続ける。

 もう、観念した。俺は今日死ぬんだ。こんなわけ分からん状況が俺の人生の最期……?情けなくて、頬には一筋の涙が流れた。





 捕食は深夜まで続いた。

 俺の体は快楽で疲弊していた。みんな疲れたのか、一人また一人と眠りについていった。俺の上で。最後まで残っていたのは響で、んもんも、と俺の唇を吸いながら眠りについた。


「はぁ………………」


 終わった。生きてる。

 少女の体温と寝息に包まれ、ぼーっと天井を見つめて考える。

 なにが起きたのか。異常だ。好き合った恋人同士でもこんな濃密な交わりはあるだろうか。いや、口だけしか使っていないから厳密には違うのだろうが。

 蹂躙されながら、考えてたことがある。みんな、何かに突き動かされるように、衝動的に求めてきている気がした。正常な思考が失われ、一心に吸い付いてきた。

 そう、吸い付いてきたというところも不可解だ。どうも遠慮がちだった気がする。まるで、初めての快楽に戸惑っているような。つまり、それが目的ではなかったと考えるべきだ。

 では、なにが目的だったか。吸い付くことで、なにかを満足させられる?なんだろうか。汗?体液とかか?黒宮さんと響の唾液への渇望は凄まじいものがあった。まるで何日も食事を抜いた後、好物を与えられた時のような……いや、人間はあんな貪り方はしないか。獣だ。

 はぁ……少し、彼女たちと話し合う必要があるな。気が重い。

 俺はのしかかっている少女達を押し退け……押し退け……だめだ。ガッチリ掴まれてる。寝てるよな?抱きついている腕を少しづつ解きながら脱出していく。パズルでもやっている気分だ。

 なんとか脱出し、風呂場に移動して下着の中を確認する。はぁ。まぁそんな気はした。

 …………洗うか。




 翌朝。俺たちはリビングの床に輪になって座っている。空気は重苦しい沈黙に支配されていた。みんな顔を下に向け、誰も俺と目を合わせようとしない。

 俺を含め、何人かは口を開きかけたが、未だ沈黙は破られていない。

 はぁ……まぁこうなるか。一晩経って冷静にはなったようだ。黙っているということは、一応やってしまったという自覚はあるみたいだが……。

 しかし、朗報がある。彼女たちの顔色はすこぶるいい。いや、暗い顔をしているのだが、疲弊しているという感じはない。これは病気が治った、あるいは杞憂だったと考えていいと思う。


「あー……昨日のことなんだがな」


 とりあえず、話さなければなにも進まない。できるだけ早く原因究明をし、対策を考えるべきだ。


「みんな、覚えているか?」


 少女たちが固まる。皆一様に沈んだ表情だが、顔を赤らめ、耳の赤さで返事を返す。


「いや、怒っているわけでは、ないんだ。ああなってしまったのは、きっと何か原因があると思う。それを突き止めないか?それができれば、同じことが起きないように出来るかもしれないだろ?」


 そう、男としては感謝することはあれど、怒ることはないだろう。いや、昨日のは怒るべきだろうか……?

 まぁ今必要なのは、PDCAを回すことだろう。同じことを何度も起こされると俺は死ぬ。


「は、はい。そう、ですよね。」


 しおらしく黒宮さんが答える。


「まず、どういった状態だったのか、教えてくれないか?」


 再び沈黙。分からないのか、あるいは説明したくないのか。数秒間を置き、黒宮さんが重々しく口を開く。


「あの、とき……優希さんに背負われてから、私は、その、優希さんのこと以外考えられなくなって、それで……優希さんの顔をみたら、我慢できなくなって……し、しました……しゅみません……」


 赤裸々に昨日の心の内を話し、懺悔する。赤面し、目を泳がせながらも説明してくれた黒宮さんに、感謝と謝罪と許しを。恋する乙女の思考Lv100って感じだ。聞いていて少し小っ恥ずかしいが、しかし昨日の出来事の異常性を知るには必要なことだ。


「わっ、私もっ、そんな、感じ……。なんか、く、くち、唇を、見たら止まらなくなっちゃった……っていうか?……そ、それしか、考えられなくなった感じ……みたい、な?」


 助け舟を出すが、同じように眼を泳がせる響。なるほど、症状としては同じ感じだったわけだ。思考が上手く出来なくなる、というか支配されるのか?唇か……。


「いやぁ、私はそこまで好き好きーって感じじゃ無かったんだけど……」


 別の子から梯子を外される二人。


「どんな感じだった?」


「なんか、二人がおにーさんを襲ってるの見て、今なら私もさせてもらえるかなーって感じ?今のうちにって」


 ん?どういう意味だ?思考はちゃんとしてた?彼女は衝動に駆られての行動じゃ無かったってことか?


「あ、私もそんな感じかも」「わたしも……」


 他の、黒宮さんと響以外がその意見に賛同していく。それを聞いて、絶望した表情でさらに顔を赤くしていく二人。

 んー症状は違うのか?……いやまて、つまりこの子達は思考が正常なのにも関わらず俺を襲ったってことか?これは……故意?


「じ、じゃあなんであんな、ずっと俺の上で、その、続けてたんだ?」


「あ………あの…………ごめん、なさい」


「あ、いや、怒ってるわけじゃないんだ。どういう感じだったのかなーって。理由が何かあったんじゃないかなって思ったんだけど、どう?」


 怒っていると勘違いをさせてしまった。シュンとしてしまって発言が消極的になると、話の進みが悪くなってしまう。声色を出来るだけ優しくして、怒ってないアピールを全面に出して話す。……まぁ軽い感じで参戦していた様子もあるので悪いような気もするが。


「その、おにーさんを、な、なめ……ペロペロしてたら、気持ちいって、感じになって、それでやめられなくなっちゃって……」


 と、こちらも赤面しながら話す。他の子も同じだと賛同する。ふーむ最初はそんなつもりなかったが、舐め始めたら、やめられなくなったと。……なんか違法ドラッグみたいだな。

 先ほどから黙りこくっている黒宮さんと響だが、二人はこの意見に賛同しているようには見えない。というか、他と比べて自分たちの罪の重さを実感しているようだ。まぁ明らかに二人の勢いは他と違ったしな。

 というより、黒宮さんが決壊し、それをトリガーとして全員続いたように思う。


「ふーむなるほどねぇ。ちなみに、その、舐めたいと思ったのって昨日だけ?他の日もあったりするのか?」


「ううん、ずっとです。地震があって……能力を使い始めた頃くらいから、かなぁ?」


 また別の子が話してくれた。


「それからずっと我慢し続けたのか?」


「たぶん?なんか、優希さんの唇とか、耳とか?を見て舐めてみたいなーって思ってたと思います。」


「私も!でもなんか最初は全然、舐めてみたい、気がする?ってだけだったんだけど。日に日にその感じが強くなってって、なんとか舐められないかなーって考えたりするようになったと思う」


 この言には口々に賛同の声が上がる。黒宮さんと響も頷いているし、全員同じ症状だとみて間違いないだろう。

 能力を使い始めてから、か。能力を使うことが発症の理由なのだろうか?それに、俺を舐めてそれが解消されるのも不可解だ。因果関係が全く分からない。


「他の人を舐めたいと思ったりしないのか?」


「うーん、なんか違う感じがします。舐めてもいいかなー?って感じはするけど……優希さんがいたら優希さんを舐めたいです」


 ふーむ。俺だけにある何かがある、か?単純に考えるなら、男であることと、年齢を重ねていること、だが。


「昨日男たちに襲われただろう?あいつらとかはどうなんだ?」


 そう聞いてみると、皆一様に嫌な顔をする。


「おにーさんがいいです!」


 ……まぁそうか。んー、比較対象が少なすぎて分からん。まぁ、今日はこんなところか。とりあえずは経過観察だな。

 今後は、きちんと問診をしていこう。同じことが起きないように……。

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