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思いの外上手くいかない理想の異世界生活!  作者: ミカル快斗
第二章 各々の方針が固まる二日目
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第九十二話 命の宝玉 〜密売人コルマ編〜


〜密売人コルマの視点〜


――――未知の大地ギナゾ



 『四大世界の大秘宝』の中の一つである【命の宝玉】を持っている『人形遣いデルフィネ』の後を必死に追跡している最中の夢幻旅団員の二人組は、辺りを真剣に捜索しながら会話をし始める……。


 「なぁコルマ? あの可憐な『デルフィネ』きゅんは、一体何処に行っちまったんだぁ……?」


 バートルは、コルマに向かって心配そうに尋ねた……。


 「まぁまぁ、そんなに焦るなよバートル。 人形遣いデルフィネが、あの【命の宝玉】を持ってんのは間違いねぇんだ。 だから、恐らく人目に付かない様な『安全な場所』で隠れ潜んでるんだろうな……?」


 コルマは、顎に手を当てながら、そう思案していると、不意にバートルがコルマに向かって質問する……。


 「あれ? そう言えばコルマの目的って、命の宝玉を手に入れる事なんだっけか?」


 「ん? あぁ、そうだが? まさか、お前は違うのかよ?」


 すると、そのコルマからの返答を聞いた途端にバートルが、豹変しながらコルマに向かって熱心に自分の『真の目的』を語り出した……。


 「うへへっ! 俺は命の宝玉なんかどうだって良いんだぜぇッ! 俺が欲しいのは人形遣いデルフィネきゅん『本人』の方だぁッ! あぁ〜……。 早くあの美少年の首を絞めたいぜぇ〜……ッ!」


 バートルは、そう言い放つと、段々と恍惚とした表情を浮かべ始める……。


 すると、そのバートルのイカれた表情を見たコルマは、顔を引き攣りながら身震いする……。


 「そ、そうか……。 流石は『絞殺魔』の異名を持つだけの事は有るな……。 お前って本当に、とんだ『異常性癖』の持ち主の変態だな……」


 「んな褒めたって何も出ないぞぉ〜? うへへッ! 俺は美少年の首を絞めないと『リビドー』を発散出来ねぇんだよぉっ! 美青年でも駄目ッ! 美少女でも駄目ッ! 可愛くない少年でも駄目ッ! あぁ〜……。 待っててねデルフィネきゅん……。 直ぐに俺が絞め殺して上げるからねぇ〜……っ!」


 絞殺魔バートルは、涎をダラダラと垂れ流しながら脳内で絞殺する時のシチュエーションを思い浮かべ始める……。


 「うわッ。 やれやれ、本当にヤベェ奴だな、お前って……。 まぁ、でも確かに俺とお前との目的が一致してねぇって方が、後々『奪い合い』に発展する事も無くなるし、案外良いのかもなぁ……。 うしっ、そんじゃ『街ヴィアン』へと向かうぞバートル!」


 すると、そのコルマからの提案を聞いたバートルは少しだけ疑問に思い始める……。


 「あれ、コルマ? 何で街ヴィアンに向かうんだ? 此処から近くに在る街は『ロント』だろ? もし、街ロントにデルフィネきゅんが居たらどうすんだよ?」


 「おいおい、馬鹿かお前は? 態々、俺達から逃亡しているデルフィネが、あんなに狭い街に隠れ潜む訳が無いだろう? 街ロントなんかに居続けたら、一瞬で俺達に見付かっちまうって!」


 「でもでも、デルフィネきゅんは裏の裏をかいて、狭い街に隠れ潜んでいる可能性も有るだろぉっ!?」


 するとコルマは、バートルからの反論を無視しながら、街ヴィアンに向かって歩き出して仕舞った……。


 「やれやれ、こんな不毛な口論を繰り広げてる暇が有るなら、さっさと行動に移るべきだなぁ……。 ほら、行くぞバートル……」


 「ちょ、ちょい待ちッ! 何で俺の話を聞かずに歩き出そうとしてんのぉッ!?」


 「はぁ……。 それじゃ、これならどうだ? これから俺は街ヴィアンに向かうから、お前は街ロントに向かってくれ。 まぁ、どうせ街ロントには奴は居ないだろうがな……?」


 「おっほぉっ!? なぁ〜るほどなっコルマ! 詰まり、『二手に別れよう』って事だなぁッ!? オッケー! って事で、早速俺は街ロントに向かうとするよぉ〜っ! そんじゃ、あっばよぉ〜! コルマ〜っ!」


 「じゃあな、バートル。 恐らく、お前は『無駄足』になると思うんだがな……。 ま、頑張れよ」


 「うんっ! 頑張るぜぇ〜っ!」


 バートルはそう言うと、街ロントに向かって勢い良く走り出して行った……。


 そして、そのバートルの走り去る姿を見送ったコルマは、街ヴィアンに向かって静かに歩き出した……。


 「命の宝玉か……。 俺が頼れるもんは、もうコレしか残って無いんだ……。 死んだ人間を蘇らせるのは『禁忌』だと言われているが、俺には禁忌がどうとか、もうどうだって良いんだからな……」


 コルマは、険しい表情を浮かべながら独り言をブツブツと喋り続けながら歩いていると、その道中で『見知った顔の女』とバッタリ鉢合わせて仕舞った……。


 「……『妖術師ビアンカ』か。 お前も、命の宝玉を求めて街ヴィアンに向かってんのか?」


 「あら、コルマじゃない。 偶然ってのも有るのね? それで、もしかしてだけど貴方、未だに『死んだ妹ちゃん』の事を忘れられないの?」


 「はっ、忘れられる訳が無いだろうが……」


 「ふふっ、そんなに妹ちゃんと会いたいのなら『降霊術師ロマス』に頼んで降霊して貰えば良いのに?」


 「いや、一度だけ奴に頼んでみたけど無理だった……。 どうやら『ティホン』は成仏しちまったらしい……。 だから俺の手で『蘇らせる』しか無いんだよ……」


 「ティホン……。 妹ちゃんの名前よね? そもそも、成仏した子を再び蘇らせるとか、貴方がやろうとしてる事はただの自己満足よ? まぁ、私は貴方を止める気は更々無いけどねぇ……?」


 妖術師ビアンカは、静かに含み笑いを浮かべながら、コルマの顔を凝視する……。


 「なぁ、この話は(めにしないか? 俺の妹の話は、前にも話したばっかりだろ?」


 「ふふっ。 そうね……」


 コルマは、妹の話を切り上げると、不意にビアンカに問い掛ける……。


 「そんで、ビアンカ。 お前が命の宝玉を欲している理由は何だ? くだらねぇ理由だったら、ぶん殴るぞ?」


 「ふふっ、野蛮ねコルマ。 そんな事を言われちゃったら、理由を貴方に話す事は出来ないわねぇ?」


 「はぁ……? チッ、仕方ねぇなぁ……。 それで、お前も街ヴィアンに向かうのか?」


 「勿論よ。 街ヴィアン程の絶好の隠れ場所は他に無いでしょ? それじゃ、行きましょ?」


 「あぁ。 そうだな、行くか……」


 かくして、コルマとビアンカは、人形遣いデルフィネが身を潜めて居る可能性が高いと思われる、街ヴィアンへと向かうのであった……。



【現在位置】

【未知の大地ギナゾ】


【現在の日時】

【4月8日 12時5分 春】



【密売人コルマ】

【状態】:覚悟

【装備】:マスク 黒のベスト 白の帽子 ピストル ビニール袋

【道具】:弾薬20発 金貨5枚 銀貨10枚

【スキル】消える影【効果】:実体を無くして、まるで幽霊の様に宙を舞ったり壁をすり抜ける事が出来る。

【思考】

1:ティホン……。

2:お前は誰かに殺される様な奴じゃ無いんだよ……。

3:だから、絶対に蘇らせてみせる……。

【基本方針】:街ヴィアンに向かう。命の宝玉を手に入れる。人形遣いデルフィネを捜す。妹のティホンを蘇らせる。妹を殺した犯人を突き止める。



【妖術師ビアンカ】

【状態】:呆れ

【装備】:ハートのサングラス ピンクのレオタード ピストル

【道具】:弾薬30発 金貨30枚 銅貨5枚

【スキル】色欲の悪魔【効果】:誘惑する事によって老若男女問わず簡単に服従させる事が出来る。

【思考】

1:全く……。

2:コルマったら何時も妹ちゃんの事ばっかりね……。

3:でも、妹ちゃんを殺した犯人は一体誰なのかしらねぇ……?

【基本方針】:街ヴィアンに向かう。命の宝玉を手に入れる。人形遣いデルフィネを捜す。



【絞殺魔バートル】

【状態】:必死

【装備】:青のトレンチコート ナイフ ビニール袋

【道具】:金貨2枚 銀貨5枚 銅貨10枚

【スキル】逃れられない魔の手【効果】:狙っている獲物の『ロックオン状態』に成功すると、獲物の現在位置が瞬時に理解出来る様になる。

【思考】

1:くそぉっ! 一体何処に居るんだいデルフィネきゅん!

2:少しでも姿を現してくれれば、ロックオンが出来ると言うのにぃッ!

3:一瞬だけ見掛けたあの時に、思わず見惚れて仕舞ってロックオンを忘れるとは……何たる失態だッ!

【基本方針】:街ロントに向かう。人形遣いデルフィネを見付けて絞め殺す。命の宝玉は別に要らないので、手に入れたらコルマに譲り渡す。


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