第九十六話 用心棒ワルヤーの襲来 〜佐藤琴子編〜
〜佐藤琴子の視点〜
――――バルルーナ王国
バルルーナ王国の復興作業に取り掛かっている最中の琴子達は、辺りに散らばっている『亡骸』の回収を済ませると、掘り起こした地面の中に一人ずつ丁寧に埋めてしっかりと『埋葬』してゆく……。
「バルルーナさん……。 この人で、『最後』です……」
「了解です琴子さん……。 さぁ、安らかに御眠り下さいね……」
哀しそうな表情を浮かべながらバルルーナ5世は、ゆっくりと優しい手付きで、最後の亡骸を地面に埋めた……。
「終わったか……。 さてと、次はどうするバルルーナ様……?」
「そうですね……。 中々に大変でしたが、これで亡くなった人達の埋葬は終わりましたからね……。 でも、一旦休憩を取る事に致しましょうか……」
「ヨシッ! トイウコトデ、キュウケイダッ! フガフガッ! ボルダホッ!」
埋葬を終えた琴子達は、バルルーナ5世が決めた通りに、暫しの休憩を取る事にした……。
すると、数分程の時が経った頃だった……!
突如として、門番を担当していた『バーバル』が血相を変えながらマモル達の下へと駆け寄って来た……!
「タイヘン、タイヘンッ! 『ナゾノニンゲンノオトコ』ガ、モンノトコロニイルゾッ! ウガウガッ!」
「な、何ですって……っ!? 聞きましたかアドムンハさん、ナルルさんッ! こうしちゃいられませんよッ! 早速、その門の所に居ると言う『謎の男』の下へと急ぎましょう……ッ!」
「まったく、マモルは暑苦しいな……。 チッ、仕方ねぇ……分かったぜ。 ほら、ナルルもボケっとしてないで早く来いッ!」
「ワカッテルヨッ! フガフガ! ダッシュ、ダッシュ! ボルダホ!」
現在、王宮の中で休憩を取っている最中の『琴子』と『バルルーナ5世』達を残して、マモル達は足早に謎の男の元へと向かって行った……!
すると、『門の見張り台』の上から門の外側を見下ろしたアドムンハ達は、其処で『不審な人物』の姿を発見した……!
「おい、バーバル! お前が見た不審な人物って、アイツの事かッ!?」
「ウンウン! ソウダゾッ! ホラ、ミルカラニアヤシイダロッ! ウガウガ!」
「なるほど……。 それでは、先ずはこの僕が刺激しない様に、あの方に向かって話し掛けてみますね……? ほら、同じ『人間族同士』なら、話も通じる筈ですからね……」
「オオッ! ソレナラ、タノンダゾ、マモル! ウガウガッ!」
そして、マモルは見張り台の上から慎重に謎の人物に向かって話し掛け始める……。
「あの〜……。 すっ、すみません……! えっと、貴方に御聞きしたいのですが、一体『何の用』で此処まで来られたのでしょうか……?」
マモルは、恐る恐る問い掛けてみると、そのマモルの姿に気が付いた『謎の男』は、顔を見上げながら返答した……。
「ん? 上から突然誰っすか? 先ずはアンタの方から名を名乗るでやんすよ……?」
その謎の男は、見張り台から顔を覗かせているマモルの顔をジト〜っと凝視しながら、訝しげに聞き返した……。
「あ、すみません失礼しました……。 えっと、僕の名はマモルです……。 そっ、それで、貴方の名は……?」
「ヘぇ〜、『マモル』ねぇ……? あっ、因みに俺の名は、『ワルヤー』でやんすよ。 んで、此処に来た理由は、何だか変な建物が在るな〜って思って近寄ってみただけでやんすよ〜? だから、この『門を開けて』中に入らせてくれないっすかねぇ〜?」
ワルヤーは、ニヤケ面でマモルに向かって門を開ける様に促した……。
「な、なるほど……? 詰まり、貴方はこの王国を『襲撃』しに、やって来たと言う訳では無いのですね……?」
「あ、当たり前でやんすよっ! 寧ろ、この王国の人達と仲良くしたい位でやんすよっ!」
「えっ!? そ、その御言葉……本当でしょうか……ッ!?」
すると、ワルヤーからその言葉を聞いたマモルは、心底ホッとした様な表情を浮かべると、そのまま優しくワルヤーの事をバルルーナ王国に招き入れる為に『門を開けた』……。
「さぁさぁっ! どうぞ御入り下さいワルヤーさんっ! あっ、直ぐ其処に居るのがアドムンハさんと、バーバルさんと、ナルルさんですよっ!」
すると、『ナルル』と言う名前を聞いたワルヤーは、思わずピクッと眉を動かす……。
「おぉ、アドムンハさんに、バーバルさんと、『ナルル』……さんですね? やぁやぁ、初めましてっすねッ! 俺の名はワルヤーと言うでやんすよぉ〜ッ! 是非とも、仲良くしてくれると嬉しいっすぅ〜っ!」
「ワァッ! イイネ〜、ワルヤー! コチラコソ、ヨロシクナッ! サッキハ、ウタガッテワルカッタ! オマエハイイヤツダナッ! ウガウガ!」
バーバルは、歓喜の舞を踊りながら陽気な口調でワルヤーに向かって握手を求めた。
するとワルヤーも、照れ臭そうにしながらも、バーバルと握手を交わす為にそっと手を差し出した。
「ヘヘッ、何かこう言うのって照れるっすね! 宜しくっすバーバルさんっ!」
「全く……。 相変わらず『フレンドリー』な奴だなぁ、バーバルは……。 まぁ、良いや。 んじゃ、俺からも握手を頼むぜ……」
「お、アドムンハさんからも握手を求められたっすねぇ〜っ! へへへ、いやぁ〜、『モテる男』って辛いでやんすよ〜っ!」
ワルヤーは、快くアドムンハからの握手にも応じる……。
「オーイ、ワルヤー! フガフガ! オレトモ、アクシュシテクレッ! ボルダホ!」
すると、ナルルの姿を見たワルヤーは、ニヤリと含み笑いを浮かべながらも、皆と同じくその握手に応じた……。
「貴方は確か、ナルルさん……でやんすね? ヘヘっ! 友情の証の握手を交わすでやんすよぉ〜っ!」
そして、一通り握手をし終えたワルヤーは、マモルに向かって問い掛けた……。
「えっと、それで『王宮』に行っても良いでやんすかねぇ……? あ、勿論『単独』では無くて、是非とも皆さんに案内して貰おうと思っていやしてね……ッ!」
「ふふっ、そんなに僕達の事を警戒しなくとも大丈夫ですよワルヤーさん。 さぁ、それでは早速、ワルヤーさんが気になっていたと言う王宮へと、皆で向かう事と致しましょうかッ!」
「おーっ! それはそれは、楽しみでやんすね〜っ!」
そう言うとマモルは、先陣を切ってワルヤーに王宮への道を案内してゆく。
やがて、王宮の目の前に辿り着くと、其処には『ホネルバ』と『ボルタレン』が何やら談笑している姿が有った。
「おや? 王宮の前で何を話していたんですか?」
「あ、マモルさんっ! いやぁ、バルルーナ様が無事に御戻りになられた事が嬉しくって、ついついホネルバと話し込んで仕舞っていたのですよっ! えっと所で、その御方は誰でしょうか……?」
すると、そのボルタレンからの問い掛けに対して、ワルヤーが素早く自分の素性を明かした。
「へへっ、俺の名はワルヤーでやんすよっ! 一応、『悪鬼旅団』とやらに入団してるっすけど、別に俺は『悪い奴』じゃ無いっすよっ! と言う訳で、これから宜しくっす! えーっと、貴方達の名前は……?」
「あっ、私はボルタレンと申します。 此方こそ宜しく御願い致しますねワルヤーさんっ!」
「フム、フム! ワルヤー、ダナッ! イイナマエダナッ! オレノナハ、ホネルバ! コチラコソ、ヨロシク〜ッ!」
「ほぉほぉ、ボルタレンさんに、ホネルバさんっすね! よしっ! しっかりと覚えたっすよっ!」
着実に名前を覚えていくワルヤーは、誰にも悟られない様に、静かに顔を歪ませる……。
すると、その事に気が付いたアドムンハが、不思議そうに問い掛ける……。
「あ? 突然、ニヤ付いてどうしたんだワルヤー?」
「へへっ、ただ単に昨日の夕食の事を思い返していただけっすよぉ〜?」
「はっ、何だよそれ? まったく、紛らわしいぜ……。 まぁ良いや、それよりも早く王宮の中に入らねぇか? バルルーナ様と琴子とネアンにも、このワルヤーの事を知らせようぜ?」
「はいっ! そうですね……っ! さぁ、それでは早速、中へと入りましょうかワルヤーさんっ!」
そう言うとマモル達は、琴子とバルルーナ5世とネアンが休憩している『王の間』にへとワルヤーを案内し始める……。
「お〜い、バルルーナさん、琴子さん、ネアンさ〜んッ! 『朗報』ですよ〜っ! 僕達の『新たな仲間』が増えましたよ〜っ!」
「えぇッ!? と、突然何事かと思ったら、本当ですかマモルさんッ!?」
「ナカマガァ、フエタッテェ、ホントォ〜ッ!?」
「えぇ、本当ですよっ! バルルーナさんにネアンさんっ!」
マモルからの報告を聞いたバルルーナ5世とネアンは思わず驚きの声を上げていると、そのバルルーナ5世とネアンに対してワルヤーが素早く自己紹介を行った……。
「やぁ、初めましてバルルーナさんにネアンさんっ! 俺の名は、ワルヤーでやんすよぉ〜っ! これから、宜しくっすよッ!」
「は、初めましてワルヤーさん……っ! わ、私は、佐藤琴子って言います……。 えっと、気軽に琴子って呼んで下さいね……っ!」
すると、バルルーナ5世の後ろに隠れながら、琴子がワルヤー向かって自己紹介を行うと、その琴子の姿を見たワルヤーが感激の声を上げた……。
「どっひゃーッ! こりゃあ、とんでもない『美少女』が現れたでやんすねぇ〜っ!? いやぁ〜、琴子ちゃん可愛いっすね〜! 琴子ちゃんも宜しくっすよ〜!」
「はいっ! 宜しく御願いしますねワルヤーさんっ!」
「いや〜。 順調に『色んな人達』との絆が深まって行って喜ばしい限りですねぇ〜っ!」
「ですねっ! バルルーナさんっ!」
かくしてバルルーナ5世は、満面の笑みを浮かべながら、ワルヤーを歓迎したのであった……!
その、ワルヤーの『真意』を見抜く事も出来ずに……。
【現在位置】
【バルルーナ王国】
【現在の日時】
【4月8日 14時9分 春】
【佐藤琴子】
【状態】:左目失明 上機嫌
【装備】:ドクロマークの眼帯 学校の制服
【道具】:無し
【スキル】:無し
【思考】
1:わぁ〜っ! どんどん、仲間が増えてってますね〜。
2:ワルヤーさんも良い人そうだし、この国の復興作業も手伝ってくれそうだなぁ〜。
3:何はともあれ、いつかは晋也の事も見付けないとね……っ!
【基本方針】:バルルーナ王国を復興する。晋也を探す。
【バルルーナ5世】
【状態】:上機嫌
【装備】:王の服一式 英雄の槍
【道具】:回復瓶2個 解毒瓶2個 回復薬DX3個
【スキル】:バルルーナ王族の魂
【思考】
1:頼りになる仲間が増えていくのは喜ばしい事ですよ〜っ!
2:それも、人間族の仲間が増えて来ていますッ!
3:もっと、バルルーナ族と魔族と人間達が仲良くなれる世界に、この僕が変えていかなくては……ッ!
【基本方針】:バルルーナ王国を復興する。世界を平和にしたい。晋也を探す。
【白き盾マモル】
【状態】:嬉しい
【装備】:白色の甲冑 白の大盾 白い袋
【道具】:防御力の実 忍耐力の実 瞬発力の実 生命力の実 各5個
【スキル】:白き守護神
【思考】
1:お、どうやらワルヤーさんってスナイパーなんですねっ!
2:先程、ナルルさんが誰かしらに狙撃される事態が巻き起こりましたからね……。
3:でも、ワルヤーさんが居てくれれば、その狙撃をした人を返り討ちにする事も出来るかも知れませんね……っ!
【基本方針】:バルルーナ王国を復興する。困っている人を助ける。
【用心棒ワルヤー】
【状態】:嘲笑
【装備】:悪鬼旅団の団員服 バンダナ ゴーグル 鉄砲
【道具】:弾薬40発 葉巻き5本
【スキル】:遠距離絶対命中
【思考】
1:しめしめ、上手く忍び込めたっすね……。
2:当初の目的では、ナルルだけを殺すつもりだったでやんすが……。
3:ナルルが大事そうにしている、この仲間達の事も『殺害』する事に決めたでやんすよ……。
【基本方針】:ナルルと、その仲間達を皆殺しにする。
【アドムンハ】
【状態】:冷静
【装備】:特殊機密暗殺部隊隊長の戦闘服 サイレンサー銃
【道具】:弾薬1000発 細い針500本 太い針500本
【スキル】:絶対冷静
【思考】
1:ワルヤー……。
2:悪鬼旅団の団員……。
3:どうやら、ナルルに強い恨みを抱いている人物で間違い無さそうだな……。
【基本方針】:バルルーナ王国を復興する。バルルーナ5世を護る。ワルヤーを暗殺する。
【ナルル】
【状態】:上機嫌
【装備】:騎士団長の服一式 断罪の槍
【道具】:攻撃力の実 瞬発力の実 持久力の実 防御力の実 各2個
【スキル】:騎士団長の誇り
【思考】
1:ナカマガ、フエダゾーッ! フガフガ!
2:ワルヤー、イイヤツソウッ!
3:トッテモ、タヨリニナリソウダナッ! ボルダホ!
【基本方針】:バルルーナ王国を復興する。仲間を護る。晋也を探す。
※昔に、ワルヤーの家族を殺した事を完全に忘れています。
【バーバル】
【状態】:腹ぺこ
【装備】:琴子の眼鏡 応援団長の服一式 白い軍手
【道具】:石化玉 凍結玉 怯え玉 混乱玉 睡眠玉 ホイッスル 各1個
【スキル】:大応援
【思考】
1:ソレヨリモ、ナンダカ、ハラヘッタナーッ!
2:ナンカ、クイモンクイテーッ!
3:ウガウガッ!
【基本方針】:バルルーナ王国を復興する。食事をする。
【ネアン】
【状態】:元気
【装備】:平民の服 平凡な槍
【道具】:回復薬4個
【スキル】:五分五分の戦い
【思考】
1:ワルヤーサンッテェ、ナンダカァ、トッテモォ、イイオトコォ、ジャナーイ?
2:ワタシィ、タイプカモォ……♡
3:ワルヤーサンニィ、イイトコロォ、ミセタイナァ……。
【基本方針】:バルルーナ王国を復興する。ワルヤーと付き合いたい。
【ホネルバ】
【状態】:疑心暗鬼
【装備】:骨の被り物 骨の剣と盾 袋
【道具】:誰かの骨10本
【スキル】:スカルショック
【思考】
1:フム、フム!
2:ワルヤーハ、アヤシイナ!
3:オレノ『チョッカン』ガ、ソウ、ツゲテイルゾッ!
【基本方針】:バルルーナ王国を復興する。ワルヤーに警戒。
※直感で、ワルヤーの敵意に気が付きました。
【ボルタレン】
【状態】:感涙
【装備】:騎士の鎧 騎士の槍 袋
【道具】:回復薬DX6個 火炎瓶10個
【スキル】:百裂突き
【思考】
1:戦力が、どんどんと増えて来ていますね……っ!
2:矢張り、仲間が増えると嬉しくなって来るものですねぇ〜……っ!
3:うぅ……っ! 何だか、思わず目に涙が……ッ!
【基本方針】:バルルーナ王国を復興する。頼れる仲間を増やす。




